国会 ブラック企業、ユニクロで働く若者たちの実体
ブラック企業問題の質問を終えて
日本共産党参議院議員 山下よしき
http://www.yamashita-yoshiki.jp/
スクープ 出馬表明 会社が発送
自民党は7月の参院選の比例公認候補に、居酒屋チェーン「ワタミ」の創業者、渡辺美樹会長を決めました。「ワタミ」といえば、弁護士らが主催する『ブラック企業大賞2012』でネット投票1位になったことで有名。そんな渡辺氏に早くも企業ぐるみ選挙の疑惑が浮上しています。取材班
ここに、編集部が入手した一通の文書があります。ワタミのロゴが入った封筒で、同社株主に送られてきたもの。表題には「ワタミ株式会社株主の皆様へ」と書かれ、渡辺氏の自筆サインも印刷されています。
会社の封筒で
文書では「私、渡邉美樹はこの度、自民党の全国比例代表候補として公認されました」と表明。2011年の東京都知事選に挑戦したことや安倍晋三首相に声をかけられたことなど出馬までの経緯を詳しく説明しています。その上で「政治の目的である『国民の幸せ』を必ずや実現することを約束します」と決意を述べています。
問題の文書を見た同社株主の男性は「ワタミの封筒で送ってきたので、株主総会の資料かと思ったら、渡辺氏の出馬表明だったので驚いた」と語ります。
神戸学院大学の上脇博之教授は「会社ぐるみ選挙そのものだ」と厳しく批判します。
「会社が説明を口実にして選挙の出馬表明をしたのは重大な問題だ。社用の封筒などは会社の事業に用いるためのもの。創業者といえども、それを私物化するのは公私混同で許されない」
「会社法で定められている株主名簿を目的外利用したことになる。株主の住所や氏名など個人情報保護の点からも問題で違法の疑いがある」
「手伝うよな」
ワタミの会社ぐるみ選挙は、今回に始まったことではありません。
ワタミ元社員によると、11年の都知事選挙に渡辺氏が都議会民主党の支援を得て出馬した際、同社幹部が社内の会合でこう呼びかけました。
「みんな、渡辺さんにひかれてワタミに入ったんだよね。渡辺さんが(選挙に)出るのだから、みんな選挙手伝うよな」
元社員によると社員は、公営掲示板へのポスター貼りや選挙運動用ハガキのあて名書きなどが割り当てられた、と明かします。
「嫌だったが断ることができない雰囲気だった。強制ではなくボランティアというように仕向け、有給休暇を取らせるなどやり方は巧妙だった」(元社員)
同社広報グループは、「(株主あての文書は)弊社で判断して発送した。投票の呼びかけや立候補表明などにかかる内容ではない」と回答。都知事選での会社ぐるみ選挙についても「業務命令で選挙活動を手伝わせた事実はない」と説明します。
「無能だからリストラ」と暴言
ブラック企業大賞2012でネット投票1位になり、「市民賞」を受賞した「ワタミ」。受賞理由について同大賞実行委員会の河添誠さん(首都圏青年ユニオン青年非正規労働センター事務局長)は説明します。
「時間外労働が1ヵ月で140時間を超える過酷な勤務のなかで入社2ヵ月の女性社員が自殺(08年6月)しました。昨年2月に労災認定されましたが、ワタミはいまだに遺族に謝罪をしていません。
同社のこのような体質は、編集部が入手した「質疑応答」という社内文書にも表れています。同社採用担当者が学生から今までに受けた質問を厳選し、問答形式でまとめたものです。
その一つが「昼夜逆転になることが心配です」という質問。回答は「朝の3時に終り、その後睡眠をとっても、お昼の2時頃には充分起床できるため特に生活が『逆転する』という違和感はありません」です。
労働問題に詳しい笹山尚人弁護士は「深夜労働が人間の健康に悪影響を与えるのは顕著な事実だ」と厳しく批判します。
「会社が労働者の健康や生活に配慮するつもりがないことがうかがわれる」
渡辺会長も驚くような発言をしています。
「なぜリストラされるのか。それは能力がないから、努力が足りないからです」「リストラされるのは、リストラされる側の責任なのです」(自著『14歳と学ぶ「働く」ための教科書』(日経ビジネス人文庫)
河添さんは指摘します。
「会社が雇って働かせていた人の能力が急に低くなるわけではない。リストラを合法化し、会社側の雇用責任を不問にする詭弁で絶対に認められない。このような人物を公認したところに自民党の本質が表れている」
(しんぶん赤旗日曜版2013年6月16日号)
日本共産党ホームページ
http://www.jcp.or.jp/
携帯版
http://www.jcp.or.jp/i/index_i.html
ブラック企業問題の質問を終えて
日本共産党参議院議員 山下よしき
http://www.yamashita-yoshiki.jp/
スクープ 出馬表明 会社が発送
自民党は7月の参院選の比例公認候補に、居酒屋チェーン「ワタミ」の創業者、渡辺美樹会長を決めました。「ワタミ」といえば、弁護士らが主催する『ブラック企業大賞2012』でネット投票1位になったことで有名。そんな渡辺氏に早くも企業ぐるみ選挙の疑惑が浮上しています。取材班
ここに、編集部が入手した一通の文書があります。ワタミのロゴが入った封筒で、同社株主に送られてきたもの。表題には「ワタミ株式会社株主の皆様へ」と書かれ、渡辺氏の自筆サインも印刷されています。
会社の封筒で
文書では「私、渡邉美樹はこの度、自民党の全国比例代表候補として公認されました」と表明。2011年の東京都知事選に挑戦したことや安倍晋三首相に声をかけられたことなど出馬までの経緯を詳しく説明しています。その上で「政治の目的である『国民の幸せ』を必ずや実現することを約束します」と決意を述べています。
問題の文書を見た同社株主の男性は「ワタミの封筒で送ってきたので、株主総会の資料かと思ったら、渡辺氏の出馬表明だったので驚いた」と語ります。
神戸学院大学の上脇博之教授は「会社ぐるみ選挙そのものだ」と厳しく批判します。
「会社が説明を口実にして選挙の出馬表明をしたのは重大な問題だ。社用の封筒などは会社の事業に用いるためのもの。創業者といえども、それを私物化するのは公私混同で許されない」
「会社法で定められている株主名簿を目的外利用したことになる。株主の住所や氏名など個人情報保護の点からも問題で違法の疑いがある」
「手伝うよな」
ワタミの会社ぐるみ選挙は、今回に始まったことではありません。
ワタミ元社員によると、11年の都知事選挙に渡辺氏が都議会民主党の支援を得て出馬した際、同社幹部が社内の会合でこう呼びかけました。
「みんな、渡辺さんにひかれてワタミに入ったんだよね。渡辺さんが(選挙に)出るのだから、みんな選挙手伝うよな」
元社員によると社員は、公営掲示板へのポスター貼りや選挙運動用ハガキのあて名書きなどが割り当てられた、と明かします。
「嫌だったが断ることができない雰囲気だった。強制ではなくボランティアというように仕向け、有給休暇を取らせるなどやり方は巧妙だった」(元社員)
同社広報グループは、「(株主あての文書は)弊社で判断して発送した。投票の呼びかけや立候補表明などにかかる内容ではない」と回答。都知事選での会社ぐるみ選挙についても「業務命令で選挙活動を手伝わせた事実はない」と説明します。
「無能だからリストラ」と暴言
ブラック企業大賞2012でネット投票1位になり、「市民賞」を受賞した「ワタミ」。受賞理由について同大賞実行委員会の河添誠さん(首都圏青年ユニオン青年非正規労働センター事務局長)は説明します。
「時間外労働が1ヵ月で140時間を超える過酷な勤務のなかで入社2ヵ月の女性社員が自殺(08年6月)しました。昨年2月に労災認定されましたが、ワタミはいまだに遺族に謝罪をしていません。
同社のこのような体質は、編集部が入手した「質疑応答」という社内文書にも表れています。同社採用担当者が学生から今までに受けた質問を厳選し、問答形式でまとめたものです。
その一つが「昼夜逆転になることが心配です」という質問。回答は「朝の3時に終り、その後睡眠をとっても、お昼の2時頃には充分起床できるため特に生活が『逆転する』という違和感はありません」です。
労働問題に詳しい笹山尚人弁護士は「深夜労働が人間の健康に悪影響を与えるのは顕著な事実だ」と厳しく批判します。
「会社が労働者の健康や生活に配慮するつもりがないことがうかがわれる」
渡辺会長も驚くような発言をしています。
「なぜリストラされるのか。それは能力がないから、努力が足りないからです」「リストラされるのは、リストラされる側の責任なのです」(自著『14歳と学ぶ「働く」ための教科書』(日経ビジネス人文庫)
河添さんは指摘します。
「会社が雇って働かせていた人の能力が急に低くなるわけではない。リストラを合法化し、会社側の雇用責任を不問にする詭弁で絶対に認められない。このような人物を公認したところに自民党の本質が表れている」
(しんぶん赤旗日曜版2013年6月16日号)
日本共産党ホームページ
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