ITレガシー

レガシー・エンジニア(hsato)の日記です

一つのことに集中できることは素晴らしいこと

2010-05-07 07:26:23 | 私の主張
UI(ユーザインタフェース)を考える上で、iPod Touch / iPhone / iPadが当初シングルタスクであったということを考察する。結論から言うと、人間の作業効率を考えるとシングルタスク化しデバイスを透明にすることがエレガントであるということである。

しかし、それは、独占やお仕着せを生じさせる。

似たようなエントリを書いたのだが、記事が読まれる数が少なかった。ブログというものはタイトル次第で読まれる数が変わってしまう。反省した。

PosterousのCEO「Webはクソ。ブラウザはマジなんとかしろ」 - 床のトルストイ、ゲイとするとのこと

これを読むとWebブラウザとは従来型のコンピューティングの中で生まれ育ったものだということが分かる。すなわち、Webブラウザは一つのアプリケーションであり、メーラーなどが別アプリケーションという前提である。異なるアプリケーションであるからこそ、ドラッグ&ドロップというアプリケーション間連携が必要な訳である。

一方、iPod Touch / iPhone / iPadは、シングルタスクが基本である。アプリケーション連携というよりは、何かをやろうとする時はひとつのことに集中できる環境が提供される。

画面の大きさの問題もあろうが、広めの机の上にたくさんの資料を並べて効率を落として作業する人と、机は狭いが一つのことに集中しながら仕事をこなしていく人の違いの様なものを感じる。脳科学的には後者が有利であるという話も考慮すべきだろう。

2015年にはPCが無くなる? 「Steve JobsがFlashを嫌う本当の理由」 - スラッシュドット・ジャパン

Appleは、スティーブ・ジョブスはこの手の話を知っているのだろう。故にエレガントなコンピューティングについて常に追い求めるのである。それを「透明なデバイス」と表現する。

「透明なデバイス」とは「何かをしようとする対象に専念できること」を意味している。これはデバイスの電池の持ちを長くするだけでなく、そのパフォーマンスを最大化し、さらに人間の効率を下げてしまうマルチタスクを避けることにもつながる。

この強いメッセージは、利用方法を統一化することにつながり、すべてのコンテンツは編集済みの形で利用者に届けられる。iTunes Storeにあるものだけが、唯一これらのデバイスで使えるアプリケーションでありコンテンツである。(ビジネス利用する場合に、一部例外があるが。)

これらの動きは、より洗練されたものの素晴らしさを我々に伝えてくれるが、企業の独占やお仕着せというものも生む。

c.f.

iPadの本質は「透明なデバイス」(動画) | WIRED VISION

iPadの本質は「透明なデバイス」(動画) (WIRED VISION):ニュース

モバイル・コンピューティング
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