11/25(金)に東京であったシカゴ響首席Hr D.クレヴェンジャーの公開クリニックに行ってきました。
本当であればその翌日を休みにして、ベルリンフィル首席Hrシュテファン・ドールのイベントにも参加して、クレヴェンジャーとシュテファン・ドールという現代を代表するHornistを梯子するという贅沢を満喫するつもりだったのですが、世の中そんなに甘くないっ!翌日は休めずシュテファン・ドールのイベントは泣く泣く断念。そんな経緯があったのを少し愚痴ってから本題へ。
会場へ行ったら、偶然知人のHr吹き女子がいたので一緒に聴く事にしました。
日本では3日間のクリニックで、大阪・神奈川・東京と行われ私が参加したのは最終日でした。
クリニックは4人に対して行われ、課題曲はMozartのHrConcerto No4とオケスタ。
クリニック参加者は
1.尚美の女性
2.東京音大の男性
3.東京芸大の女性
4.東京芸大院生の男性
約45分/人の持ち時間で、最初に簡単に挨拶、その後参加者の音大生がMozartの演奏、それをクレヴェンジャーがステージ上・座席側から聴いてチェックするという形で、最後の時間にオケスタを少々という進行。
1人目の女性はやはり緊張していたようか演奏が堅い面もありましたがクレヴェンジャーが、冗談をいいつつリラックスさせてました。
とにかくクレヴェンジャー、70歳を超えているとは思えないほど元気。
クリニックの内容で全員に共通していたのは
・息を吸う事、十分なブレスを取る事
・アンブッシュアの準備は早めに
・右手の位置
・演奏立ち位置
・タンギング
でした。
演奏面ではMozartの時代背景や楽器の事、和音の取り方の注意が中心。
【息を吸う事】
皆さん若いのだから、もっと深いブレスを取って沢山の息を使いましょう。fの時は客席の一番後ろでもfと分かるようにしないといけない。
(見本に吹いてくれましたが凄い音量。さすがメジャーオケの首席)
【アンブッシュアの準備】
息を吸うときは「イ」の形でなく、「ウ」の形で吸った方が後の準備が楽。ホルンは音を外しやすいし、1番音が外しやすいのはブレスの後なので準備は早めにゆっくりを心がける。
マウスピースの唇へのプレスについては、唇を固定させるためしっかり目に。ノープレスで吹くように教えるのは悪い先生だ、って言ってました(笑)この辺は後日聴いたシュテファンのクリニックと多少違うようでしたね。
【右手の位置】
演奏中の音色、音量、音程から判断して適正な位置に拘っていました。指摘は「ベルをふさぎすぎ」「中に入れすぎ」「もう少し中に入れて」など様々。特に女性奏者は手が小さいので、手の出し入れで音程が余り変わらなかったりするのでその点を指摘されてました。
1人の女性は親指と人差し指の間に消しゴム挟んでましたが、それも手の小さいのをカバーするのが目的だったようです。ベルから消しゴム出てきたのでビックリしたけど。
クレヴェンジャーが見せてくれたのは、右手で音色・音程に変化がつけられるという点で、多分ナチュラルホルンの演奏が頭にあると思います。勿論完璧でした。
【立ち位置】
ベルの向き。ピアノの反響板反射させるかベルを客席に向けるか、どういった音を聴かせたいかきちんと考えて立つようにとの事。
指摘された位置になると明らかに音が変わった人もいました。
【タンギング】
1番指摘していたのがこれ。(Mozartなど古典の演奏だと思いますが)軽くエレガントなタンギングをするには、上の歯の先の部分を突くように。参加者のみなさんが殆ど歯の真ん中あたり~歯の付け根(歯茎の辺)を突いている人が多かったようで、ここは全員に指摘してました。特にロンドの部分ではタンギングが変わると、かなり違いが出ていました。
演奏面でも色々ありましたが、覚えているのは
一本調子にならないように。延ばしている音にもきちんと抑揚をつけて。皆、演奏が真面目すぎると言ってましたね。特にロンドは踊りの曲なのでそれも理解して吹くように言われてました。
オケスタの見本で吹いたティルの冒頭ソロなんて、凄いの一言です。ダイナミックスレンジが広く、アーティキュレーションも完璧。もっと演奏も聴いてみたかったなー。
また和音の取り方も、今なんのコードで何処の音を吹いているか理解して正しく吹くようにとも言ってましたが、アマチュアであまり耳が宜しくない私なんかじゃ無理~みたいな感じです。この辺は相手も音大生という事もあって流石だなーとただただ感心。
とりあえず、長くなりましたがクリニックはこんな感じでした。
楽器に関する事は勿論ですが、奏者はエンターティナーであるという事を改めて認識した時間でもありました。
クリニックという事でクレヴェンジャー本人の演奏はそれほど多くは無かったのですが、休憩時間も入れて終わってみれば全部で3時間もあったのが嘘のようでした。やっぱり一流の音楽家って感情表現が豊かなのかな?とにかく飽きることない楽しい時間でした。
良かったのは、今ついている師匠が指摘している事と内容がそんなに変わらない事。遜色のない指導が受けられていると再認識出来た事もあったのですが、問題は生徒(自分)の出来なんだなとも再認識。クリニック参加している音大生の何倍もの年数吹いてこれしか上達しないんだから(苦笑)諦めが悪いのが唯一の美点?
書いてたら楽器吹きたくなってきた…
本当であればその翌日を休みにして、ベルリンフィル首席Hrシュテファン・ドールのイベントにも参加して、クレヴェンジャーとシュテファン・ドールという現代を代表するHornistを梯子するという贅沢を満喫するつもりだったのですが、世の中そんなに甘くないっ!翌日は休めずシュテファン・ドールのイベントは泣く泣く断念。そんな経緯があったのを少し愚痴ってから本題へ。
会場へ行ったら、偶然知人のHr吹き女子がいたので一緒に聴く事にしました。
日本では3日間のクリニックで、大阪・神奈川・東京と行われ私が参加したのは最終日でした。
クリニックは4人に対して行われ、課題曲はMozartのHrConcerto No4とオケスタ。
クリニック参加者は
1.尚美の女性
2.東京音大の男性
3.東京芸大の女性
4.東京芸大院生の男性
約45分/人の持ち時間で、最初に簡単に挨拶、その後参加者の音大生がMozartの演奏、それをクレヴェンジャーがステージ上・座席側から聴いてチェックするという形で、最後の時間にオケスタを少々という進行。
1人目の女性はやはり緊張していたようか演奏が堅い面もありましたがクレヴェンジャーが、冗談をいいつつリラックスさせてました。
とにかくクレヴェンジャー、70歳を超えているとは思えないほど元気。
クリニックの内容で全員に共通していたのは
・息を吸う事、十分なブレスを取る事
・アンブッシュアの準備は早めに
・右手の位置
・演奏立ち位置
・タンギング
でした。
演奏面ではMozartの時代背景や楽器の事、和音の取り方の注意が中心。
【息を吸う事】
皆さん若いのだから、もっと深いブレスを取って沢山の息を使いましょう。fの時は客席の一番後ろでもfと分かるようにしないといけない。
(見本に吹いてくれましたが凄い音量。さすがメジャーオケの首席)
【アンブッシュアの準備】
息を吸うときは「イ」の形でなく、「ウ」の形で吸った方が後の準備が楽。ホルンは音を外しやすいし、1番音が外しやすいのはブレスの後なので準備は早めにゆっくりを心がける。
マウスピースの唇へのプレスについては、唇を固定させるためしっかり目に。ノープレスで吹くように教えるのは悪い先生だ、って言ってました(笑)この辺は後日聴いたシュテファンのクリニックと多少違うようでしたね。
【右手の位置】
演奏中の音色、音量、音程から判断して適正な位置に拘っていました。指摘は「ベルをふさぎすぎ」「中に入れすぎ」「もう少し中に入れて」など様々。特に女性奏者は手が小さいので、手の出し入れで音程が余り変わらなかったりするのでその点を指摘されてました。
1人の女性は親指と人差し指の間に消しゴム挟んでましたが、それも手の小さいのをカバーするのが目的だったようです。ベルから消しゴム出てきたのでビックリしたけど。
クレヴェンジャーが見せてくれたのは、右手で音色・音程に変化がつけられるという点で、多分ナチュラルホルンの演奏が頭にあると思います。勿論完璧でした。
【立ち位置】
ベルの向き。ピアノの反響板反射させるかベルを客席に向けるか、どういった音を聴かせたいかきちんと考えて立つようにとの事。
指摘された位置になると明らかに音が変わった人もいました。
【タンギング】
1番指摘していたのがこれ。(Mozartなど古典の演奏だと思いますが)軽くエレガントなタンギングをするには、上の歯の先の部分を突くように。参加者のみなさんが殆ど歯の真ん中あたり~歯の付け根(歯茎の辺)を突いている人が多かったようで、ここは全員に指摘してました。特にロンドの部分ではタンギングが変わると、かなり違いが出ていました。
演奏面でも色々ありましたが、覚えているのは
一本調子にならないように。延ばしている音にもきちんと抑揚をつけて。皆、演奏が真面目すぎると言ってましたね。特にロンドは踊りの曲なのでそれも理解して吹くように言われてました。
オケスタの見本で吹いたティルの冒頭ソロなんて、凄いの一言です。ダイナミックスレンジが広く、アーティキュレーションも完璧。もっと演奏も聴いてみたかったなー。
また和音の取り方も、今なんのコードで何処の音を吹いているか理解して正しく吹くようにとも言ってましたが、アマチュアであまり耳が宜しくない私なんかじゃ無理~みたいな感じです。この辺は相手も音大生という事もあって流石だなーとただただ感心。
とりあえず、長くなりましたがクリニックはこんな感じでした。
楽器に関する事は勿論ですが、奏者はエンターティナーであるという事を改めて認識した時間でもありました。
クリニックという事でクレヴェンジャー本人の演奏はそれほど多くは無かったのですが、休憩時間も入れて終わってみれば全部で3時間もあったのが嘘のようでした。やっぱり一流の音楽家って感情表現が豊かなのかな?とにかく飽きることない楽しい時間でした。
良かったのは、今ついている師匠が指摘している事と内容がそんなに変わらない事。遜色のない指導が受けられていると再認識出来た事もあったのですが、問題は生徒(自分)の出来なんだなとも再認識。クリニック参加している音大生の何倍もの年数吹いてこれしか上達しないんだから(苦笑)諦めが悪いのが唯一の美点?
書いてたら楽器吹きたくなってきた…