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Pちゃん日記

元名古屋人でそれから千葉都民。そして再び名古屋人のつぶやき。

郵政民営化の幻想

2005-05-01 19:03:56 | 政治
遂に郵政民営化法案が衆議院に提出された。
自民党に配慮して色々手直ししたと言うが、とんでもない。
法案の要旨としては、

1 平成19年に郵便、貯金、保険、窓口の4社に分社する。

2 郵便局のネットワークは維持し、万国郵便条約に基づき郵便は全国一律サービスを義務づけるものの、貯金、保険は平成29年以降は撤退自由。

3 貯金、保険会社の株は平成29年に売却して完全民営化。ただし郵便会社が買い戻す事も可能。

4 郵便に関して、手紙の消印の日付や内容証明等、公的に重要なものが多いので、国家公務員の資格がなくなる代わりに「郵便士」と言う資格を新たに設ける。

5 「1」「2」に関して、郵便会社の負担が過大になり、過疎地からの撤退に繋がらないように貯金、保険会社から2兆円の基金を設ける。

6 郵貯の政府補償は廃止し、代わりに預金保険機構に加盟する。また、貯金、保険会社の管轄を総務省から金融庁に移管する。

以上である。

郵政民営化の基本方針(首相官邸ページ)

1 郵政公社の4機能(窓口サービス、郵便、郵便貯金、簡易保険)が有する潜在力が十分に発揮され、市場における経営の自由度の拡大を通じて良質で多様なサービスが安い料金で提供が可能になり、国民の利便性を最大限に向上させる。

・・・具体性0。今の郵政公社で出来ない理由がない。具体的に何が出来るかが書いてない。
コンビニを経営できるというが、現在でも横浜でローソンと併設されている郵便局はある。公社でも全く問題ない。
それに全国24000局全てにコンビニを置けるはずもない。


2 郵政公社に対する「見えない国民負担」が最小化され、それによって利用可能となる資源を国民経済的な観点から活用することが可能になる。

・・・見えない国民負担とは、郵便局の固定資産税の免除のことか。
なら課税すればよい。それは公社のままでも可能だ。
郵便局は平日毎日各戸に配達している。それによる一人暮らし老人の安心や、町の秩序維持にも
貢献している。それも目に見えない。
 

3 公的部門に流れていた資金を民間部門に流し、国民の貯蓄を経済の活性化につなげることが可能になる。

 銀行も融資先がなく国債を買い続けている状態で?具体的にどこに流すのだ。
第一企業が民間銀行から借りるお金がなくて困っているという事はない(貸してくれないという
事はあっても)。


更に民営化の目的が、無駄な税金を使わないということ。
なのに過疎地の郵便局ネットワークを維持するために2兆円の基金だとか。
本末転倒ではないか。
現状では投入する必要がない金を民営化してわざわざ投入するとは。

また、「郵便士」なる制度もしかり。
「無用な公務員を削減」と言っておきながら、関連の団体などを設置するためには当然
公務員が必要。これまた本末転倒。


さ、どうする?

もっとも、賛成派はのらりくらりはぐらかして通すだろうけどね。
とにかく、民営化が手段ではなくて、目的になっている。
手段の目的化など、何をするにしても最悪のパターンだ。

小泉もこういう強引なことは道路公団でやれ。


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3 コメント(10/1 コメント投稿終了予定)

コメント日が  古い順  |   新しい順
それでも郵政民営化 (坂 眞)
2005-05-02 00:21:09
TBありがとうございます。

それでも、やっぱり、何があっても、郵政民営化なのです。

なぜ抵抗勢力があそこまで反対するのか?

「自民党をぶっ壊す!」のか、それとも「New自民党に変身する」のか、あるいは、このまま「公明党=創価学会に融合していく」のか、

政局としては最高に面白いですね。
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抵抗勢力とは? (Pちゃん)
2005-05-02 01:05:38
コメントありがとうございます。

その「抵抗勢力」も問題です。

自分と楯突く人間を全て「抵抗勢力」として悪役に仕立て上げる。

与党の法案に反対する人間は全て抵抗勢力で悪役なのか?

別に理由がなくて反対しているわけではありません。

そこに利権が絡むかは別にしても、色々な事を考えて反対している筈です。

それは政治という舞台で、強力な敵にぶつかって「酔っている」状態に過ぎないかと思われます。
返信する
郵政民営化は政局の道具 (髭星人)
2005-05-03 10:38:42
TBありがとうございました。

何のために民営化するのだっけ?明確な目的は小泉首相から聞いていないような気がする。何が何でも民営化しなければならないのだ、と力んでいるだけだ。党内を揺さぶりながら、野党の存在を無意味にする、老獪さばかりが目につく。

高い世論を背景にして改革を叫ぶ、我々は騙されているのではないだろうか?公務員改革が一つも進んでいない中で、どんな形でもいい、郵政民営化だけは決めたい、首相の切実な思いは解る。しかし、これは決して国民のためなんかじゃない、全て自分のためだ。

彼の最も大きな罪は潰れかけた自民党を延命させたことだ。それが即、霞ヶ関を増長させたことになる。その罪は限りなく大きい。
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