聴覚障害者制度改革推進中央本部ブログ

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(2010年4月16日付で、名称を変更いたしました)

■各政党への公開質問状 回答公表

2005年08月29日 | 報告
2005年8月19日に各政党へ送付した公開質問状について、回答を掲載します。
各質問に対して、それぞれの政党の回答を、到着順に列記します。
(注)この記事「各政党への公開質問状 回答公表」は、2005年8月29日にアップされました。
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1.厚生労働省は廃案となった「障害者自立支援法案」を修正なしに次の臨時国会に再上程しようとしていますが、それについてどのようにお考えですか。
【民主党】
「障害者自立支援法案」には、所得保障制度の確立無しに定率負担を求める、「移動の保障」が損なわれる、重度障がい者の長時間介護サービスが保障されていないなど多くの問題があり、反対。
【日本共産党】
障害者自立支援法案の最大の問題点は、福祉破壊ともいうべき「応益負担」を導入することです。国会で廃案になった背景には、この問題にたいする障害者・家族・関係者の大きな不安と怒りがあります。「応益負担」導入をそのままにした法案の再提出は、絶対に容認できません。
【自由民主党】
障害者自立支援法支援法案は、先の通常国会において、自由民主党及び公明党による修正の上、衆議院で可決しているところであり、政府が国会に法案を再提出する場合には、この修正を十分踏まえたものでなければならないと考えています。
【公明党】
障害者自立支援法案の目的に則った法定化は必要と考えます。今後も改革の必要性は変わらず、障害者福祉の充実を図り制度の持続安定性を確保することは必要です。障害者自立支援法案は厚生労働委員会での審議や、衆議院審議での与党修正も含め、総論的に賛成してまいりました。参議院審議では、極めて重度な障害を持つ方が、地域社会で自立生活を送るための具体的支援の中身を明確化するなどいくつかの課題を審議する方向でした。公明党は、今後真の自立と社会参加を促す法定化を進めてまいります。
【社民党】
反対です。本格的な所得保障と抜本的な就労対策がなされないまま、サービスの利用量に応じた負担制度を導入することは、障害者・児の生活水準をさらに引き下げることになる。正確なデータに基づき、当事者を交えて基本的な議論を行い、早急に解決の方向性を見いだすべきである。

2.障害者福祉は利用者負担なしで、全額税負担で行うべきだと思います。「障害者自立支援法案」では、サービスの利用者が定率の費用を負担することになっていますが、どのようにお考えですか。
【民主党】
障がい者福祉においても、将来的には介護保険サービスの活用を検討しており、その意味での定率負担導入はあり得る。ただし、障がい者に定率負担を求める場合には、その負担に耐えうる所得保障制度の確立が不可欠と考える。
【日本共産党】
50余年の障害者福祉の歴史のなかで「応能負担」が原則とされ、いま障害者の95%が無料でサービスを受けています。自立支援法案の定率負担(応益負担)は、この原則を全面的に否定するものです。障害者が人間らしく生きるために不可欠なサービスを「益」とみなして負担を課すなどは、福祉の理念と相いれません。障害が重い人ほど利用者負担が重くなる定率負担は、「自立支援」どころか「自立破壊」ともいうべき大改悪です。
【自由民主党】
今回の改革は、今後とも必要なサービスを確保していくために皆で支え合っていく観点から、低所得の方に相当きめ細かく配慮しながら一定の御負担をお願いするものであり、障害者の在宅サービスに関する国及び都道府県の負担を義務的なものとすることとセットで必要なものであると考えています。
【公明党】
支援費制度導入後、サービスの利用が急速に拡大している中で、増大する福祉サービス等の費用を安定的な制度とするために、皆で負担し支えあい、所得に応じた公平な負担をお願いする一部応益負担の導入は必要と考えます。しかし、障害のある方の収入状況等に十分配慮し、様々な減免措置を講じ、地域で生活するにあたり必要なサービスを利用できるよう、他制度以上の極め細やかな配慮を講じるべきと考え、公明党は激変緩和や減免措置を講じる仕組みを設けることに努めてまいりました。
【社民党】 
障害者福祉サービスの利用者負担については、現在と同様に応能負担で行うべきだと考える。障害が重ければ重いほど、困難を抱えていればいるほど、重い自己負担を当事者や家族に強いる同法案の「応益負担(定率負担)」には反対である。
障害者・児の地域生活を支える社会基盤整備(ホームヘルプなど人による支え、住まい、教育、働く場)については、税を投入して強化すべきである。

3.障害者福祉は国の責任で行うべきだと考えますが、どのようにお考えですか。
【民主党】
基本的な部分については、国が担うべき。
【日本共産党】
憲法25条は、国民が人間らしく生きることは国民の権利であること、そのために国が責任を負うことを明確にうたっています。障害者福祉はこの生存権理念にもとづき制度として確立されてきたものです。施策の運営主体が地方自治体であっても、国がきちんと財政的に責任を果たすことが必要であると考えます。
【自由民主党】
「障害者自立支援法案」により障害者の在宅サービスに関する国及び都道府県の負担を義務的なものとするなど、障害者福祉を国がしっかりと市町村を支援しながら実施できる仕組みに改めることが必要と考えています。
【公明党】
障害者福祉はその増進を図り、障害の有無に関わらず相互に人格と個性を尊重し安心して暮らすことができる地域社会の実現に国が責任をもって取組むのは当然の責務と考えます。障害者の方の個別に応じての福祉サービスはより身近な市町村が主体になって行うことがより障害者福祉の向上につながると考えます。財源等については今まで国が補助する仕組みでありましたが、義務的に負担する仕組みに改めていくことが求められていると考え、自立支援法案も国の財政責任の明確化を掲げておりました。
【社民党】 
国、地方公共団体の責務で行うべきであると考える。障害者基本法においても、昨年の改正により、法の目的に、障害者の自立及び社会参加の支援等のための国、地方公共団体等の責務を明らかにした。

4.現在手話通訳などのコミュニケーション支援施策の基盤整備が遅れております。三位一体の改革により中央政府から地方に対する補助金がカットされた場合に、手話通訳・要約筆記等関連事業の実施状況から大きな地域格差が出ることが予想されます。それについて、どのように対処していくべきか、どうお考えですか?
【民主党】
「機会の平等」「社会参画」はあらゆる人に保障されるべき。少なくとも現状より後退することは認められない。
【日本共産党】
自立支援法案では、コミュニケーション支援事業を市町村が実施主体の「地域生活支援事業」に組み込むとしています。しかし、小泉内閣が「三位一体改革」による補助金カットをおしすすめ、国の責任を放棄しようとしているもとでは、地域格差がすすむ懸念が十分にあります。コミュニュケーション支援策の基盤整備を促進するためには、必要な予算を十分に確保するとともに、国の補助金の負担責任などを明確化すべきだと考えます。
【自由民主党】
手話通訳や要約筆記等のコミュニケーション支援については、聴覚障害者の方々が適切にサービスを利用できるよう、市町村に対し国が適切な財政支援を行う必要があると考えており、必要な予算の確保に全力をあげてまいります。
【公明党】
自立支援法案では、手話通訳や要約筆記等のコミュニケーション支援については、市町村が必ず実施しなければならない義務的な事業である地域生活支援事業として位置付けられておりました。公明党は昨年、尾辻厚生労働大臣に福祉サービスの基盤整備の充実と地域間格差是正のために所要の財源を確保するよう要望いたしました。今後も予算の確保に全力をあげます。
【社民党】 
「三位バラバラ改悪」で、補助金や交付税は削減されるが、地方税は増えないという場合、地域格差は深刻な事態が予想される。各自治体での取り組みを進めるためには、自主財源である地方税の充実、国から交付される地方交付税の総額確保が不可欠だと考える。

5.現在は、公職選挙法により、衆議院比例代表区の政見放送では手話通訳も字幕もつけることになっていません。同じ国民でありながら候補者を選ぶ権利を行使するための情報の入手を制限されている状況を、どのようにお考えですか。
【民主党】
手話通訳若しくは字幕をつけるべき。
【日本共産党】
参議院の比例代表と同様に、衆議院比例代表の政見放送にも速やかに手話通訳などをつけ、聴覚障害者の参政権を保障すべきです。日本共産党は、毎年のように政府に申し入れをおこない、実現のために努力しています。なお、小選挙区の候補者届出政党の政見放送については、日本共産党は手話通訳をつけてテレビで放映しています。
【自由民主党】
現行制度において、名簿届出政党等(衆議院比例代表区)の政見放送の収録方法は、放送局(主にNHK)における録画・録音方式のみとなっています。
比例代表区は11ブロックあり、収録時での手話通訳の確保が困難ではないかなどの懸念があり、また、字幕については、要約だとその真意が伝わるか、さらに完全版だと収録に間に合わないなどの技術的な問題などがありました。
選挙権は、国民としての当然の権利でありますから、誰もが享受できるよう、関係者等の意見を聞きながら、早急に検証・見直しを行いたいと考えます。
【公明党】
衆議院比例代表区の政見放送では、手話通訳者の確保が困難な現状があり、導入が見送られております。選挙民が真に公平に情報を入手できるよう、手話通訳者の育成を積極的に推進し、手話通訳が導入されるよう働きかけてまいります。
【社民党】
参政権は基本的人権の一つであり、聴覚障害者が見て理解できる視覚情報を多くして、候補者を選ぶ=政治に参加する機会を保障することは当然である。
政見放送については、収録期間が極めて短い中で、手話通訳士が地域的に偏在し確保が難しい、不公平になりかねないといった理由で、これまで制度化がされてこなかった。しかし、現在は通訳士の数も増加し、少なくとも衆議院・参議院選挙、また都道府県知事選挙の政見放送は、政党の任意ではなく、国及び都道府県の選挙管理委員会の責任による「手話通訳付きテレビ政見放送」として、すべての候補者・政党に保障すべきである。

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2 コメント

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おわび (MU@沖縄)
2005-08-30 10:31:25
申し訳ありません、トラックバックに何度もクリックしてしまいました。

まだ使い方がいまいち、分からないもんで。



マニフェストを見れば、たいだいの事は理解できますが、

地域の候補者となると、話は別。

1つの県に3区だの5区だの細かく分かれて、各区に2~4名選ばなければならない。

私としては、他の区の候補者に票を入れたいと思っても、適わないのだ。

以前のように、1つの県に全候補者が自由に選べる環境に戻して欲しいと思う。
返信する
当グループのブログでも紹介させていただきました (32project(すー))
2005-09-10 00:06:22
精神保健福祉法32条制度の改悪に反対するグループ「32project」メンバーの すー と申します。(精神疾患患者を中心に、その支援者・友人とで結成されたネット上のグループです。)



こちらのサイトを、当グループのブログでも紹介させていただきました。



当グループでは現在、今回の衆議院選挙を1つのきっかけに、もっと多くの人に32条制度問題や障害者自立支援法案のことを知ってもらえるようにと、

http://sea.ap.teacup.com/32project/にて

バナーやチラシを配布しています。



よろしければぜひ1度ご覧ください。
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