http://rockway.blog.shinobi.jp/Date/20130905/1/
シリアが保有するロシアのP-800 ヤホント対艦ミサイル
◆9月5日
ロシアはシリアに対して最新鋭の各種兵器を供給してきているようだ。以下の記事では、シリアには既にS300対空ミサイルが供給されている、とあるしP-800ヤホント対艦ミサイルも供給されている。このヤホントについては、このブログでも既に紹介してある(2010年9月20日号「ロシア:対艦ミサイルをシリアに売却」)。
イスラエルが7月5日にシリアのラタキアを攻撃したのも、そこにあったこのミサイルを狙ったもののようだが、破壊できなかった。それほどこのヤホント対艦ミサイルは恐ろしい兵器なのだ。射程が290kmほどあるのと、自身がもつレーダー回避装置で相手の防衛網をかいくぐって攻撃できる能力があるのだ。
シリアのアサド大統領が、シリアは戦闘の準備はいつでもできている、と発言したのも、まんざら嘘ではなかったのである。ミサイル一発が駆逐艦を大破ないしは撃沈することは、南米のアルゼンチンがイギリス海軍の駆逐艦をフランスのエグゾゼ・ミサイルで攻撃した際に起きたことでも理解できる。
費用対効果を考えれば、今時の戦争は、このようにミサイル一発で艦船を大破・沈没させられる時代だから、いくら欧米が巨大な戦力で脅しても、絶対に沈まない陸地から高性能ミサイルを放つことで、多大な戦果を挙げられるのだから、シリアの方が却って有利とも言えるだろう。
日本の軍事専門家でも、どれだけ現在のシリアの戦力を正確に把握しているだろうか?このシリアの戦力はロシア製兵器、とりわけミサイルによって裏付けられている。かつてナチス・ドイツが滅んだ後、世界で最初のロケット兵器を作った科学者らがアメリカとロシア(ソ連)に流れ、そこで米ロのロケット・ミサイル技術が独自に発展した。
ロシアの宇宙開発にも見られるように、ロシアのロケット・ミサイル技術はアメリカのそれを上回るものがある。それが例えば、このP-800ヤホントなどに見られる兵器である。対空ミサイルであるS300も同じことで、このミサイルがあると、攻撃しても迎撃されてしまうので攻撃する意味がなくなってしまうのだ。だから、攻撃したい欧米はイランやシリアにこのミサイルが渡されることを極度に嫌ったものだが、既にシリアにはこれが供給されている、という。
シリアを攻撃すれば、シリアからの反撃で、欧米の海軍艦船が大破させられることも起きよう。一発のミサイルで一隻の駆逐艦が大破・撃沈されてでも、欧米・イスラエルはシリア攻撃を決断するのであろうか?
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●ロシアはシリアに最新鋭対艦ミサイルを供給してある
http://theeconomiccollapseblog.com/archives/russia-has-equipped-syria-with-their-most-advanced-anti-ship-missiles
【9月2日 Michael Synder — The Economic Collapse】
ロシアはシリアに最新鋭ロケット・ランチャー、対空ミサイル、対艦ミサイルを売却してきている。ロシアがシリアに渡したP-800ヤホント対艦ミサイルはロシアが保有している中で最新鋭ミサイルだ。
アメリカがシリアを攻撃した時、シリアがどれほど強力な反撃をするものかを知って驚くことだろう。シリア軍は中東でアメリカが相手にする存在としては最も恐ろしい敵である。シリアからなら、P-800ヤホント対艦ミサイルは東地中海の大部分とキプロスの空軍基地までもその射程に入れることになる。
もしもアメリカ海軍が不用意に射程内に留まるような事があれば、夕方のニュースでアメリカ海軍艦船が地中海で沈没する映像を見ることになるかもしれない。そしてそのような映像をアメリカ国民が見れば、アメリカが全面攻撃をシリアにすることを抑えることは不可能になるだろう。
シリアはアフガニスタン、イラク、リビヤが保有していない最新鋭兵器スステムを保有している。誰でも、自分達は座って巡航ミサイルを発射するだけだと考えていれば、それはナイーブというものだ。シリアは中東では、「かつて見たことのないような」兵器を保有しているのだ。以下はマック・スラボによる最新の記事である:
「シリアのダム・プレス紙とディヤール紙の記事によれば、ロシアはシリアの政策を後押しし続けているし、アサドの軍隊に中東ではかつて見たことのないような兵器を供給することで、支援を強化しようとしている。
もしも欧米の軍隊がシリア軍と交戦するような時には、それは1991年、何十万ものサダム・フセインの兵隊が射撃もせずに降伏した時の湾岸戦争のようではないだろう。
またリビヤで邪魔されずに行ったように、飛行禁止空域を自由に使用して軍事施設を標的にできたようにもならない。今回は違うだろう」
投稿された以下の記事は、シリアのダム・プレスの記事を翻訳した内容からの抜粋である。
「パトリオット・ミサイルは(既にシリアにインストールされた)S300SAMによって撃たれて無効にされるだろう。プーチンはそれより更に進化したS400対空ミサイルを引き渡すと脅している。
プーチンは更に、シリアに対して最新鋭24連装ロケット・ランチャーを供給するかもしれない。この射程は60kmあり、この種の兵器としては最も進化したロケット・ランチャーだ。
プーチンははっきりと、中東は著しい変貌を目撃することになる、と語った。シリアは標的を見失う事の無いコンピューター誘導スマート・ミサイルを含む、中東ではかつて見られなかった兵器によって武装されることになるだろう。
彼はまた、ロシアはシリアにスキーン5ミサイルを供給するだろうと語った。このミサイルはシリア沖250kmまでの標的に打撃を与え沈める能力がある」
この記事の中で記されている兵器システムは非常に強力なものである。例えば、以下のビデオはこの記事で語られているロケット・ランチャーの映像が含まれている・・・
しかし、アメリカ軍にとって直近の懸念材料は、シリアが獲得したと言われている対艦ミサイルである。
ニューヨーク・タイムズ紙によれば、ロシアがシリアに送ったP-800ヤホント対艦ミサイルは、高度なレーダー能力を装備している。
「ロシアはシリアに最新鋭対艦巡航ミサイルを供給した。アサド大統領が率いるシリア政府に対する支援の深さを示す動きである、とアメリカの高官は語った。
ロシアは以前、ヤホントと言われるミサイルをシリアに供給してきた。しかし最近供給されたものは、最新のレーダーが装備されたおり、攻撃能力が更に向上している、と機密情報に詳しいアメリカの高官が語った」
これらのミサイルは射程180マイル(290km)を持ち、途方も無いダメージを与えることができる・・・
「このミサイルはジェーン海軍年鑑によれば、長さ22フィートで高性能爆薬か装甲貫通弾頭を搭載でき、射程は180マイルほどである。
このミサイルは長距離レーダーによって標的の通常の位置にまで誘導されるが、各ミサイルは自身のレーダーを搭載しており、艦船の防衛網を避けて標的に接近できる。
二人のアメリカ人高官は、最近出荷されたミサイルは以前出荷されたものよりも更に進化した誘導システムを装備したミサイルだ、と語った」
以下に示されたビデオはP-800ヤホント対艦ミサイルの発射実験映像だ。
これらのミサイルはキプロスを射程に入れている。だから誰かアメリカ軍の作戦立案者に、空軍力をこのキプロスの基地に駐留させておくことはあまりいい考えではない、と告げるべきだ。
そしてシリアは攻撃する海軍関連の標的を十分に持つようになっていると思われるのだ。ロイター電によれば、アメリカの空母グループは既に東地中海に展開している5隻のアメリカの駆逐艦に合流するだろう、という・・・
「アメリカの原子力空母ニミッツと他の打撃グループの艦船は紅海を目指している。このグループは必要ならば、シリアに対する攻撃を支援するためである、という。
この4隻の駆逐艦を含む空母ニミッツ打撃グループは今の段階では東地中海に入るという特別な命令は受けていないが、アラビア海を西に航行しているので、要請があればそうするだろう。これらの艦船が紅海にいつ入るのかは明らかではないが、1日夕刻現在、まだ到着はしていない、とある高官は語った。
空母打撃グループの能力とプレゼンスが必要になった場合、その場所にこのグループが入れば戦力にレバレッジを掛けることになる」とこの高官は語った」
加えて、ABCニュースでは、”数百名の海兵隊を乗せた”一隻の上陸用強襲艦が東地中海に展開している・・・・
「8月30日、数百名の海兵隊を乗せたアメリカ海軍のサン・アントニオ上陸用強襲艦が東地中海に留まるよう命令を受けたが、国防総省高官は、シリアに対する限定的攻撃のためではない、と語った。国防総省高官は、この動きを”艦船の能力が要請される場合を考慮しての慎重な決定”であると説明した。
このサン・アントニオはもともとは地中海でアメリカのアフリカ司令部を支援するため長期間にわたって駐留するはずであったものだと複数の高官が語った。
この艦船はこの海域に留まるよう命令された時、クレタ島のソウダ湾の海軍基地に向かうところだった。
サン・アントニオはこの地域でのこれからの作戦に有効だと証明できるかもしれない。例えば、この艦船は数百名の海兵隊員、数機のV-22オスプレイ・ヘリコプターを乗せているが、これらは撃墜された航空機のパイロットの救助に役立つだろう」
シリアが保有するロシアのP-800 ヤホント対艦ミサイル
◆9月5日
ロシアはシリアに対して最新鋭の各種兵器を供給してきているようだ。以下の記事では、シリアには既にS300対空ミサイルが供給されている、とあるしP-800ヤホント対艦ミサイルも供給されている。このヤホントについては、このブログでも既に紹介してある(2010年9月20日号「ロシア:対艦ミサイルをシリアに売却」)。
イスラエルが7月5日にシリアのラタキアを攻撃したのも、そこにあったこのミサイルを狙ったもののようだが、破壊できなかった。それほどこのヤホント対艦ミサイルは恐ろしい兵器なのだ。射程が290kmほどあるのと、自身がもつレーダー回避装置で相手の防衛網をかいくぐって攻撃できる能力があるのだ。
シリアのアサド大統領が、シリアは戦闘の準備はいつでもできている、と発言したのも、まんざら嘘ではなかったのである。ミサイル一発が駆逐艦を大破ないしは撃沈することは、南米のアルゼンチンがイギリス海軍の駆逐艦をフランスのエグゾゼ・ミサイルで攻撃した際に起きたことでも理解できる。
費用対効果を考えれば、今時の戦争は、このようにミサイル一発で艦船を大破・沈没させられる時代だから、いくら欧米が巨大な戦力で脅しても、絶対に沈まない陸地から高性能ミサイルを放つことで、多大な戦果を挙げられるのだから、シリアの方が却って有利とも言えるだろう。
日本の軍事専門家でも、どれだけ現在のシリアの戦力を正確に把握しているだろうか?このシリアの戦力はロシア製兵器、とりわけミサイルによって裏付けられている。かつてナチス・ドイツが滅んだ後、世界で最初のロケット兵器を作った科学者らがアメリカとロシア(ソ連)に流れ、そこで米ロのロケット・ミサイル技術が独自に発展した。
ロシアの宇宙開発にも見られるように、ロシアのロケット・ミサイル技術はアメリカのそれを上回るものがある。それが例えば、このP-800ヤホントなどに見られる兵器である。対空ミサイルであるS300も同じことで、このミサイルがあると、攻撃しても迎撃されてしまうので攻撃する意味がなくなってしまうのだ。だから、攻撃したい欧米はイランやシリアにこのミサイルが渡されることを極度に嫌ったものだが、既にシリアにはこれが供給されている、という。
シリアを攻撃すれば、シリアからの反撃で、欧米の海軍艦船が大破させられることも起きよう。一発のミサイルで一隻の駆逐艦が大破・撃沈されてでも、欧米・イスラエルはシリア攻撃を決断するのであろうか?
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●ロシアはシリアに最新鋭対艦ミサイルを供給してある
http://theeconomiccollapseblog.com/archives/russia-has-equipped-syria-with-their-most-advanced-anti-ship-missiles
【9月2日 Michael Synder — The Economic Collapse】
ロシアはシリアに最新鋭ロケット・ランチャー、対空ミサイル、対艦ミサイルを売却してきている。ロシアがシリアに渡したP-800ヤホント対艦ミサイルはロシアが保有している中で最新鋭ミサイルだ。
アメリカがシリアを攻撃した時、シリアがどれほど強力な反撃をするものかを知って驚くことだろう。シリア軍は中東でアメリカが相手にする存在としては最も恐ろしい敵である。シリアからなら、P-800ヤホント対艦ミサイルは東地中海の大部分とキプロスの空軍基地までもその射程に入れることになる。
もしもアメリカ海軍が不用意に射程内に留まるような事があれば、夕方のニュースでアメリカ海軍艦船が地中海で沈没する映像を見ることになるかもしれない。そしてそのような映像をアメリカ国民が見れば、アメリカが全面攻撃をシリアにすることを抑えることは不可能になるだろう。
シリアはアフガニスタン、イラク、リビヤが保有していない最新鋭兵器スステムを保有している。誰でも、自分達は座って巡航ミサイルを発射するだけだと考えていれば、それはナイーブというものだ。シリアは中東では、「かつて見たことのないような」兵器を保有しているのだ。以下はマック・スラボによる最新の記事である:
「シリアのダム・プレス紙とディヤール紙の記事によれば、ロシアはシリアの政策を後押しし続けているし、アサドの軍隊に中東ではかつて見たことのないような兵器を供給することで、支援を強化しようとしている。
もしも欧米の軍隊がシリア軍と交戦するような時には、それは1991年、何十万ものサダム・フセインの兵隊が射撃もせずに降伏した時の湾岸戦争のようではないだろう。
またリビヤで邪魔されずに行ったように、飛行禁止空域を自由に使用して軍事施設を標的にできたようにもならない。今回は違うだろう」
投稿された以下の記事は、シリアのダム・プレスの記事を翻訳した内容からの抜粋である。
「パトリオット・ミサイルは(既にシリアにインストールされた)S300SAMによって撃たれて無効にされるだろう。プーチンはそれより更に進化したS400対空ミサイルを引き渡すと脅している。
プーチンは更に、シリアに対して最新鋭24連装ロケット・ランチャーを供給するかもしれない。この射程は60kmあり、この種の兵器としては最も進化したロケット・ランチャーだ。
プーチンははっきりと、中東は著しい変貌を目撃することになる、と語った。シリアは標的を見失う事の無いコンピューター誘導スマート・ミサイルを含む、中東ではかつて見られなかった兵器によって武装されることになるだろう。
彼はまた、ロシアはシリアにスキーン5ミサイルを供給するだろうと語った。このミサイルはシリア沖250kmまでの標的に打撃を与え沈める能力がある」
この記事の中で記されている兵器システムは非常に強力なものである。例えば、以下のビデオはこの記事で語られているロケット・ランチャーの映像が含まれている・・・
しかし、アメリカ軍にとって直近の懸念材料は、シリアが獲得したと言われている対艦ミサイルである。
ニューヨーク・タイムズ紙によれば、ロシアがシリアに送ったP-800ヤホント対艦ミサイルは、高度なレーダー能力を装備している。
「ロシアはシリアに最新鋭対艦巡航ミサイルを供給した。アサド大統領が率いるシリア政府に対する支援の深さを示す動きである、とアメリカの高官は語った。
ロシアは以前、ヤホントと言われるミサイルをシリアに供給してきた。しかし最近供給されたものは、最新のレーダーが装備されたおり、攻撃能力が更に向上している、と機密情報に詳しいアメリカの高官が語った」
これらのミサイルは射程180マイル(290km)を持ち、途方も無いダメージを与えることができる・・・
「このミサイルはジェーン海軍年鑑によれば、長さ22フィートで高性能爆薬か装甲貫通弾頭を搭載でき、射程は180マイルほどである。
このミサイルは長距離レーダーによって標的の通常の位置にまで誘導されるが、各ミサイルは自身のレーダーを搭載しており、艦船の防衛網を避けて標的に接近できる。
二人のアメリカ人高官は、最近出荷されたミサイルは以前出荷されたものよりも更に進化した誘導システムを装備したミサイルだ、と語った」
以下に示されたビデオはP-800ヤホント対艦ミサイルの発射実験映像だ。
これらのミサイルはキプロスを射程に入れている。だから誰かアメリカ軍の作戦立案者に、空軍力をこのキプロスの基地に駐留させておくことはあまりいい考えではない、と告げるべきだ。
そしてシリアは攻撃する海軍関連の標的を十分に持つようになっていると思われるのだ。ロイター電によれば、アメリカの空母グループは既に東地中海に展開している5隻のアメリカの駆逐艦に合流するだろう、という・・・
「アメリカの原子力空母ニミッツと他の打撃グループの艦船は紅海を目指している。このグループは必要ならば、シリアに対する攻撃を支援するためである、という。
この4隻の駆逐艦を含む空母ニミッツ打撃グループは今の段階では東地中海に入るという特別な命令は受けていないが、アラビア海を西に航行しているので、要請があればそうするだろう。これらの艦船が紅海にいつ入るのかは明らかではないが、1日夕刻現在、まだ到着はしていない、とある高官は語った。
空母打撃グループの能力とプレゼンスが必要になった場合、その場所にこのグループが入れば戦力にレバレッジを掛けることになる」とこの高官は語った」
加えて、ABCニュースでは、”数百名の海兵隊を乗せた”一隻の上陸用強襲艦が東地中海に展開している・・・・
「8月30日、数百名の海兵隊を乗せたアメリカ海軍のサン・アントニオ上陸用強襲艦が東地中海に留まるよう命令を受けたが、国防総省高官は、シリアに対する限定的攻撃のためではない、と語った。国防総省高官は、この動きを”艦船の能力が要請される場合を考慮しての慎重な決定”であると説明した。
このサン・アントニオはもともとは地中海でアメリカのアフリカ司令部を支援するため長期間にわたって駐留するはずであったものだと複数の高官が語った。
この艦船はこの海域に留まるよう命令された時、クレタ島のソウダ湾の海軍基地に向かうところだった。
サン・アントニオはこの地域でのこれからの作戦に有効だと証明できるかもしれない。例えば、この艦船は数百名の海兵隊員、数機のV-22オスプレイ・ヘリコプターを乗せているが、これらは撃墜された航空機のパイロットの救助に役立つだろう」