
夏はホラー小説、というわけでもないのですが、
たまたまたタイトルに「夏」が入った道尾秀介さんのサイコ・サスペンス。
主人公はまだ幼い小学4年生の男の子で、
その子がクラスメートの首つり死体を発見してしまうというストーリー。
子どもらしい純粋な語り口調に反し、
内容的にはけっこう残酷で、大人でも顔をしかめてしまいそうな場面もちらほら出てきます。
そして、こういうサイコっぽい要素がある小説には多いのですが、
いわゆる謎解きサスペンスとしてはすっきりしないところもあるかもしれません。
他の登場人物に違和感を覚えながらも読み進めていくと、
最後に「はぁ、そういうこと」というオチに・・。
そういうトリッキーな展開という点では、『片眼の猿』と似ている気がしました。
ただし、読後感の評価を別にすれば、読んでいる間は単純におもしろい小説なんじゃないでしょうか。
このまえ直木賞をとった道尾さん、やはり筆力のある作家なんですね。
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