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ホームページ作成仙台 猛暑の陰に果樹農家たちの苦悩 福島

2012-08-13 18:04:08 | ホームページ作成仙台
暑い、とにかく暑い。福島は連日、猛暑日に見舞われ、北国(青森)出身で、体が“寒冷地仕様”になっている身からすればこの暑さは尋常ではない。

 昨年10月に赴任し、庶務の女史から「福島は暑いですよ」と聞いていたが、これほどとは…。タクシー運転手に聞いても「地元の人間でも福島の暑さには慣れない」と、にが笑いするのだから、自分が耐えられないのは当然かと納得する始末。福島で迎えた初めての夏に驚きの連続で、体が悲鳴を上げている。しかも、夜は熱帯夜で眠苦しい日々が続き、翌日は寝不足という悪循環。「だったらエアコンを付けて寝ればいいんじゃないの」と言われそうだが、何せ単身赴任の身。2所帯を賄わなければならない苦しい台所事情からすれば、あまり光熱費に金をかけたくないというのが本音で…。結局はこの夏が早く過ぎるのをじっと待つしかないというのが結論です。

 「秋が待ち遠しい」と秋を恋いこがれる愚痴っぽい話になってしまったが、実はこの猛暑、福島にとっては貴重な“財産”になっているというのをご存じだろうか。

 福島は言わずと知れた「フルーツ王国」。モモ、ナシ、リンゴなどの栽培が盛んで、県園芸課によると、モモは昨年の収穫量が約2万9千トンと山梨に次いで全国2位、ナシは同2万1600トンと栃木に次いで全国4位だ。同課によると、今年のモモは春先の天候の影響で小玉だが、その分甘さがあるといい、まずまずの出来だという。今は主力品種の「あかつき」が出荷の最盛期を迎え、モモ農家は丹精込めて作った“我が子”を全国に出荷している。

 福島で果物の栽培が盛んな理由は夏の暑さと冬の寒さだ。この寒暖差が果物の生育を促し「甘くておいしい果物」ができるのだという。そう考えれば、この猛暑も一概に“悪者扱い”はできず、恩恵をもたらしてくれているということを認識し、「猛暑もこれありがたや」と納得。

 だが、その果樹農家は今、苦しい状況に置かれている。東京電力福島第1原発事故に伴う風評被害で、売れ行きが落ち込み、価格も平年の2割安だという。さらに、追い打ちをかけているのが昨年のコメの問題だというのだ。知事が検査で安全性が確認されたとして、いったん「安全宣言」を出しておきながら、その後の検査で国の基準を超える放射性セシウムが検出され、全袋検査を強いられるという事態になった。

 福島市でモモを生産している加藤修一さんは「あのコメの問題が大きかった」と嘆く。「安全だと言って、放射性セシウムが検出されたのだから話にならない。我々がいくら安全だと言っても消費者は『また、セシウムが出るんじゃないか』と疑ってかかる。疑っている人に丁寧に説明しても聞く耳を持たない。いくら基準値以下であっても、ゼロであってもですよ…。普通なら知事は辞職しなければならない問題だ」。

 確かに、一度失いかけた信頼を取り戻すためには相当の時間と労力と知恵が必要で、並大抵のことではない。それがまして食物になるとなおさらだ。加藤さんの切実な声はモモ農家の苦悩を代弁している。

 県などは今月1日から、モモに関してモニタリング検査とは別に放射性物質の自主検査結果をホームページで公開し、“ダブルチェック”で安全性をPRしている。同課は「風評被害を払拭(ふっしょく)していきたい」と話しているが、果たしてどのくらいの説得力があるのか疑問を持たざるを得ない。

 原発事故によって受けた風評被害は賠償などで補えたとしても、それはあくまで一時的な措置。むしろ、行政はこうした現場の声に真摯(しんし)に耳を傾け恒久的な生産、流通対策など、果樹農家の将来設計を含めた抜本的な対策を取る必要があるのではないか。同時に生産者も嘆いてばかりではなく、知恵を出し合う努力が求められる。

 行政と生産者が連携して初めて福島の果樹が復興できると確信する

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