daiozen (大王膳)

強くあらねばなりませぬ… 護るためにはどうしても!

描き詠み書いた俳聖

2014年10月02日 | (転載・記事)  総 合
図2は、短冊に芭蕉の自筆の絵が描かれていて、俳句も自筆らしい。
これも難しい書体で書かれていますけど、長谷川氏の援けが心強い。
この短冊の句は「枯朶にからすのとまりけり秋の暮」なんですって。

それで短冊の文字をもう一度丹念に振り返って観てみることにした。
「枯枝」でなく「枯朶」になっているのは、どういう訳でしょうか。
図1では、見上げるような高い樹上の「枝」に烏が止っていました。

図2の烏は、幹から伸ばした細いほそい枝の付け根にとまっている。
即ち、この「枯朶」は細い樹木で、地面の近くの「朶」って事です。
そしてこの場景は晩秋と云うより、或る秋の日の夕暮れ時でしょう。

ここで「枯朶」と「秋の暮」は目立ちますし「里」も目立っている。
とまりの「り」を「里」と丁寧に目立つように書いてあるようです。
即ち、この句を詠んだ場所は山奥でなく「村里」「山里」のように思う。

そして烏は地面をしっかり見て、何かを注視しているように思える。
警戒心の強い烏が村里の低木にとまって、巣作りの材料集めかしら。
仔猫か、仔犬か、雛か、何か獲物になる小動物の死骸かも知れない。

烏のそんな様子に惹かれた芭蕉の野次馬根性が今に伝ってくる一句。
芭蕉は絵の一筆、字の一画にも神経を漲らせて描き・詠み・書いた。
この短冊の烏から緊張感が伝わってくるのは生活する烏だからです。


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