昨日、白鳥の湖・全曲日本初演(東京バレエ団、1948年) という記事をアップしたのですが、その後ネットで調べれば調べるほど、戦後間もない1946年の初演のほうが日本のバレエ史にとって重要だということがわかってきました。
つまり1948年の「全曲日本初演」は宣伝文句にすぎなく、単なる再演だったんですね。
古い『音楽之友』をくやし涙目でひっくり返したら昭和21年10・11月合併号に1946年の日本初演の写真をみつけました。
↑ほそくてきれい!もっとも太ったひとはこの時代あまりいなかったのか?
↑グラビア1ページ目の山田和男氏。日本初演らしきことは何にも書いてありませんが、歴史的な指揮棒ですよね。
↑第2幕「湖水の見える森」。1946年なのにハイカラ。
↑ 松尾暁子のオデットと東勇作(あずまゆうさく、1910-1971)のジークフリート
↑ 貝谷八百子のオデット姫
↑ 東勇作のジークフリート近影
↑ 座長・小牧正英のロットバルト。こわっ
。。。この記念すべき日本初演、もっと詳しく調べてみたくなりました。
日本初演が1946年と聞くと、ずいぶん遅いじゃないか、と思う向きもあるでしょうが、実は第二次大戦前にはロシア以外の欧米でも、チャイコフスキーのバレエの全幕上演はごく稀でしたから、この戦後間もない上演はまさしく快挙でした。
もっとも、当時の日本には《白鳥の湖》全曲のオーケストラ譜が存在せず、ピアノ・スコアから山田和男が大急ぎで新規にオーケストレーションを施した、と記憶します。その山田版の譜面がどこかで発見されたら面白いのですが。
> 日本初演時の舞台装置は藤田嗣治が手がけていますが、下絵スケッチ類がすべて失われたため、詳細がわからなくなっています。
まったく知りませんでした!「銭湯のペンキ絵みたい」って本文に書かなくてよかったです。でも確かに昭和21年にしては小洒落た感じですね。
貴重ということで別の写真がないか鼻の穴をふくらませて他の雑誌も探してみましたが残念ながらありませんでした。
> ピアノ・スコアから山田和男が大急ぎで新規にオーケストレーションを施した、と記憶します。
是非聴いてみたいですね!斬新な響きがしそう。
それでちょっと思ったのですが、1948年の再演が「全曲本邦初演」となっていたのは、山田版でないオリジナルの楽譜での演奏だったからではないでしょうか。。