現代日本人文芸

現代に生きる日本人の文芸です。小説、エッセイ、俳句、短歌、川柳、現代詩、日本の伝統文芸を愛し新しい日本の文芸を創作

現代日本人文芸:二宮正治小説:小池百合子をひとりで歩かせてはならない第28回:(フィクション)

2016-10-10 07:13:00 | 日記

 NはTBS系のワイドショー「あさチャン」を見ていた。

小池知事の単独インタビューを放映している。

小池知事は藤森アナウンサーの質問に自信に満ちた声で答えている。

「いい調子だ、都知事も板についてきた。その調子でがんばれ」

 Nはこう呟く。

そして暫しの沈黙の後、

「一連の疑惑には必ず答えを出さないと」

 また呟いた。

そばにいた仲間が、

「石原元都知事の態度はいただけない。息子の総理大臣への夢を摘んでしまう」

 こう言葉を添える。

「まあ石原元都知事が何らかのかたちで関わっている事は間違いないだろう。どうしてもしらばっくれるのなら百条委員会に呼び出さないと」

 Nは怒っている。

ただ、テレビの小池知事の顔を見て、

「百合ちゃんがんばれよ」

 こう言って笑った。


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