爆発で吹き飛び骨組みだけが残る「しゃぶしゃぶ温野菜郡山新さくら通り店」の店舗(中央)。右奥は毎日民報桑野販売センター=30日午前11時40分ごろ、郡山市島二丁目付近© 福島民報社 爆発で吹き飛び骨組みだけが残る「しゃぶしゃぶ温野菜郡山新さくら通り店」の店舗(中央)。右奥は毎日民報桑野販売センター=30日午前11時40分ごろ、郡山市島二丁目付近

 三十日午前八時五十五分ごろ、郡山市島二丁目四四ノ三○、飲食店「しゃぶしゃぶ温野菜郡山新さくら通り店」で爆発があった。郡山署、郡山地方広域消防本部などによると、店内の改装に携わっていた仙台市太白区、会社員古川寛さん(50)が死亡し、少なくとも男女十九人が重軽傷を負った。鉄骨平屋の店舗が大破し、骨組みだけになった。周辺の事業所や住宅、病院、学校などの窓が割れたり、屋根や壁が損壊したりして被害は広範囲に及んだ。県警と消防は、ガス漏れが原因とみて詳しい状況を調べている。

 県警本部や、「しゃぶしゃぶ温野菜」を展開するレインズインターナショナル(横浜市)によると、郡山新さくら通り店は新型コロナウイルスの影響で四月から休業し、八月三日の営業再開を前に今月二十一日から改装工事が行われていた。古川さんは工事を受注した小西造型(仙台市)で現場責任者を務め、三十日も店を訪れていた。

 レインズ社などによると、前日の二十九日は下請け業者の作業員らと古川さんが店内で作業した。故障した厨房(ちゅうぼう)のガスこんろを電気こんろに交換するため、コンセントを増やす工事などをしていた。

 同店には外壁に沿ってプロパンガスボンベが六本置かれていたが、爆発後は一部が破損していた。ただ、同社によると、ガスの元栓は閉まっていたという。郡山署と同消防本部は店内に充満したガスに引火した可能性もあるとみて、三十一日に現場検証を行う。捜査関係者によると、県警は業務上過失致死傷の疑いもあるとみて捜査を進める方針。

 消防によると、けがをした十九人は、付近の住民や近隣事業所の従業員が多い。重傷者二人はともに四十代の女性。軽傷者は男性が十三人、女性が四人。

 現場はJR郡山駅から西に約三・五キロの市街地で市道(通称・新さくら通り)沿いに多くの商店や事業所が並んでいる。民家や事業所に加え、郡山女子大付属高や同大付属幼稚園、桑野協立病院なども窓ガラスが割れるなど多数の被害が出た。向かいの東邦銀行新さくら通り支店は事故の影響で当面臨時休業する。福島銀行開成支店なども被害を受けた。