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66回NHK杯戦(先崎学九段VS藤倉勇樹五段)から

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 6月12日は先崎学九段(45歳)対藤倉勇樹五段(36歳)戦が放送された。
 先崎九段は同い年に羽生善治・森内俊之・郷田真隆といった棋界を代表する棋士がいる。
 一般棋戦の優勝は2回。第40回(1990年度)NHK杯戦では準決勝で羽生善治前竜王を、決勝では南芳一棋王を破って優勝を果たしている。
 藤倉五段は順位戦がフリークラス、竜王戦は5組で戦っている。NHK杯で記録係を務めていたことがある。
 解説は中田宏樹八段。丁寧な解説をやったくださる方である。
 司会進行役は藤田綾女流初段。

 今日の戦いは序盤がひとつの見どころとなった。
 先崎八段の先手で始まり、居飛車の戦いとなった時点で、手順の進行について中田八段から解説が入った。
 先崎八段は2五歩を保留して変則的に戦いの駒組みを進めていった。後手の出方を窺いながら6八玉から7七玉、8八玉と入城していった手順を面白いと感じた。場合によって相振り飛車になるのも想定していたのだろうか。
 中田八段の解説によると、先手が2五歩を先に入れていれば、藤倉五段は飛車を振って別の将棋になった可能性があるという。
 先手が8八玉と入って矢倉を完成したのに比べ、後手は囲いがまだ不十分な状態だった。すでにこの時、2二玉から3二金と陣形を引き締める手を入れるべきか否かは微妙の状況と中田八段は解説した。
 そのへんを見越して先手は早く動く。4筋と6筋で角をにらみ合ったまま3四歩と銀頭を叩いた手がそれ。4二銀の自重に7六歩と自陣の傷を修復した攻守。これで攻めに専念できることとなった。銀は逃げたが3四歩に睨まれた3二玉の位置がいかにも悪い。4三の金でこれを払うが、後手の守備陣は統御が難しくなった。
 後手陣は銀を引いて守備陣の整備にかかるが、その間に先手は角打ちから馬をつくり、中央に引き戻して
4筋5筋に並べた歩で連携の弱い銀の守備陣を脅かす。後手は歩を合わせて何とか反撃に転じようとするが、遠く飛車の利いた2三の地点に照準を合わせた4七桂打ちが絶妙の手だった。
 手が進むごとに後手はどんどん手当てが間に合わなくなった。銀頭を歩でつつかれ、強力な馬に玉の裾にもぐり込まれては逆転の目もなくなった。

 羽生世代を代表する棋士、先崎九段の強力な攻めが炸裂した一局だった。



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