平方録

「4人組」もしくは「四天王」

労働組合の民主化に手を借りた4人組と久しぶりの歓談。

古今東西「4人組」というと、余り良いイメージは感じられないのだが、この4人組は中堅どころで仕事もでき、周囲からも信頼されていただけに、荒療治こそしなかったが2年かけて病巣をきれいに取り除き、すっかり民主化してしまった立役者たちである。
4人のうち一番若い1人がまだ組合に残って、病巣が復活しないように目を光らせ、経過観察しているが、報告ではその心配もないようで、秋には組合から手を引くらしい。
もう1人はちょっと体調を崩して休んだりしたおかげで、ちょっと足踏みしているが、他の2人はあっという間に部長まで昇進し、慣れ合い気味だった組織に緊張感を呼び覚ますと同時に、新風を送りこんでくれている。
そういう能力の持ち主たちなのである。
4人組というより「四天王」という呼び方の方が相応しいのかもしれぬ。

忙しい連中なのでスタートは日も暮れた7時半。
往時から城下町のど真ん中で会合を持つのははばかられたため、ちょっと離れたわがターミナル駅周辺の行きつけの居酒屋が定例の“会議室”である。
ここのおやじを手なずけているので、広間の一角を囲ってくれたりして、見るからに“怪しそう”な雰囲気なのである。

ここに四天王と会社側の2人も加わって、飲むこと飲むこと。
ハイボールやら、焼酎の何とか割りとかを牛の如く流し込んでいたが、えぇぃ面倒だ!とばかり、ビールの大ジョッキに器を変えて、それでもあっという間に空っぽになる激しい飲み方をしり目に、精密検査を受けて間もないため飲酒禁止の期間と重なってしまい、11時半の看板まで、ウーロン茶2杯、ジンジャエール2杯で付き合ってきた。
われながら涙ぐましいことではある。

アルコールが入ってテンションが上がりきった連中と話をするときに、しらふのままでいるという事がどれだけハンデがあるのかという事を嫌というほど知らされることとなった。
話の中身は理解できても、酔っ払いのテンションには追いつくこともままならず、波に乗れないというか、どうにももどかしいんである。
こんな経験は初めてで、やはり同じ程度に酔っ払ってこそ、こういう飲み会は楽しいのである。
勘定は人数割りだから、当然、割り勘負けは明らかだし、ヤレヤレの気分であった。

意識や士気の高い連中ゆえ、現在の会社を取り巻く様々な現状を的確に炙りだし、力を合わせて何とか打開して行きたい、と実に頼もしいことを言う。
われらが若いころにもそういう思いに燃えたことがあったなぁと、突如当時が蘇ったりしてきて、懐かしくもあり、はるか遠い昔のことでもあり、何か変な気持に見舞われたものである。
特に、聞く側に回っている、という点において…

アルコールを飲んでいる時はどれだけ飲んでもお腹がガボガボになる、という感じはないのだが、ノンアルコール飲料を4杯も飲むと、トイレは頻繁になるし、もちろんお腹はガボガボ。
ゆく川の流れは絶えずして…と古い文章の一節を実感しつつ、1人だけしっかりした足取りで店を後にしたのである。



名前:
コメント:

※文字化け等の原因になりますので顔文字の投稿はお控えください。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

 

  • Xでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最新の画像もっと見る

最近の「随筆」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
人気記事