平方録

滅入るわね彼岸過ぎても寒いのは

毎年よ彼岸の入りに寒いのは

正岡子規のお母さんはこう喝破して口癖にしていたそうで、息子はその口癖をそっくり俳句にしてしまった。
しかし、子規のお母さんが言及したのはあくまでも彼岸の「入り」のことで、「明け」てなおしばらく経った時期まで寒いなどとは言っていない。
ここ2日、日中の気温が10度に届くか届かない低温に見舞われ、早朝などは4、5度という真冬並みの寒さである。
おまけに、春雨とは程遠い冷たい雨が強く降り続き、いったんはウキウキしかけた気分は急速にしぼみ、滅入るばかりなのだ。
子規のお母さんなら、きっとこう詠んだに違いない。

滅入るわね彼岸過ぎても寒いのは

大相撲の大阪場所は実に劇的だったし、サッカーW杯のUAE戦の勝利も見事なものだった。WBCの野球もそこそこ頑張ったんじゃないか。
出だしの春はなかなか小気味よく進んでいるかに思えたのだが、この冷え込みだけは願い下げである。
冷え込みと言えば、こちらは絶対にカッカと燃え盛っていてもらいたいのだが、どうなんだろう。
国会議事堂の中でも劇的なことが起こりかけているようで、アベなんちゃらの焦り気味の答弁や、開き直るような態度は天に唾しているように思えてならないのだが、唾を吐きかけられてなお天はこれを見逃そうとするのだろうか。

「森友問題で私や妻の関与があったというなら首相も議員も辞める」と威勢の良い啖呵を切ったのを、よおっく覚えていますぜ。
あろうことか憲法9条を無視して海外での武力行使に道を開く集団的自衛権行使を閣議決定だけで決めてしまうというデタラメさに加え、秘密保護法の制定に突っ走り、挙句には「共謀罪」という、戦前の悪名高き治安維持法の生まれ変わりのような法律の制定に突き進んでいる。
明らかに戦前への回帰であり、あわよくば国民主権、平和主義、基本的人権の尊重をうたう現行憲法を変えて、権力を縛るのではなくて、逆に国民を縛る憲法に変えてしまおうという魂胆を隠さない政権なのである。
その首謀者の1人がアベなんちゃらなんである。

しかし残念なことに、大多数の善良な国民はそのことに気付いていないんである。
新聞もテレビも、数年前からアベなんちゃらの恫喝に屈してしまって、面と向かって批判をしなくなってしまったものだから、アベなんちゃらがやろうとしていることの本質が、国民には伝わらりにくくなってしまっている。
報道機関でござい、などとノタマいながら、その実は情けないことになっているにもかかわらず、のほほんとしているのはアベなんちゃらの応援団そのものなのだが、そのことにすら気付いていないノー天気ぶりなのだ。
ボクに言わせれば世も末である。

森友問題を注意深く見ていれば、今こそ知らん顔をしているようにふるまっているが、この問題が明らかになる直前まで、戦前の教育勅語を幼稚園児に暗唱させる光景を見て「素晴らしい教育だ」と賛辞を惜しまなかったアベなんちゃらである。
そこに端を発した問題から煙がくすぶり続けているにもかかわらず、内閣支持率が依然として50%を保っているということはどういうことであるのか。
アンビリバボー! としか言いようがない。

議事堂の中で起こりかけていることが、まさに劇的な変化となってアベなんちゃらが退場していくところを見てみたいものである。
しかし……

滅入るわねこうも関心低いのは

というんじゃぁ、心もとないんだよなぁ。こんな風にお茶らケている場合でもないんだよなぁ。



雨が降る前に撮影したわが家のタチツボスミレ
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