平方録

身辺をつれずれに

イワシ兄弟にとてもお世話になった

2017-06-20 06:00:30 | 随筆
土曜日に裸足で波打ち際を歩いたら、やけに海水が温かいのを感じてもしやと思っていたのだが、案の定だった。

そう、これまで不振が続いていたシラス漁が上向いてきて、ここ数日は大漁が続いているんだという。
江ノ電の江の島駅すぐそばの網元がやっている直売所の女性は「午後も船を出して獲りに行ってるんです」と嬉しそうである。
というわけで、しばらくは送りたくても品物がなかったのだが、今はたっぷりあるというので、北関東の内陸に住む孫娘のところと東北の友人のところに釜ゆでのシラスを送ることが出来た。
もちろんわが家には生シラスを買って帰る。

3月11日の解禁日からこの方、沿岸の飲食店にはかろうじて届いていたようだが、一般の消費者向けまで回るほどの漁獲がなかったんである。
だから今年は生シラスを食べたのがたったの1度きりだったのだ。
この時口にしたシラスはとても小さくて5、6ミリしかなかったように思うが、今獲れているのはどうやらはるか沖まで船を出しているせいか、1・5センチから2センチくらいあり、歯ごたえがしっかりしている。
甘みは小さいほうがより際立っているように思うのだが、歯ごたえというのも食感の中で大事な部類に入るから、これはこれで本来のシラスのあるべき姿と言ってよい。

丼に盛った炊き立ての真っ白なご飯の上に緑の大葉を千切りしたものを敷き詰め、その上に透き通った生のシラスをテンコ盛りにして、さらにそのテンコ盛りの中央にくぼみをつけて卵の黄身だけを落とすんである。
好みですりおろしたショウガを添えるのもありである。
そこにちょっと醤油か煎り酒を垂らし、掻き混ぜて食べるんである。
白と緑と黄色の色彩の中に透き通った小さな魚が混じり込むんである。見るだけでも食欲をそそるそいつをワシワシとかっ込んだら、もう幸せな気分に浸れること請け合いである。
ワシワシはちょっとという人は、おちょぼ口でも構わない。どんな食べ方でもいいのだ。こいつだけはおいしさは変わらないだろう。

夕食はアルコールを飲むので、どんぶり飯は食べないのだ。こいつをやるのは昼飯の時だけである。だからタイミングが必要なんである。
そのかわり、醤油皿に酢とチョッピリの醤油を垂らしたものにちょっと触っただけの生シラスをそのまま口に入れ、冷えた日本酒かワインで流し混むのがわが家の定番である。
早い話が酒の絶好のつまみという訳なのである。
この食べ方がやはり一番おいしい。海辺に暮らす特権なのだからそれを十分に堪能するのである。

この日の店内には体長10センチ超のシラスのお兄ちゃんをゆでて冷凍したものを売っていた。
オリーブオイルを敷いたフライパンに重ならないように並べて塩コショウし、黒コショウをたっぷり振りかけ両面をこんがり焼き目が付くくらい焼いて食べるとおいしい、と説明が添えられていたので試しに買ってきてやってみた。

わが家ではメザシを焼くとオリーブオイルにちょこっとつけて食べているが、その変化バージョンと言って良い。
塩気を自分で調節できるところがグッドである。いい塩梅とはまさにこのことである。
イワシとオリーブオイルは相性が良いと見えて、これはとても良い食べ物である。何本でも食べられる。ワインにぴったりおあつらえ向きである。しかも安価なところが何よりなのだ。

かくしてわが家の夕食はイワシ一家のおかげで豊かで栄養価の高いものとなり、お酒も実においしくのどを通過していったという訳である。
口福も眼福も独り占めの気分なのである。







イワシ兄弟のお世話になる夕餉


湘南海岸の片瀬西浜には海の家が並び、真っ白に塗られた真新しい監視塔が用意万端を告げている



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