平方録

花に試練は付きものよ…か

南南西の雲の絶え間から月がのぞいているのが見える。
満月から数えて5日目の欠け始めの円い月である。
今日は晴れるらしいが、昨日に引き続いて寒そうである。

昨日は朝7時前に姫の母親からメールが届いた。
何事かと思ったら、「外は銀世界だぜ!」と写真まで添えてある。
なるほど、東側の窓を覆っているサクラの木の、散りかけたサクラの花びらに雪が降り積もり、畑が真っ白になっている。
10日は姫の入学式である。その直前の雪。
式に参列もしていないから、まったく記憶にないが、姫の母親の入学式は雪だったそうだから、母娘は似通うものか。
しかし、当日の雪はご免こうむりたい。

4月の雪と言えば1969年である。当時は簡単ではなかったアメリカに行くために、1年間、新聞配達をしていたのだが、ドアを開けて外に出た瞬間、電線の上にまで雪が積もる一面の銀世界が目に飛び込んできて、びっくり仰天したことがある。
自転車の荷台に200部超の新聞を積んで配達をしていたので、ちょっと雪が積もっただけで自転車は使えず、雪には往生させられたものである。
何せ、当時は市民の足として健在で、雪に強かった市電すら始発から止まったままだったのである。

しかし、こういう異常事態になると、アドレナリンは体内に充ちるらしく、元気よく、むしろ張り切って配達した記憶がある。
花に嵐… 花に雪… 新聞青年に雪… 花にはいろいろと試練はあるもんだねぇ。

昨日は日中の最高気温が5度くらいまでしか上がらず、真冬の寒さに逆戻りしたのに腹を立てて、炬燵から抜け出して防寒着に身を包み、賑やかなところをほっつき歩いてきた。
と言ったって、所詮は銀座や新宿、渋谷とは比べるべくもない田舎町である。
しかし、それがどうした。
札幌に負けないくらい美味しい札幌ラーメン屋だってあるのだ。

しかし意を決して寒空に傘まで差して出てきたのに、路地の奥の札幌ラーメンの店のシャッターは閉まっているではないか。
何ということでしょう!

仕方なく、かねて一度は行こうと思っていた魚料理の店に行ってみた。
11時半前から暇なおばさまたちが行列をなしている店である。
精神科医で船好きの作家の異名と同じ名前の店である。
とはいえ、店名は漢字で書かれているから普通の人は読めない。…たぶん。
漢字には些かの馴染みを持つ身でも、職業柄、常用漢字しか使わせてもらえなかったからか、とても読めたものではない。
そういう難解な店である。

13時過ぎ。店は落ち着きを取り戻していたらしい。すぐに座れた。
注文したのはメニュー表の一番上にあった「まかない丼定食」。
結論からいえば何のことはない、マグロのぶつ切りに釜揚げシラスとイクラが乗っているだけのどんぶり。
まぁ、魚っ食いには邪道だけれども、まずはご挨拶。看板メニューから入ってみたわけである。
ま、看板に偽りはありませんでした。たいていの人は喜ぶだろうね。

これから、姫の入学式に参列するため、スーツなんぞを持ったりして宇都宮へ移動である。
ぐずぐずしてはいられない。





メールで送られてきた宇都宮の雪景色



「翻車魚」と船名からとった店の看板と料理の看板「まかない丼」
 
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