こんなニュースがあった。以下ニュースサイトの引用。
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「中国との友好に配慮」長崎県が台湾側表敬拒否
長崎県が、台湾の総領事館にあたる台北駐福岡経済文化弁事処(福岡市)の周碩穎・処長の表敬訪問の申し入れを、断っていたことが分かった。
同県は「友好関係を築き上げている中国側に配慮した」と説明。周処長は26日、県庁で記者会見し、「九州の他県は受け入れているのに、なぜ長崎だけが拒否するのか」と批判した。
周処長らは26日、「長崎県日華親善協会」の設立総会出席のため、長崎市を訪問。協会側は事前に設立総会への金子原二郎知事の出席を要請したが断られた。周処長らは協会を通じ、県幹部への面会を申し入れ、これも拒否されたという。
県国際課によると日中国交回復後、台湾当局者から表敬訪問の申し出があったのは初めて。杉光正弘課長は「他県が台湾と交流しているのは知っているが、長崎には中国総領事館があるなど中国とは特に深い友好関係にある」と話している。
周処長は記者会見で、「台湾から長崎県内への観光客は20万人を超えて中国の7倍に上り、九州で最も多い。中国との友好の歴史は理解するが、訪問すら断るのは失礼だ」と述べた。
(2008年8月27日 読売新聞)
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引用以上。
台湾の歴史は不勉強だが、wikiなどで読むと、台湾は、かつて日清戦争以来大日本帝国の統治下にあり、第二次世界大戦終結後に空白区となった。そしてこの地を巡って、進駐した中国国民党(中華民国)と中国共産党が争い、結果中国共産党が政権を奪取。中華民国政府が一旦崩壊し、「台湾国民政府」として再始動。現在も、中華人民共和国と独立問題で係争中。日中国交樹立以来、日本と台湾との政治的国交は無い。
確かに長崎市には中国総領事館があるという特殊性もあるので、中国を大切にしなくてはならない県の立場もある部分では理解できる。しかし、台湾の面会すら断るというその配慮は偏った実にいびつなものといえる。
九州他県の全てが、台湾の表敬訪問を受け入れている中、唯一長崎県だけがそれを拒否する背景に中国総領事館があることが今回の判断の正当な理由と成り得るのか?俺はそうは思わない。こういうことを配慮というのだろうか。否、それは媚を売るということだ。核廃絶を訴えるのもいい、高校生なんとか署名もいい。それはつまり平和な世界を訴えているわけで、被爆地として世界の平和を訴える側であれば、どんな理由であれ、どの地からの表敬訪問も分け隔てなく中立に受け入れるのが本来の姿だ。
長崎県を観光で訪れる台湾人は年間二十万人以上だという。台湾を認めない長崎県の姿勢があるならば、このような事実をどう考えるのか。台湾からの観光客がこの事実を知ったらどう思うだろうか。それは実に虫の良い話ではないか。何様のつもりか。こういう判断をした長崎県を自分の住む地として情けなくも思う。
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「中国との友好に配慮」長崎県が台湾側表敬拒否
長崎県が、台湾の総領事館にあたる台北駐福岡経済文化弁事処(福岡市)の周碩穎・処長の表敬訪問の申し入れを、断っていたことが分かった。
同県は「友好関係を築き上げている中国側に配慮した」と説明。周処長は26日、県庁で記者会見し、「九州の他県は受け入れているのに、なぜ長崎だけが拒否するのか」と批判した。
周処長らは26日、「長崎県日華親善協会」の設立総会出席のため、長崎市を訪問。協会側は事前に設立総会への金子原二郎知事の出席を要請したが断られた。周処長らは協会を通じ、県幹部への面会を申し入れ、これも拒否されたという。
県国際課によると日中国交回復後、台湾当局者から表敬訪問の申し出があったのは初めて。杉光正弘課長は「他県が台湾と交流しているのは知っているが、長崎には中国総領事館があるなど中国とは特に深い友好関係にある」と話している。
周処長は記者会見で、「台湾から長崎県内への観光客は20万人を超えて中国の7倍に上り、九州で最も多い。中国との友好の歴史は理解するが、訪問すら断るのは失礼だ」と述べた。
(2008年8月27日 読売新聞)
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引用以上。
台湾の歴史は不勉強だが、wikiなどで読むと、台湾は、かつて日清戦争以来大日本帝国の統治下にあり、第二次世界大戦終結後に空白区となった。そしてこの地を巡って、進駐した中国国民党(中華民国)と中国共産党が争い、結果中国共産党が政権を奪取。中華民国政府が一旦崩壊し、「台湾国民政府」として再始動。現在も、中華人民共和国と独立問題で係争中。日中国交樹立以来、日本と台湾との政治的国交は無い。
確かに長崎市には中国総領事館があるという特殊性もあるので、中国を大切にしなくてはならない県の立場もある部分では理解できる。しかし、台湾の面会すら断るというその配慮は偏った実にいびつなものといえる。
九州他県の全てが、台湾の表敬訪問を受け入れている中、唯一長崎県だけがそれを拒否する背景に中国総領事館があることが今回の判断の正当な理由と成り得るのか?俺はそうは思わない。こういうことを配慮というのだろうか。否、それは媚を売るということだ。核廃絶を訴えるのもいい、高校生なんとか署名もいい。それはつまり平和な世界を訴えているわけで、被爆地として世界の平和を訴える側であれば、どんな理由であれ、どの地からの表敬訪問も分け隔てなく中立に受け入れるのが本来の姿だ。
長崎県を観光で訪れる台湾人は年間二十万人以上だという。台湾を認めない長崎県の姿勢があるならば、このような事実をどう考えるのか。台湾からの観光客がこの事実を知ったらどう思うだろうか。それは実に虫の良い話ではないか。何様のつもりか。こういう判断をした長崎県を自分の住む地として情けなくも思う。