hayashi5 blog

Time goes by, Life goes on...

東本願寺

2009-08-08 16:14:28 | Kyoto
東本願寺
屋根修復工事中の東本願寺です。浄土真宗、真宗大谷派の本山だそうです。

親鸞聖人没後750年を記念し、明治以来の改修中とのこと。初めて来たけど、でかいです。工事中なので、やかましいのが残念ですが、なかなか見れるもんじゃ、ありません。


脱「ひとり勝ち」文明論

2009-08-08 13:59:58 | 書籍

Datsuhitorigachi_3

タイトルからして、思想本かと思いきや完全な技術書です。ただ、若者向け(中高校生くらい)に書かれているので、非常に分かりやすい。

電気自動車Eliicaの開発を行っている、慶応大学の清水浩教授の著書です。

電気自動車の開発を30年やってきて、見えたもの。次の時代は太陽光発電と電気自動車が、世界の構造を変え、先進国だけが裕福な20世紀型の「ひとり勝ち文明」から、世界中が豊かになれる、「脱ひとり勝ち文明」への転換が可能である。但し、今がその岐路であり、日本にはそれを引っ張る技術がある。今こそ、みんなの意識を変え、責任を希望を持って生きよう!というのが本書の主旨です。

まさに、スマートグリッドの考え方であり、そのために適した電気自動車がEliicaなのです。

また、技術的側面からの「脱ひとり勝ち」に必要な電気自動車というアイテムとは別に、一人の天才によるひらめきではなく、みんなで知恵を出し合って良いものを作りましょう、という「脱ひとり勝ち」のメッセージもこめられています。

これは、著者自体が東北で生まれ育ち、東北大学を出たという、中央のエリートとは違うということと、著者のもともとの専門が量子力学であり、機械工学や電気工学、自動車工学については、専門家に任せながら開発を進めて来たということにも表れているのだと思います。

ひとつの夢のある研究を30年続けられると言うのは、研究職でしかも資金に余裕のあるところしかできないので、著者をすごくうらやましく思う人は多いと思います。実際、トヨタやホンダの開発者は、電気自動車だ!と思っていても、開発期間、開発費用と、その後の市販を考えると、妥協をせざるを得ないと思います。(著者も冒頭で同様なことを言っています)

ただ、若い世代にものづくりの面白さと同時に、次の世代へいい世界を残していくという責任を実感させるためには、非常に面白い取り組みだと思います。

三菱、富士重が市販をはじめ、日産も来年量産を始める電気自動車。ガソリンやガス、水素に比べ、インフラの整備が簡単であり、かつ太陽光発電での余剰電力を効率よく使えるという意味でも、筆者が言うとおり、電気自動車の普及期はすぐそこまで来ていると思います。

あとは、性能とコスト。これも筆者が言っているのですが、何かを犠牲にしていては、普及しない。そのためには、今の車の延長線上ではなく、新しい自動車の概念を作らないとだめ。という意味では、まったく新しい乗り物は、既存の自動車メーカではなく、こういう研究施設から出てくるんでしょうね。

だから、政府は高速代1000円なんていう、ガソリン自動車の利用を促進する点数稼ぎよりも、基礎研究やインフラの整備にもっと金を使うべきだと思う(今でも使っているのだろうけれど、少なすぎると思う)。あと、自動車産業だけではなく、鉄道関係や宇宙開発もしかり。それに国民も1000円だ!とか給付金もらった!で喜んでいてはダメなんですよね。ほんと。

それにしても、大きなことはできなくても、未来に夢を残せる仕事がやりたいですね。将来はもっかい大学に行きたいと思っています。