先ほど、定食屋で友人と夕飯を食べながら石ノ森章太郎の『マンガ日本経済入門』を開いて読みあいながら談笑してきた。その漫画の出だしでは日米貿易摩擦の際に発生した暴動で日本車が破壊される様子が描写されており、私が幼かった1992年ごろ、テレビで見た暴動の映像の淡い記憶をよみがえらせた。
人は時として利益の対立相手を攻撃する。その様子は戦争・紛争、価格競争、畑での除草作業、食器の洗浄・殺菌消毒などいたるところで見ることができる。そして、その相手として時々、機械が選ばれることがある。
産業革命のあった1811~7年頃、イギリス中・北部の織物工業地帯で産業革命による機械普及で失業を恐れた労働者による機械破壊運動が発生した。これをラッダイト運動と呼ぶ。
近年になって、精密機械や電子制御が非常に速い発達を遂げ、より、人の判断や手の動きの必要だった部分を代替するようになってきた。以前は手で運ばねばならなかった手紙が電子メールにかなりの部分置き換えられ、人に聞かなければいけなかった情報も検索エンジンによって見つけられるようになり、製造ラインは殆ど自動で回るようになった。反面、人間の必要性は減少した可能性があるだが、これに反発して発生すると予想されるハイテク機械を破壊しようとする運動がネオ・ラッダイト運動である。
いままで、ネオ・ラッダイト運動と呼ばれる大きな動きは存在しないが、発生する可能性は十分ある。大勢が製品をボイコットしたり、機械を破壊したりすれば遺伝子組み換え大豆の拒否と同様に産業界自体も対応せざるを得ず、実際に成果が出るだろうことは容易に予想できる。時々、産業界がその運動を未然に防ごうとする対策や言い訳をカルテル同様に本当に連携して行っている可能性があるとデータが示すのだが、実際の証拠があっても私の幻聴や妄想ということになる可能性は大きいと思われる。
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