_野球と違って、動のスポーツであるサッカー。
戦術や規律が、野球以上に浸透させるのに時間がかかる。
優れた選手を集めれば、それなりのチーム成績が計算出来るのが野球。
しかし、サッカーは選手を集めてもチームの体を成さねば成績も付いてこない。
_浦和(1999年)C大阪(2001年)広島(2002年)柏・東京V(2005年)C大阪(2006年)広島(2007年)東京V(2008年)柏・大分(2009年)FC東京(2010年)神戸・G大阪(2012年)
比較的、戦力や財政に恵まれていながら降格したクラブを挙げた。
編成や、監督(スタッフ)選びを誤ったが故の失敗である。
近年は特に、フィジカルコーチ選びの失敗が大きいと私は考えます。
_また監督交代が機能しなかったり、逆にJ1低迷期の監督交代から……。
J2降格を受けても続投、1年間チームとして土台を作った上でJ1で戦える基盤を作りあげる。
そんな成功パターンを、広島と柏は示した。
_つまり育成型の監督と言える訳だが、その監督も降格というプレッシャー。
これの前では、本来の力を発揮できなかった。
特に柏のネルシーニョ監督は、現場に立ち続けてきたベテラン。
さらに強いチームを率いて優勝争いも経験し、プレッシャーには強い筈である。
しかし、ブラジルでは直ぐに監督の交代が行われるという。
よって降格のプレッシャーを、長期に渡って監督が受けるケースは少ない。
この事を、元大分監督のシャムスカもインタビューで答えていた。
_未知の体験である以上、実績やそれまでのベースは役に立たなくなる恐れがあるとも言える。
ベンチで静観する筈の、監督がこうである。
ピッチを走りまわる選手が、どうなるかは答えが出ているだろう。
_大宮が今季躍進しているのは、広島・柏の成功ケースの進化版だ。
残留に成功した上で、翌年にJ1で勝ち点を稼ぎ出している事。
さらに、選手の顔ぶれもさほど変えないで……。
主力の放出もありながら、戦力を整えた事。
_これには、フロントと監督の結び付きの強さ。
密なコミュニケーションと、フロントの決断力も評価されるべきだ。
見過ごせない事には、コーチングスタッフを充実させた事。
現場への計らいは、新しい監督の戦術を消化する事を大いに助けただろう。
それでは、何が勝ち点に結び付けたのだろうか?
私は、選手達のがんばりに尽きると思う。
これは、『精進』と言ってもいいのかもしれない。
そういった選手のサッカーへ取り組む姿勢が、監督のプレッシャーを和らげる。
これは試合後の、ベルデニック監督から発せられるコメントを読んで……。
2002年から、大宮を見てきた私が感じた事だ。