「小学校五年生のいい思い出ができた」
美由紀が敏夫にこう言った。
そして、
「ありがとう敏夫ちゃん」
とまた敏夫に言葉をかけたのだった。
「ぼくこそ美由紀ちゃんにお礼を言わなきゃあ」
と敏夫が美由紀に言った。
「これからも仲良くしようね」
「うん」
敏夫と美由紀の愛は深まり、十一歳の恋物語は続くのだった。
第一部終了
「小学校五年生のいい思い出ができた」
美由紀が敏夫にこう言った。
そして、
「ありがとう敏夫ちゃん」
とまた敏夫に言葉をかけたのだった。
「ぼくこそ美由紀ちゃんにお礼を言わなきゃあ」
と敏夫が美由紀に言った。
「これからも仲良くしようね」
「うん」
敏夫と美由紀の愛は深まり、十一歳の恋物語は続くのだった。
第一部終了
美由紀ばかりでなく敏夫のところにも新聞社や雑誌が数多く取材に来たのだった。
「美由紀ちゃんを推薦した動機は」
この問いに、
「日に日に美しくなって行く美由紀ちゃんの姿をかたちにして残してあげようと思ったんです」
敏夫は本音を語った。
そしてこの言葉が活字となって全国に紹介されると敏夫も有名人になってしまったのである。
「ぼくたち有名人になっちゃった」
照れくさそうに敏夫は美紀にこう言った。
「敏夫君が変な事思いつくからよ」
「怒ってる美由紀ちゃん」
「ううん・・・・」
二人は無言だったが、心と心に愛が激しく行き交うのだった。
美由紀は見事美少女コンテストで優勝した。
「東京という大都会の中に住む普通の女の子の美しさをもっている」
審査員はこう絶賛したのだった。
二位、三位となった秋田、神戸の女の子はこの裁定に大いなる不満を示し芸能界入りを表明した。
審査委員は最初からこの事を知っていて、
「芸能界入りのためのタイトル獲得」
をさせないと思っていたとの噂が流れた。この二人もう芸能プロダクションのレッスンを受けていたのだ。
「やはり普通の女の子は強い」
敏夫は自分が優勝したように喜んでいた。
「あしたから近所の道を歩けなくなる」
美由紀はこの優勝に困惑している。