ザーザーと流れる流水で好美の手を冷やしながら
僕は心の中で自分を罵った
なんて馬鹿なんだ僕は・・・・・・
鍋を火にかけてたってのも忘れて
自分の欲望を優先させようとするなんて
しかも・・・そのせいで好美に火傷させるなんて
大馬鹿だ・・・僕は
その事に意識を集中させていて
好美が僕を呼んでいる事に気づかなかった僕は
返事のない僕に痺れをきらした好美が
僕の手を振り払い、その両 . . . 本文を読む
「焦げ・・臭い???」
何で?どうして?
この展開で焦げ臭いって無いだろ?!
ってか・・・マジに焦げ臭い・・・何????
事の展開についていけない僕の頭がパニックを
起こしているのに対し
好美の反応は早かった
「祐樹くん!!!!大変!焦げてる!!!」
「へっ?こげ・・・」
あまりにも反応の鈍い僕に痺れをきらし
僕の腕を振り払いガス台へ向かいながら
もう一度、今度は僕にも分か . . . 本文を読む
ワタワタと一人慌てる僕を不審に思ったのか
腕の中の好美が僕の様子を窺うように
視線を僕に向ける・・・・・
「祐樹・・・くん?」
「ち・・・違うんだ!僕は別に
変な事をし・・・じゃなくて
・・・えっと・・・・・」
「・・・変な事?・・・・」
「そうじゃなくて・・・あの・・・
その・・・えっと・・・・
匂いがね・・・・その」
「・・・・・・匂い?」
うわ!!!何か好美の僕を見る . . . 本文を読む