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『コンビニオーナーのための経営術』
2005年11月13日 第9号
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コンビニ経営を始めるならまず立地から!
↓ ↓ ↓
そんな場所では儲からない
セブンイレブンの看板が変わりました。
少し前に、イトーヨーカドーグループが持株会社を設立して
セブン&アイホールディングスという会社ができました。
敵対的買収に備えた資本関係の見直しが目的だとは思いますが、
すごいのは、それ以来イトーヨーカドーもセブンイレブンも看板が
セブン&アイに変わっている事です。
私の経験上、看板の付替えはかなりコストがかかる割に、その効果は
具体的にはわかりません。
ガソリンスタンドの日石と三菱がエネオスになったときも
看板がすべて統一されるまでにかなりの時間を要したと思います。
コンビニの中小チェーンではいくつか再編も起こっていますが
コストの関係から看板の付替えまでは行わないチェーンも
多いと思います。
セブンイレブンとヨーカドーはそのあたりに
こだわりというか徹底力というものを感じました。
よくよく看板を見比べてみるとセブンイレブンの看板もセブン&アイ
の看板も良く似ています。一見、看板を変える意味はあるのかと
思ってしまいます。
こだわりがないとできない事だと思います。
それ以外に私の気づかないメリットがあるのでしょうか・・・
それでは、第9号に行ってみましょう!
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経営資料(貸借対照表、損益計算書)を見る
~~~店の経費が増えても本部は困らない??
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店舗指導員(SV)「先月は、人件費がかかりましたね。」
オーナー「そうそう、店長が病気をしちゃってね。かわりに
バイトにたくさん入ってもらったから。」
店舗指導員(SV)「病気なら仕方が無いですが、売上の低い月
でしたから利益に影響が大きかったです。」
オーナー「そうだよね、自分の収入に直撃するから大変だ。
ところで、人件費っていくらが適正なのですか?」
店舗指導員(SV)「店の売上、オーナーのシフトなどによっても
変わってきますので一概には言えませんが・・・」
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
さて、経費はオーナーの収入に直結します。
では、経費は本部の収入に影響するでしょうか???
↓
↓
答えは、NOです。
光熱費を一部負担しているチェーンなどはありますが、基本的に
加盟店の経費は本部の収入にはほとんど影響がありません。
もちろん、加盟店が利益を上げないと、オーナーが生活できませんから
本部にとっても重要な事ではあるのですが、本部の収入には
直接は影響しません。
なぜでしょうか??
それは、ロイヤルティ(チャージ)が売上総利益(粗利)分配制度を
とっているからです。
売上総利益は、商品売上-売上原価(≒商品仕入高と考えてください)
です。平均するとコンビニでは売上比30%程度の売上総利益が
ありますが、この数字は加盟店ごとにはほとんど変わりありません。
その売上総利益からロイヤルティ(チャージ)が引かれた後に
店でかかった経費が引かれて純利益となるのです。
ですから、各加盟店で経費がどれだけかかって赤字になっても
本部のロイヤルティ(チャージ)には影響しません。
これは、オーナーさんにとっては必ず理解しておかなければならない事です。
つまり、本部や店舗指導員(SV)にとっては、
売上はロイヤルティに直結しますが、経費はそうではないのです。
オーナーさんが良く理解しておかなくてはいけないのは、
キャンペーンなどがあったとき、やはり一時的に売上は伸びると思いますが
本当に、それが利益に貢献しているかという事です。
売上が伸びて一緒に廃棄も同額増えていたとしたら・・・
本部に払うロイヤリティ(チャージ)は増え、廃棄(経費)も増えの
2重パンチです。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
例で考えて見ましょう。
日販50万の店で月の廃棄(原価)が50万としましょう。
売上総利益は30%、ロイヤリティも30%とします。
1月当たりの損益計算書は次のようになります。
売上 15,000(千円)
売上総利益 4,500
ロイヤルティ △1,350
差引き利益 3,150
商品廃棄 △500
その他の経費 △2,500
純利益 150
経費は仮定ですが、月に15万円の利益が出ました。
ところが、キャンペーンにより、売上が月15万円(1日5,000円)伸び、
廃棄が5万円(1日1,500円)増えたとしましょう。
売上 15,150(千円)
売上総利益 4,545
ロイヤルティ △1,364
差引き利益 3,181
商品廃棄 △550
その他の経費 △2,500
純利益 131
売上は増えましたし、本部の収入も増えましたがオーナーさんの
利益は減りました(13万円)。
では、キャンペーンをやらなかったほうが良かったのでしょうか。
それは、やったほうが良かったのだと思います。
売上が上がったということは、お客様が、当店の商品を選んで買ってくれた
という事です。当店だけ、キャンペーンに取り組まなければ、
CM(広告)を見て来店してくださるお客様を裏切る事になります。
本部も、当然キャンペーンをやるという事は別に広告宣伝費、開発費
などがかかっているのです。
また、キャンペーンの重要性については、以前に客数戦略の大切さの
ところで、書きました。
では、オーナーさんは経営者として、何に気をつけるべきなのでしょう。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
上記の例の廃棄が増加して、利益が減った分はいわばオーナーさんが、
店のために広告宣伝費を支払ったようなものです。
実際に、利益が減っているわけですから・・・
ですから、毎回のキャンペーンごとに、売上を伸ばす以上に
付加価値をつけていくのです。
広告宣伝費を自分で払っているのならば、その分成果を得ないと無駄になって
しまいます。
例えば、「今回のキャンペーンでは従業員みんなで盛り上げる事により、接客
などのオペレーションも改善した」
とか「おにぎりのキャンペーンをやることによる、パンの売上との相関関係が
今回のキャンペーンでわかった」
などなど。
つまり、キャンペーンなどの取り組みは、固定客のお客様に何度も店に
きていただくために不可欠なのですから、そのキャンペーンを利用して、
店のレベルアップをしてしまう事が一番効率的です。
せっかく、ある程度のリスクを犯して発注量を増やしているのですから
その検証は真剣に行ってください。
なぜこの日は売れなかったのか?
なぜこのアイテムだけ一番初めに無くなったのか?
もちろん、売上だけ伸びて、「よかったよかった」といっている
店舗指導員(SV)がいたら、猛抗議してください。
そして、上記の例のように
「うちは経費を払ってキャンペーンに参加したんだ」
といってやってください。
最終目標は、固定客を増やして、
継続して利益を出していける事なのですから、その本質を
見失わないようにすることが経営者として必要な事だと思います。
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超個人的!コンビニ日記
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今日、行った店は店長らしいお姉さんが入っていました。
「いらっしゃいませ」とマニュアルっぽいあいさつ。
ちょっと、疲れてるのかなぁという感じ。
ところが・・・
「お疲れ様でーーす!!!」というさっきとは比べられないくらい
明るい声で、配送のドライバーに挨拶してました。
ドライバーは若いイケメンだからか??
と思わずにはいられない私でした。
お客とはひがみっぽいものだと思います。
それを満足させるのは難しいですが、それをできる店が
生き残るんですよね。
『コンビニオーナーのための経営術』
2005年11月13日 第9号
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コンビニ経営を始めるならまず立地から!
↓ ↓ ↓
そんな場所では儲からない
セブンイレブンの看板が変わりました。
少し前に、イトーヨーカドーグループが持株会社を設立して
セブン&アイホールディングスという会社ができました。
敵対的買収に備えた資本関係の見直しが目的だとは思いますが、
すごいのは、それ以来イトーヨーカドーもセブンイレブンも看板が
セブン&アイに変わっている事です。
私の経験上、看板の付替えはかなりコストがかかる割に、その効果は
具体的にはわかりません。
ガソリンスタンドの日石と三菱がエネオスになったときも
看板がすべて統一されるまでにかなりの時間を要したと思います。
コンビニの中小チェーンではいくつか再編も起こっていますが
コストの関係から看板の付替えまでは行わないチェーンも
多いと思います。
セブンイレブンとヨーカドーはそのあたりに
こだわりというか徹底力というものを感じました。
よくよく看板を見比べてみるとセブンイレブンの看板もセブン&アイ
の看板も良く似ています。一見、看板を変える意味はあるのかと
思ってしまいます。
こだわりがないとできない事だと思います。
それ以外に私の気づかないメリットがあるのでしょうか・・・
それでは、第9号に行ってみましょう!
■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■
経営資料(貸借対照表、損益計算書)を見る
~~~店の経費が増えても本部は困らない??
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店舗指導員(SV)「先月は、人件費がかかりましたね。」
オーナー「そうそう、店長が病気をしちゃってね。かわりに
バイトにたくさん入ってもらったから。」
店舗指導員(SV)「病気なら仕方が無いですが、売上の低い月
でしたから利益に影響が大きかったです。」
オーナー「そうだよね、自分の収入に直撃するから大変だ。
ところで、人件費っていくらが適正なのですか?」
店舗指導員(SV)「店の売上、オーナーのシフトなどによっても
変わってきますので一概には言えませんが・・・」
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さて、経費はオーナーの収入に直結します。
では、経費は本部の収入に影響するでしょうか???
↓
↓
答えは、NOです。
光熱費を一部負担しているチェーンなどはありますが、基本的に
加盟店の経費は本部の収入にはほとんど影響がありません。
もちろん、加盟店が利益を上げないと、オーナーが生活できませんから
本部にとっても重要な事ではあるのですが、本部の収入には
直接は影響しません。
なぜでしょうか??
それは、ロイヤルティ(チャージ)が売上総利益(粗利)分配制度を
とっているからです。
売上総利益は、商品売上-売上原価(≒商品仕入高と考えてください)
です。平均するとコンビニでは売上比30%程度の売上総利益が
ありますが、この数字は加盟店ごとにはほとんど変わりありません。
その売上総利益からロイヤルティ(チャージ)が引かれた後に
店でかかった経費が引かれて純利益となるのです。
ですから、各加盟店で経費がどれだけかかって赤字になっても
本部のロイヤルティ(チャージ)には影響しません。
これは、オーナーさんにとっては必ず理解しておかなければならない事です。
つまり、本部や店舗指導員(SV)にとっては、
売上はロイヤルティに直結しますが、経費はそうではないのです。
オーナーさんが良く理解しておかなくてはいけないのは、
キャンペーンなどがあったとき、やはり一時的に売上は伸びると思いますが
本当に、それが利益に貢献しているかという事です。
売上が伸びて一緒に廃棄も同額増えていたとしたら・・・
本部に払うロイヤリティ(チャージ)は増え、廃棄(経費)も増えの
2重パンチです。
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例で考えて見ましょう。
日販50万の店で月の廃棄(原価)が50万としましょう。
売上総利益は30%、ロイヤリティも30%とします。
1月当たりの損益計算書は次のようになります。
売上 15,000(千円)
売上総利益 4,500
ロイヤルティ △1,350
差引き利益 3,150
商品廃棄 △500
その他の経費 △2,500
純利益 150
経費は仮定ですが、月に15万円の利益が出ました。
ところが、キャンペーンにより、売上が月15万円(1日5,000円)伸び、
廃棄が5万円(1日1,500円)増えたとしましょう。
売上 15,150(千円)
売上総利益 4,545
ロイヤルティ △1,364
差引き利益 3,181
商品廃棄 △550
その他の経費 △2,500
純利益 131
売上は増えましたし、本部の収入も増えましたがオーナーさんの
利益は減りました(13万円)。
では、キャンペーンをやらなかったほうが良かったのでしょうか。
それは、やったほうが良かったのだと思います。
売上が上がったということは、お客様が、当店の商品を選んで買ってくれた
という事です。当店だけ、キャンペーンに取り組まなければ、
CM(広告)を見て来店してくださるお客様を裏切る事になります。
本部も、当然キャンペーンをやるという事は別に広告宣伝費、開発費
などがかかっているのです。
また、キャンペーンの重要性については、以前に客数戦略の大切さの
ところで、書きました。
では、オーナーさんは経営者として、何に気をつけるべきなのでしょう。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
上記の例の廃棄が増加して、利益が減った分はいわばオーナーさんが、
店のために広告宣伝費を支払ったようなものです。
実際に、利益が減っているわけですから・・・
ですから、毎回のキャンペーンごとに、売上を伸ばす以上に
付加価値をつけていくのです。
広告宣伝費を自分で払っているのならば、その分成果を得ないと無駄になって
しまいます。
例えば、「今回のキャンペーンでは従業員みんなで盛り上げる事により、接客
などのオペレーションも改善した」
とか「おにぎりのキャンペーンをやることによる、パンの売上との相関関係が
今回のキャンペーンでわかった」
などなど。
つまり、キャンペーンなどの取り組みは、固定客のお客様に何度も店に
きていただくために不可欠なのですから、そのキャンペーンを利用して、
店のレベルアップをしてしまう事が一番効率的です。
せっかく、ある程度のリスクを犯して発注量を増やしているのですから
その検証は真剣に行ってください。
なぜこの日は売れなかったのか?
なぜこのアイテムだけ一番初めに無くなったのか?
もちろん、売上だけ伸びて、「よかったよかった」といっている
店舗指導員(SV)がいたら、猛抗議してください。
そして、上記の例のように
「うちは経費を払ってキャンペーンに参加したんだ」
といってやってください。
最終目標は、固定客を増やして、
継続して利益を出していける事なのですから、その本質を
見失わないようにすることが経営者として必要な事だと思います。
■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■
超個人的!コンビニ日記
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今日、行った店は店長らしいお姉さんが入っていました。
「いらっしゃいませ」とマニュアルっぽいあいさつ。
ちょっと、疲れてるのかなぁという感じ。
ところが・・・
「お疲れ様でーーす!!!」というさっきとは比べられないくらい
明るい声で、配送のドライバーに挨拶してました。
ドライバーは若いイケメンだからか??
と思わずにはいられない私でした。
お客とはひがみっぽいものだと思います。
それを満足させるのは難しいですが、それをできる店が
生き残るんですよね。
週1ペースですがこれからもがんばって書いていきますね。
こちらこそ、よろしくお願いします!