コンビニ経営のポイント

コンビニオーナー、経営者のための商品政策・経営分析・税務対策などを、元コンビニ社員が書いています。

経営資料(貸借対照表、損益計算書)を見る~~~店の経費が増えても本部は困らない??

2005年11月13日 03時02分42秒 | Weblog
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 『コンビニオーナーのための経営術』

 2005年11月13日  第9号
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コンビニ経営を始めるならまず立地から!
 
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そんな場所では儲からない



セブンイレブンの看板が変わりました。

少し前に、イトーヨーカドーグループが持株会社を設立して
セブン&アイホールディングスという会社ができました。

敵対的買収に備えた資本関係の見直しが目的だとは思いますが、
すごいのは、それ以来イトーヨーカドーもセブンイレブンも看板が
セブン&アイに変わっている事です。

私の経験上、看板の付替えはかなりコストがかかる割に、その効果は
具体的にはわかりません。
ガソリンスタンドの日石と三菱がエネオスになったときも
看板がすべて統一されるまでにかなりの時間を要したと思います。

コンビニの中小チェーンではいくつか再編も起こっていますが
コストの関係から看板の付替えまでは行わないチェーンも
多いと思います。

セブンイレブンとヨーカドーはそのあたりに
こだわりというか徹底力というものを感じました。
よくよく看板を見比べてみるとセブンイレブンの看板もセブン&アイ
の看板も良く似ています。一見、看板を変える意味はあるのかと
思ってしまいます。

こだわりがないとできない事だと思います。
それ以外に私の気づかないメリットがあるのでしょうか・・・

それでは、第9号に行ってみましょう!

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 経営資料(貸借対照表、損益計算書)を見る

           ~~~店の経費が増えても本部は困らない??
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店舗指導員(SV)「先月は、人件費がかかりましたね。」

オーナー「そうそう、店長が病気をしちゃってね。かわりに
バイトにたくさん入ってもらったから。」

店舗指導員(SV)「病気なら仕方が無いですが、売上の低い月
でしたから利益に影響が大きかったです。」

オーナー「そうだよね、自分の収入に直撃するから大変だ。
ところで、人件費っていくらが適正なのですか?」

店舗指導員(SV)「店の売上、オーナーのシフトなどによっても
変わってきますので一概には言えませんが・・・」

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さて、経費はオーナーの収入に直結します。

では、経費は本部の収入に影響するでしょうか???

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答えは、NOです。
光熱費を一部負担しているチェーンなどはありますが、基本的に
加盟店の経費は本部の収入にはほとんど影響がありません。

もちろん、加盟店が利益を上げないと、オーナーが生活できませんから
本部にとっても重要な事ではあるのですが、本部の収入には
直接は影響しません。

なぜでしょうか??

それは、ロイヤルティ(チャージ)が売上総利益(粗利)分配制度を
とっているからです。

売上総利益は、商品売上-売上原価(≒商品仕入高と考えてください)
です。平均するとコンビニでは売上比30%程度の売上総利益が
ありますが、この数字は加盟店ごとにはほとんど変わりありません。

その売上総利益からロイヤルティ(チャージ)が引かれた後に
店でかかった経費が引かれて純利益となるのです。

ですから、各加盟店で経費がどれだけかかって赤字になっても
本部のロイヤルティ(チャージ)には影響しません。

これは、オーナーさんにとっては必ず理解しておかなければならない事です。

つまり、本部や店舗指導員(SV)にとっては、
売上はロイヤルティに直結しますが、経費はそうではないのです。

オーナーさんが良く理解しておかなくてはいけないのは、
キャンペーンなどがあったとき、やはり一時的に売上は伸びると思いますが
本当に、それが利益に貢献しているかという事です。

売上が伸びて一緒に廃棄も同額増えていたとしたら・・・

本部に払うロイヤリティ(チャージ)は増え、廃棄(経費)も増えの
2重パンチです。

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例で考えて見ましょう。
日販50万の店で月の廃棄(原価)が50万としましょう。
売上総利益は30%、ロイヤリティも30%とします。

1月当たりの損益計算書は次のようになります。

売上       15,000(千円)
売上総利益     4,500
ロイヤルティ   △1,350
差引き利益     3,150
商品廃棄       △500
その他の経費   △2,500
純利益         150

経費は仮定ですが、月に15万円の利益が出ました。

ところが、キャンペーンにより、売上が月15万円(1日5,000円)伸び、
廃棄が5万円(1日1,500円)増えたとしましょう。

売上       15,150(千円)
売上総利益     4,545
ロイヤルティ   △1,364
差引き利益     3,181
商品廃棄       △550
その他の経費   △2,500
純利益         131

売上は増えましたし、本部の収入も増えましたがオーナーさんの
利益は減りました(13万円)。

では、キャンペーンをやらなかったほうが良かったのでしょうか。
それは、やったほうが良かったのだと思います。

売上が上がったということは、お客様が、当店の商品を選んで買ってくれた
という事です。当店だけ、キャンペーンに取り組まなければ、
CM(広告)を見て来店してくださるお客様を裏切る事になります。

本部も、当然キャンペーンをやるという事は別に広告宣伝費、開発費
などがかかっているのです。

また、キャンペーンの重要性については、以前に客数戦略の大切さの
ところで、書きました。

では、オーナーさんは経営者として、何に気をつけるべきなのでしょう。

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上記の例の廃棄が増加して、利益が減った分はいわばオーナーさんが、
店のために広告宣伝費を支払ったようなものです。
実際に、利益が減っているわけですから・・・

ですから、毎回のキャンペーンごとに、売上を伸ばす以上に
付加価値をつけていくのです。
広告宣伝費を自分で払っているのならば、その分成果を得ないと無駄になって
しまいます。

例えば、「今回のキャンペーンでは従業員みんなで盛り上げる事により、接客
などのオペレーションも改善した」
とか「おにぎりのキャンペーンをやることによる、パンの売上との相関関係が
今回のキャンペーンでわかった」
などなど。

つまり、キャンペーンなどの取り組みは、固定客のお客様に何度も店に
きていただくために不可欠なのですから、そのキャンペーンを利用して、
店のレベルアップをしてしまう事が一番効率的です。

せっかく、ある程度のリスクを犯して発注量を増やしているのですから
その検証は真剣に行ってください。

なぜこの日は売れなかったのか?
なぜこのアイテムだけ一番初めに無くなったのか?

もちろん、売上だけ伸びて、「よかったよかった」といっている
店舗指導員(SV)がいたら、猛抗議してください。
そして、上記の例のように
「うちは経費を払ってキャンペーンに参加したんだ」
といってやってください。

最終目標は、固定客を増やして、
継続して利益を出していける事なのですから、その本質を
見失わないようにすることが経営者として必要な事だと思います。


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  超個人的!コンビニ日記
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今日、行った店は店長らしいお姉さんが入っていました。

「いらっしゃいませ」とマニュアルっぽいあいさつ。

ちょっと、疲れてるのかなぁという感じ。

ところが・・・

「お疲れ様でーーす!!!」というさっきとは比べられないくらい
明るい声で、配送のドライバーに挨拶してました。

ドライバーは若いイケメンだからか??

と思わずにはいられない私でした。
お客とはひがみっぽいものだと思います。

それを満足させるのは難しいですが、それをできる店が
生き残るんですよね。


2 コメント

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Unknown (たけ)
2005-11-24 03:03:26
初めまして。おもしろいブログですね。足あとの残します。よろしくお願いします^^
ありがとうございます! (モコ彦)
2005-11-24 03:19:07
ありがとうございます。

週1ペースですがこれからもがんばって書いていきますね。

こちらこそ、よろしくお願いします!