『Clover Day's』 感想

ご無沙汰しております。
感想をまとめにくいやり込みゲーばかりやっていたので、しばらく書き込んでいませんでした。

『Clover Day's』　Alcot
10年以上前から安定した人気を誇るAlcot。
第一作の『Clover Heart's』の10年後の世界が舞台となっています。
今月にVita版が発売予定。
シナリオに関してはアンチにあたるので、それでも宜しければご閲覧ください。


・シナリオ　３０～４０点
6人のヒロイン＋主人公＋男友達の虎吉、の8人が10年前からの幼馴染。
ヒロイン6人とも、10年前から主人公が好き。主人公もそれを（ほとんど）知っています。
…これがもう既に凄まじい。6人のうち、2人は妹だし。

ある富豪（養父）が養護施設にいた主人公を引き取り、後継ぎにまで据えてくれ、
娘2人（これがヒロインの妹2人）を「自分は家にあまりいないから頼む」と委ねてくれます。
で、兄妹として暮らして10年以上経った本編。主人公は初っ端から妹達に欲情しています。
この時点でもう「なぜ？」と問い質したいところですが、
当然のように妹を攻略し、家でもセックス、学校でもセックス、
幼馴染みんなで遊びに行った遊園地の観覧車の中でもシックスナイン→セックス→中出しまで完遂。
兄妹で付き合って、かつ生徒会役員に立候補し選挙期間真っ最中だというのに、
学校の図書室でセックス→校門でキス、をばっちり写真に撮られます。
それを公表され、養父達に「別々の学校へ転入したらどうか」と勧められるも
「俺達は逃げたくない！！」と絶叫してそのまま学校に留まります。

えーと…図書室も校門もみんなのものなので、学内者に写真を撮られてもしょうがないし、
いっちゃなんだが養子の立場で大事なお嬢様（妹）をコマしてそんな目に遭わせて、
申し訳ないという気持ちはないのか。せめて「別々の学校に」という話くらい素直に従おうよ。
家を放り出されるとか夢にも思ってない主人公のゆとりっぷりに呆然。

双子のヒロイン2人を2人いっぺんに攻略し、永久に3Pし続けて生きていく道を選んだ時も
「坊ちゃまは普通の男性より器が大きいのですね」と称賛されて肯定されまくります。
まあ…とにかく、主人公に都合の悪いことは起きない世界です。

他、20代女教師の一人称が「おじさん」
（「おじさんはねー」「おじさんに任せなさい！」）だったり、
血の繋がらない兄弟姉妹婚は法的に問題ないことになっていたり、
一般常識から外れる場面が多く、シナリオに入り込めませんでした。

ルートに入ってからのヒロインは非常に可愛く、特に杏鈴のキャラ人気が高いのには納得。
途中まで苦手意識を持っていたヒカルもデレてからはすごく可愛かった。
彼女たちの可愛さにもっと集中させてほしかった…。


・グラフィック　７０～８０点
画力が高いとは言えませんが、ほんわかして可愛いらしい絵柄です。
一枚絵よりも、くるくるとよく変化する立ち絵が良かった。

制服がちょっとダサいかなーとは思いますが、
10年前のをそのまま使用しているせいなので、これは仕方ないかと。

背景画も美麗なものが多数用意されており、情感を高めてくれます。

全体的に高水準で、文句ありません。


・音声　８５～９５点
ほぼトップレベルといっていい完成度だと思います。
CVはばっちりだし、BGMもボーカル曲も素晴らしい。

特に杏鈴役の桐谷華さんがさすがの演技。
21世紀にもなってこんなテンプレロリ妹を…というあざとい杏鈴のセリフを、
嫌みなく、ものすごーく可愛く聴かせてくださいます。

ボーカル曲3曲がどれも美しい。
それぞれの√に入る際に『Clover Heart's』のリメイクver.が
挿入歌としてPVとともに流れるのですが、このイントロがまた良い。期待感を煽ります。

サントラは完売しプレミアがついていますが、公式HPから辿ってDL購入することができます。
アルバムまとめて2,000円でも買えるし、一曲一曲ピックアップもできる。
ここまでしてくれるブランドはそうそうないんじゃないかと思います。


・システム　８５～９５点
満点といっても過言ではありません。

細かく設定できて快適であり、かつ、そこここがお洒落で作りが丁寧。
スタート画面の背景やBGMが少しずつ変化するのも楽しい。

バックログで音声再生・その場面へ戻る、のどちらも選択できるのもいいですね。


総評
萌えゲーらしいといえば萌えゲーらしい…。
脳内の常識スイッチを任意でオンオフできるなら、楽しめるかと…。
私はそれができないので、どうにも受け付けませんでした。

しかし、シナリオ以外は非常に高水準。
レベルが高いだけでなく、丁寧で親切、誠実な仕事ぶりだと感じました。
シナリオさえ良いものを持ってきたら、本当に大化けしそうだなあAlcot。
んなこといってもそこが一番難しいわけですが、できれば頑張ってほしいです。