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『ピエタ ~幸せの青い鳥~』感想

2010-10-17 23:37:36 | エロゲ感想@えむあい
昨日は12時間も遊び呆けてしまった。
しかし、2時間ダーツに興じただけで筋肉痛を発するこの二の腕…
普段どんだけ運動してないんだという…。

『ピエタ ~幸せの青い鳥~』 (FlyingShine黒)

何度打っても「あおいとり」を「蒼い鳥」と変換する私のPCよ、今回は嫁とは関係ないんだ
先日、比較的安価で購入できたマイナーソフトです。ここ数日間でコンプしました。
本当はマジ恋の感想を先に書かなければならないところですが、
ちょっと今回は順番を入れ替えようかと。
あれは思いを廻らせるだけでキツいので、もう少し余裕ができたら投稿します。
さてこのピエタ、
「シナリオ:石埜三千穂、原画:長岡建蔵、BGM:さっぽろももこ」のさよ教チーム制作。
前から目をつけてはいたんですが…
これをプレイし始めたら例のDL販売情報が飛び込んだので、驚きました。
これも何かの縁ですかね。


・シナリオ 60~70点
舞台は昭和初期の日本。宣教師の親を亡くした姉妹が、庄屋へ奉公に上がるところからスタート。
この、エロゲとしては異端な背景と、童話を思わせる三人称が、
非常に独特の雰囲気を醸し出してくれます。

無邪気で甘えん坊の妹「愛」は他のゲームでも散見できる系統のキャラですが、
あまりに敬虔であまりに自己犠牲精神が強い、美しくも痛々しい姉「律」、
横溝テイストな境遇で揉まれ、コンプレックスと孤独に喘ぐ令嬢「唯」、
この二人はそれぞれがオンリーワンのヒロインといっても過言ではないでしょう。
特に、終盤の主役を担う唯の内面描写が生々しく、かついじらしい。

登場時、彼女のルートはおまけ程度に考えていましたが、とんでもないですね。
体が弱くまともに歩行できず、事故によって大きな傷跡があり、異母兄とは特殊な関係にある。
そんな唯にどんどん感情移入してしまい、どうしても後半は栗栖川姉妹が霞んでいた印象です。
姉妹に対する「悪意が全くないなんておかしい」という悲痛な叫びも、
ユーザーに近しい感覚だと思います。
だからこそ、ラストルートの終盤、
律が「唯ちゃん」と呼んでくれたシーンは目頭が熱くなりました。
逆に、あそこにカタルシスを感じられないと
「ただ単にかわいそうな話」で終わってしまうかもしれません。
私としては美しい終わり方だと思っていますが、
バッドエンドとして捉える方も多くいるはずです。

ただしとにかく、シナリオが短い。
なおかつ4ルートとも殆ど内容は同じであり、視点を変えて語られているだけ。
これでフルプライスはないんじゃないかと。この点についてはとても擁護できません。
確かにこれ以上掘り下げようとしたら唯ルートばかりが長くなり、
ますます姉妹の影が薄くなるでしょう。
長くするばかりが良いとも思いませんが、それならミドルプライスで発売すべきだったのでは。
また、語りそびれましたが、Hシーンも尺が短く薄味です。


・グラフィック 70~80点
さすがの長岡氏です。
独特の味を残しつつ、『さよならを教えて』よりも洗練されて受け入れ易い絵柄に。
時代背景を活かしながらも美しいキャラデザに痺れました。
ヒロイン勢と男性の書き分けがきちんと成されているあたりも素晴らしいです。
権蔵、すげえキモいです。

それにしても、立ち絵の顔を変えないのは拘りなんでしょうか…。
さよ教と同じく、カットインで表情の変化を演出し、立ち絵自体は何があってもそのまま。
こんな感じです。
以前は好きになれなかったのですが、
今回はカットインの絵が非常に綺麗なので有りかな、と。
ただ、この絵と一枚絵の塗りが掛け離れていて、違和感が拭えません…。
どっちかになりませんか…。


・音声 35~45点
男性陣、一言も喋りません。
安価なソフトにはありがちですが、これフルプライスなんですよしつこいですけども。
特に、考えている事が掴みにくい曲者、唯の異母兄である猛には是非CVをつけてほしかった。
こいつの気持ち悪さ、業の深さが更に演出できれば、作品そのものにより深みが加わったのでは。

もう一つ不満を挙げるなら、律のCVが少し淡々とし過ぎていたような。
声質は清楚で美しく文句ないのですが、
せっかくこういう作品なので、もう少し懊悩ぶりを表現してほしかった。

やはり唯が一番よかったですね。
使用人に対してはサディスティックでもあり、また寂しがりでもある。
そのあたりをきちんと緩急をつけて演じきっていらしたと思います。
そして、まあ、公式HPの「インタビュー」コンテンツは聞かない方がいいかと…。
プレイ前もプレイ後も。
この御三方の不機嫌っぷりはなんなのでしょうか・・・。どういう録り方したんだこれ・・・。


・システム 40~50点
CVが作動しない、ムービーが流れないなどの問題が多々あり、パッチ必須。
一周目をパッチなしでプレイしてしまいました。脇役の立ち絵まで消えていたのか、販売分…。
2004年の作品なので、
当時の情報を集める事は困難なのですが…製作期間が短かったのでしょうか?
ただでさえ割高なソフトなのだから、
70MB以上のパッチが必要な状態で発売しないでください…。

また、スキップも選択肢後で止まったり止まらなかったりと不安定。
終盤に至っても共通部分が多いので、スキップだけは快適に使わせてほしかったです。


総評
唯一無二の、昭和初期3少女懊悩ゲーム。
『さよならを教えて』のチームだ!ということで、叙述トリック(?)的なものや、狂気描写、
過激なお仕置きプレイ、などを期待してプレイすると確実に裏切られます。
鋭く生々しい人物描写は健在ですし、物語はあるべきところへ美しく帰結しますが、
エロくない・シナリオ短い・男性CVなし・パッチ必須の四重苦でフルプライスじゃ
批判されても仕方がない。

というか、むしろこれこそDL販売されるべきなのでは。
さよ教がDL販売されれば、このソフトに興味を持つ方も出てくるでしょうし。
2k~3kで、誤解せず購入すれば十分に愉しめる、人によっては殿堂入りする作品だと思います。
販売数がそもそも少ないので、ネット上では定価どころかプレミアがついてたりしますが、
さすがにその額での入手はお奨めできません。
中古販売店で4k以下のものを探すか、DL販売を待ちましょう。

それにしてもやはりこのチームの作品はいいですね。『ピエタ』も個人的に永久保存版です。
石埜先生、お願いですから何か書いてください。
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