『ソルフェージュ』 工画堂スタジオ
『リトルウィッチ・パルフェ』で有名な老舗、工画堂スタジオ。
全年齢向けの、百合で、なおかつPCゲーム。
異色なようですが、工画堂スタジオは割といつもこう。
・シナリオ 20~30点
百合なので、もちろん舞台はお嬢様学校。
「チューター」という、
『マリア様がみてる』でいうところのスールみたいな制度も存在します。
主人公の「かぐら」は再従姉妹である「すくね」様を昔から慕っており、
中学校時代は例のチューターの位置にいた。
親の都合で3年間留学し、高校入学と共に学苑へ戻ってきたものの、
生徒会長となったすくねはかぐらのことをよく覚えていないようで…、というのがあらすじ。
まあ公式HPその他を見てればすぐわかることなのでネタバレしますが、
3年の間にすくねがストレスによって記憶障害&人格分裂を起こし、
かぐらとの思い出を忘れたうえに、裏人格でストリートミュージシャンまでしていたわけです。
この事実を知ってかぐらは衝撃を受けますが、
…えっ、じゃあ君らは3年間、なんも連絡取り合ってなかったの!?
ライターがどう受け止めているか不明ですが、中高生の3年間ってものすごく大きいですよ。
3年間電話もせず、突然現れて
「すくね様が昔みたいに優しくしてくれない~」って泣いてたのか!?
記憶喪失でなくても、3年音信不通だったらそら態度も変わるでしょう。
生徒会長になったんだし。
裏人格のすくねとも何度もセッションし、悩みを相談しても、
かぐらは彼女の正体にまったく気付かない。
いや、そりゃいつもと違う髪形だけど、逆に言えば髪形が違うだけで顔そのまんまだよ?
マスクも眼鏡もしてないんだぞ。む、無理があるだろ…。
こういう無茶が次から次へと降ってくるので、頭の中がツッコミで疲労します。
イチャらぶ系であれば多少ご都合主義でもいいかな、とはエロゲでも思うものですが、
ヒロイン(すくね) → 知らないと言ってるものを延々聞かれるので不快そう
主人公(かぐら) → だって、だってぇ、ふぇぇ、そんなぁ、ふぇぇ…
という繰り返しになっており、どちらにも好感を抱きにくく、かつ楽しくない。
つうか、この主人公、すんっごい泣くんだこれが…
序盤の「すくね様が自分に対して他人行儀」なだけで本人目の前にして涙ながらに走り去っちゃう。
高校生にもなってなんだその精神薄弱っぷりは。
ルートによっては、すくねがいつまで経っても自分のことを思い出してくれないため、
「こんなんじゃ学苑に戻った意味がない、お父様に頼んでまた転校させてもらおうかな」
とか言い出す始末。
なんというか…ライターとしては、少女漫画の主人公に寄せたつもりなのかな?
感情移入どころではありませんでした。
メインのすくね、親友のちほ、先輩のまりの3人が攻略対象となっており、
すくねルートは↑で述べた通り。
ちほルートは…親友とコンサートのためのパートナーになり、
喧嘩して、仲直りして、という話。
親友のままなので、同性愛というカラーも薄めです。
まりルートがこの中では一番良かった。
といっても、単にツンデレを懐柔するだけのよくある話ですが、
ツンデレ攻略ってそれだけで起承転結になるからすごい。
・グラフィック 60~70点
柔らかく美麗な原画が見事。
キャラのほとんどを黒髪~茶髪で仕上げているにも関わらず、きちんと書き分けされています。
シナリオが短い割りに、一枚絵が多いのも素晴らしい。
ただ、そのかわりというか、立ち絵が少ない。表情が足りないと思います。
背景が非常に安っぽい(フリー素材レベル)のが残念。
お嬢様学校なら、どどんと華麗な背景を豊富に用意して欲しいものです。
・音声 60~70点
優しい大人のお姉さま・・・たかはし智秋
黒髪ロングのツンデレストイック・・・今井麻美
…という、一部のオタクを狙ってきているようなキャスティング。
2007年に発売されたことを考えると、実際にはそうではないのでしょうが…。
ともかく! 個人的には大変萌えさせていただきました。
かぐらを引き取るお婆さま、この方の演技がいまいちなのだけが残念。
PCゲーム業界には元々、老爺老婆をこなせる方が慢性的に不足しているらしく、
よくあることではあるのですが、明らかに若い女性が無理矢理ババア演技をしてらっしゃいます。
通行人Aとかならともかく、けっこうよく喋るキャラなので、できれば頑張ってほしかった。
かぐら役の榊原ゆいさんが歌うボーカル曲、これが複数用意されているのは良かった。
ただBGMが少ない…。
・システム 5点
こんなの2007年のゲームじゃない…
ウィンドウちっさ!!
まず、2003年9月発売の『天使のいない12月』がこちら。
2007年12月に発売された『ソルフェージュ』の画面を上に重ねてみるとこう。
劇的に退化しているのが一目瞭然です。
ちなみに天いなはフルスクリーンにすることも可能ですが、ソルフェージュはこれが最大サイズ。
まあ違うメーカーで比べてやるなという話なのかもしれませんが、
4年3ヵ月も前のゲームにこんだけ負けててどうする。
そして、ただでさえ小さい画面の中、
約三分の一をメッセージウィンドウで覆ってしまうのか…。
ウィンドウを一瞬消してキャラを見ようとするも、この操作も面倒な処理になっているし…。
ミュージカルのように「セッションしよう!」となった際に
ユーザーがキーを操作して演奏ゲームを行うパートがあるのですが、
これを挟むと当然のようにスキップが止まります。
全体として、コンフィグで自由にできる箇所が少ない。
非常に窮屈に感じます。
総評
これが…百合クソゲーというものなのだろうか…
百合ゲーっていうだけで希少だし、
ある程度は許容範囲を広げて迎えたつもりなのですが、これはさすがに擁護できない。
原画師も声優も好きで買ったユーザーをここまで絶望させるとは…やるな…。
2009年に完全版も発売されており、
「こっちをやってから評価して!」と一生懸命庇っているファンの方には申し訳ないのですが、
2007年に製品版として仕上げて、
この内容を差し出して「税抜9,000円ちょうだい」と言っている以上、
この無印だけで9,000円分楽しませてくれないと…。
すごく期待して始めたので、非常に残念です。
やっぱり主人公って大事ですね。
『リトルウィッチ・パルフェ』で有名な老舗、工画堂スタジオ。
全年齢向けの、百合で、なおかつPCゲーム。
異色なようですが、工画堂スタジオは割といつもこう。
・シナリオ 20~30点
百合なので、もちろん舞台はお嬢様学校。
「チューター」という、
『マリア様がみてる』でいうところのスールみたいな制度も存在します。
主人公の「かぐら」は再従姉妹である「すくね」様を昔から慕っており、
中学校時代は例のチューターの位置にいた。
親の都合で3年間留学し、高校入学と共に学苑へ戻ってきたものの、
生徒会長となったすくねはかぐらのことをよく覚えていないようで…、というのがあらすじ。
まあ公式HPその他を見てればすぐわかることなのでネタバレしますが、
3年の間にすくねがストレスによって記憶障害&人格分裂を起こし、
かぐらとの思い出を忘れたうえに、裏人格でストリートミュージシャンまでしていたわけです。
この事実を知ってかぐらは衝撃を受けますが、
…えっ、じゃあ君らは3年間、なんも連絡取り合ってなかったの!?
ライターがどう受け止めているか不明ですが、中高生の3年間ってものすごく大きいですよ。
3年間電話もせず、突然現れて
「すくね様が昔みたいに優しくしてくれない~」って泣いてたのか!?
記憶喪失でなくても、3年音信不通だったらそら態度も変わるでしょう。
生徒会長になったんだし。
裏人格のすくねとも何度もセッションし、悩みを相談しても、
かぐらは彼女の正体にまったく気付かない。
いや、そりゃいつもと違う髪形だけど、逆に言えば髪形が違うだけで顔そのまんまだよ?
マスクも眼鏡もしてないんだぞ。む、無理があるだろ…。
こういう無茶が次から次へと降ってくるので、頭の中がツッコミで疲労します。
イチャらぶ系であれば多少ご都合主義でもいいかな、とはエロゲでも思うものですが、
ヒロイン(すくね) → 知らないと言ってるものを延々聞かれるので不快そう
主人公(かぐら) → だって、だってぇ、ふぇぇ、そんなぁ、ふぇぇ…
という繰り返しになっており、どちらにも好感を抱きにくく、かつ楽しくない。
つうか、この主人公、すんっごい泣くんだこれが…
序盤の「すくね様が自分に対して他人行儀」なだけで本人目の前にして涙ながらに走り去っちゃう。
高校生にもなってなんだその精神薄弱っぷりは。
ルートによっては、すくねがいつまで経っても自分のことを思い出してくれないため、
「こんなんじゃ学苑に戻った意味がない、お父様に頼んでまた転校させてもらおうかな」
とか言い出す始末。
なんというか…ライターとしては、少女漫画の主人公に寄せたつもりなのかな?
感情移入どころではありませんでした。
メインのすくね、親友のちほ、先輩のまりの3人が攻略対象となっており、
すくねルートは↑で述べた通り。
ちほルートは…親友とコンサートのためのパートナーになり、
喧嘩して、仲直りして、という話。
親友のままなので、同性愛というカラーも薄めです。
まりルートがこの中では一番良かった。
といっても、単にツンデレを懐柔するだけのよくある話ですが、
ツンデレ攻略ってそれだけで起承転結になるからすごい。
・グラフィック 60~70点
柔らかく美麗な原画が見事。
キャラのほとんどを黒髪~茶髪で仕上げているにも関わらず、きちんと書き分けされています。
シナリオが短い割りに、一枚絵が多いのも素晴らしい。
ただ、そのかわりというか、立ち絵が少ない。表情が足りないと思います。
背景が非常に安っぽい(フリー素材レベル)のが残念。
お嬢様学校なら、どどんと華麗な背景を豊富に用意して欲しいものです。
・音声 60~70点
優しい大人のお姉さま・・・たかはし智秋
黒髪ロングのツンデレストイック・・・今井麻美
…という、一部のオタクを狙ってきているようなキャスティング。
2007年に発売されたことを考えると、実際にはそうではないのでしょうが…。
ともかく! 個人的には大変萌えさせていただきました。
かぐらを引き取るお婆さま、この方の演技がいまいちなのだけが残念。
PCゲーム業界には元々、老爺老婆をこなせる方が慢性的に不足しているらしく、
よくあることではあるのですが、明らかに若い女性が無理矢理ババア演技をしてらっしゃいます。
通行人Aとかならともかく、けっこうよく喋るキャラなので、できれば頑張ってほしかった。
かぐら役の榊原ゆいさんが歌うボーカル曲、これが複数用意されているのは良かった。
ただBGMが少ない…。
・システム 5点
こんなの2007年のゲームじゃない…
ウィンドウちっさ!!
まず、2003年9月発売の『天使のいない12月』がこちら。
2007年12月に発売された『ソルフェージュ』の画面を上に重ねてみるとこう。
劇的に退化しているのが一目瞭然です。
ちなみに天いなはフルスクリーンにすることも可能ですが、ソルフェージュはこれが最大サイズ。
まあ違うメーカーで比べてやるなという話なのかもしれませんが、
4年3ヵ月も前のゲームにこんだけ負けててどうする。
そして、ただでさえ小さい画面の中、
約三分の一をメッセージウィンドウで覆ってしまうのか…。
ウィンドウを一瞬消してキャラを見ようとするも、この操作も面倒な処理になっているし…。
ミュージカルのように「セッションしよう!」となった際に
ユーザーがキーを操作して演奏ゲームを行うパートがあるのですが、
これを挟むと当然のようにスキップが止まります。
全体として、コンフィグで自由にできる箇所が少ない。
非常に窮屈に感じます。
総評
これが…百合クソゲーというものなのだろうか…
百合ゲーっていうだけで希少だし、
ある程度は許容範囲を広げて迎えたつもりなのですが、これはさすがに擁護できない。
原画師も声優も好きで買ったユーザーをここまで絶望させるとは…やるな…。
2009年に完全版も発売されており、
「こっちをやってから評価して!」と一生懸命庇っているファンの方には申し訳ないのですが、
2007年に製品版として仕上げて、
この内容を差し出して「税抜9,000円ちょうだい」と言っている以上、
この無印だけで9,000円分楽しませてくれないと…。
すごく期待して始めたので、非常に残念です。
やっぱり主人公って大事ですね。
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