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『殻ノ少女』 感想

2011-02-11 22:22:23 | エロゲ感想@えむあい
雪ですね。うん、だから一日中おんもに出なかったとしても仕方ないと思うんだ…。
本日は一応予定があったのですが、こんな天気なのでキャンセルに。
というわけで気が狂うほど眠り、起床時間は15時でした。正直どうかしてると自分でも思う。
このままではなんの実りもなく一日が終わってしまうので、この感想だけでもと。


『殻ノ少女』 (innocentgrey)
ジャンルは「サイコミステリィAVG」とのこと。
いわゆる探偵物で、マウスを操作して証拠を探したり、推理したり、と
ユーザーをきっちり参加させるタイプ。
ぶっちゃけ私にとってはハズレだったので、アンチ気味の感想になります。
また、どうしてもラストに物申したいので、今回はネタバレ有りです。
すみませんがご了承ください。


・シナリオ 30~40点
さんざん推理・捜査パートに付き合わされた割に、明かされる真実は論理性・合理性に欠けます。
まず、この一点がどうしても不満です。
ユーザーを参加させ、推理させようとするならば、
必要な材料の9割は提示して欲しいし、納得させて欲しい。
エロゲだからと合理を捨てるのであれば、無駄に操作させないでほしいし、外連味が欲しい。
動機もアリバイもまともに説明する気がないなら、
思い切って身内の紫が黒幕(もしくは加担)でもいい。

「こいつっぽいな、でもそれじゃいくら何でもそのままだし…」
という顔のキャラがそのまま犯人という。
もともとアリバイなんて調べないし、殺害方法も見たまんまだし、
動機も「魅入られたから」。
捜査パートで「何故こんなことを…」と言っていた猟奇的行動について、
「キチ○イだから」で済ますのは勘弁してくれませんか…。
いや、そりゃそうなんだろうけどさぁ…。

これ、某同人ゲームの「神様だから」「時間がループしてたから」に近いものを感じるなあ。
そしてそのキチ○イが一人じゃないんですな。
(理解可能な)理由なく猟奇行為に走る狂人が複数いるため、最後までポカーン状態。
乱歩や涙香のファンであることは端々から伺え、
同士としてはニヤリとできる箇所も多かったのですが、
この大作家たちの上辺だけを掬い取ってしまった印象です。
乱歩の『孤島の鬼』など、犯人は間違いなくキチ○イですが、
きちんと読者にその理由が伝わりますからね。

そして、キャラ達が辿り着くラスト。
主人公はそれまでも行動理由が理解不能でしたが、事ここに至っては怒りすら覚えました。
四肢を失った状態で猟奇殺人犯に攫われたメインヒロインを、
どうして探してやらないのでしょうか。
警察が捜索を打ち切るのは仕方ありませんが、
どうして、何度も情を交わした主人公までも彼女を見捨ててしまうのか。
いや、公園で「またいつかどこかで会えたらいいネ!」とか言ってる場合ではなく。
生存は絶望的だとしても、せめて遺体だけでも取り戻してやりたいとは思わないのか。
アレな犯人なんだから、死んでさえも慰み物にされてるかもしれないのに。(そういう描写もある)

まあ要は、事故前に冬子が描いた絵をラストに見て、
「殻を破って飛び立ったんだな」としたいためなんでしょう。
だから、死体が発見されるよりは行方不明のままの方が美しい、と。
TrueENDはそんな感じでしたね。
しかし、その「飛び立つ鳥の絵」を描いたのは彼女が健康体の時であって、
事故で四肢を失い、かつ犯人に攫われた後の冬子の心をその絵に映し出すのは無理があるのでは。

絵が表示されるのがラストなので、
何となく上手いことまとまったような気がしてしまいがちですが、冷静に考えると
「元気だった時に鳥の絵を描いてたので、殺人犯に攫われたけど探さなくてもいいよネ」
という結末。
冬子は主人公をあんなに慕っていたのに、と思うと不憫でなりません。

楽しめた点としては、やはり独特な雰囲気と、そして緊張感。
本当に容赦なくヒロインが死んでいくので、
誰かが行方不明になる度に「あああ死ぬ死ぬ、絶対死んでる!!」。
そして本当に死んでる。これは良かったです。


・グラフィック 85~95点
いわゆる萌え系とは一線を画した個性派で、画力も抜群。
塗りも艶やかで美しく、一枚一枚の仕上がりには文句のつけようがありません。

損壊された死体の描写がもう少しキツめでもいい気がしますが、苦手な方もいるでしょうしね。

エロ絵も素晴らしい。その分、シナリオのアレさが悔やまれます。
不満を挙げるなら、ヒロインの立ち絵がやや少ない。
キャラの総人数が多いので難しいところでしょうが。


・音声 100点
主題歌、BGM、CV、全て完璧以上のクオリティです。素晴らしい。
霜月はるかさんの『瑠璃の鳥』は以前から知っていましたが、非常に印象的で美しい曲ですね。

BGMはそれこそサントラを新品購入してしまったほどに良曲揃いで、
美少女ゲームアワード2008で金賞を獲得したのも大きく頷けます。

CVも男性キャラや脇役キャラを含めて手抜きなく、スタッフの誠意を感じました。
特に冬子の声がよかったです。
登場時は少年のような口調もあって「不思議ちゃんか?」と苦手意識を持ってしまいましたが、
あじ秋刀魚さんの透明な声質が癖になり、どんどんハマっていきました。
ぜひ、もっと色々なブランドでお仕事してほしいものです。


・システム 60~70点
とにかく捜査・移動・推理パートがめんどくさかった。
ただ、これも、シナリオが上記の操作に連動していれば文句なかったので、
システム担当のスタッフを責めるつもりはありません。

むしろ、これだけのキャラ数でこれだけのシステムを構築するのはさぞかし大変だったでしょう。

オプションも細かく設定でき、丁寧な仕事だとは思うものの、気になるところが一点。
キャラ毎にCVの音量を設定するようになっていますが、
キャラの本名が出るまで変更できないため、
終盤になってもここをいじり続けなければなりません。これはさすがに落ち着かない。
メインのキャラ以外は「その他」括りでよかったと思います。


総評
ちょっとグロくて美しい雰囲気を味わおうゲー。
ミステリではありませんので、とにかくそこだけは注意。雰囲気だけで満足できる方向け。

シナリオ以外は本当に素晴らしいので、是非御贔屓にさせて頂きたいブランドなのですが…。
どうにも、ライターに何かが憑かないと無理ですね。
正直、Hシーンの酷さだけではなく、根本的なところで合わないようなので…。

また、この作品に限ったことではないですが、
「本筋には関係ないけど赤ん坊が生まれたのでなんとなくハッピーエンドです
 (勿論死んだキャラの名前をつけます)」

は苦手だ、と痛感した次第です。結構期待してプレイしただけに、正直残念な結果でした。
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