映画を観た～劔岳点の記～

2009年07月14日 17時12分51秒 | 映画

誰かが行かねば、
道はできない。

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ストーリー＆解説：明治40年、地図の測量手として、実績を上げていた柴崎芳太郎は、突然、陸軍参謀本部から呼び出される。「日本地図最後の空白地点、劔岳の頂点を目指せ」―当時、ほとんどの山は陸地測量部によって初登頂されてきたが、未だに登頂されていないのは劔岳だけだった。柴崎らは山の案内人、宇治長次郎や助手の生田信らと頂への登り口を探す。その頃、創立間もない日本山岳会の会員も剱岳の登頂を計画していた。

測量に携わる人たちの情熱と尊厳を描いた、新田次郎の同名小説が原作。『八甲田山』『火宅の人』などの撮影を手掛けた日本映画界を代表する名カメラマン・木村大作が、50年の映画人生全てをかけて監督・撮影に取り組んだ。日本地図を完成させるために、未踏峰の劔岳山頂を目指す測量手と山の案内人をそれぞれ浅野忠信と香川照之が演じるほか、松田龍平、仲村トオル、役所広司など名だたる俳優たちが集結。CGに頼らない本物の大自然を撮影することにこだわり、危険を冒しながら圧巻の雪山シーンにも挑んだ。出演者が異口同音に「今までで一番つらい撮影だった」と語る妥協を許さない過酷な撮影を想像しながら、その映像美に酔いしれたい。(goo映画)

【五つ星評価……

】

もう一度観たいか？と質問されたら、首を傾げてしまいます。

でも、時間が立てばまた観たくなってくるでしょう。

そんな映画でしたね。

それほど大きな盛り上がりは正直ありませんが、色々と熱が入った作品であることは分かりました。

とにかく本物にこだわった映像が素晴らしいです。

本編でも言っていましたが、本当の美しさは厳しさの中にしか存在しないのですね。

だって、名称からして厳しさが伝わってきますよね。

『劔岳（つるぎだけ）』ですもん。

ドコモダケとは訳が違いますよ。

中学生の時とか、怖い名前の先輩とかに近寄りたくなかったでしょ？

僕が中学生の時も『鬼塚』という先輩がいて、名前聞いただけで一生近寄りたくないと思いましたからね。

ただ、鬼塚先輩に美しさは無かったような気がしましたが。

山だって一緒でしょ。

こんな得体の知れない字画の多い攻撃的な名前の山に誰が近寄るんだ！？って話です。

劔岳先輩には近づきたくないです。

でも、そこに行く人達がいるんですよ。

日本地図完成の為に軍の命令で登る者、純粋に前人未到の頂に挑む者、様々な想いを胸に抱きながら、たった一つの頂上を目指す。

そこにドラマが無い訳がない。

しかし、この映画は残念ながらそのドラマ部分が薄い気がしました。

ところどころ演出もショボイ箇所がありましたし…。

険しい険しいと言いながら、結局はあっさり登っちゃっていたじゃないですか。

どこがどれだけ難所なのか、イマイチ伝わるのもがなかったような気がします。

劔岳自体は非常に険しい山だと映像から伝わってきましたが、細かいところが分かりにくい…。

ただ、明治４０年の初登頂で、その頂上から奈良時代後半から平安時代初期の錆び付いた鉄剣と銅製の錫杖、それから古い焚き火の跡が発見され、千年以上前に修験者が制覇していたという史実が凄いですよね。

なんか計り知れない浪漫を感じてしまいます。

キャストの皆さんは、もう演技派揃いなので言う事はないですよ。全員素晴らしかったです。

香川照之は何やっても心に響く演技を見せてくれるし、浅野忠信も現在『ガキの使いやあらへんで』のバス釣り選手権に出演中なので、色々と面白く演技を観ることができました。この人はこの普通っぽい声の質が良いですよね。

個人的には、仲村トオルと共に日本山岳会のメンバーの一人を演じていた小市慢太郎が良い味だしてたと思いましたね。

そして、男ばかりの登場人物の中で鮮やかでホッとする存在感を残した宮崎あおいにも注目。