はみだし者の呟き

着いていけませぬ、この世の中に…。だから着いていくつもりはありませぬ。一人きり、道無き道を歩みます。

大変お世話になった親方様

2017-05-17 22:58:50 | 日記
私は地元では悪評が高いです。
その昔、私はクソ真面目を絵にしたような人間でしたが、良い事も悪い事も経験を重ね、天国も地獄も行ったり来たりしていると、クソ真面目に生きることがバカバカしくなったのです。
以前の投稿にも書きましたが、"真面目"というのは自己を無くし支配され切った家畜やロボットのことです。
とかくそういう人間はカネの価値が人間の価値であると勘違いしている者が多いのも確かですし。
過去に会社を倒産させた経験を持つ私は、カネがどれほど人間をコントロールしているのかを嫌という程理解しました故、もうこの先の人生は、仕組まれた法律も常識も道徳も、受け入れることなく生きていくと決めているわけです。

さて、そんな私は今日、数年ぶりに親方の家に顔を出しました。
親方はもう70代ですが、今でも真面目を絵にしたような人間で、私はそんな親方の元で一人前の真面目人間として育てられ、独立させてもらった人なのです。

ところで、どうしてはみ出し者になった私が今でもクソ真面目な親方の所に行ったのか?
それはお別れの挨拶のためでした。
まず確信していたのは、親方は信用社会から脱落して世間から悪い噂を立てられている私のことを絶対に受け入れることは無いということでした。
残念ながら親方は不在でしたが、親方と価値観を同じくする奥様がいらっしゃいましたので、家に上がらせてもらいました。
奥様は私を見て「あら、まだ女の子やってるの?」と。
そのセリフに私は、さすがつまらない常識人間の言うことだと腹の中で笑いながらも、やはりこの人たちには私の事などわかるはずがないと感じました。
そして「まだやってるとか言うよりも、来年戸籍も女性になりますから。ふざけて女になったわけでも、こんな自分を売りにしているわけでもありません。成るべくして成っただけです。」と答えた後、それから延々と政治団体の会長さながらに啓蒙行為を続けました。
雇われていた昔は、しっかりしているあまりに怖くも感じていた奥様に対して容赦無く、です。

半ば唖然としていた奥様に、私はさようならを言って帰ったわけですが、昔なら私が訪れた後に帰ってきた親方からすぐに連絡がきたはずが、今回ばかりは連絡なし。
所詮、親方と奥様は器の小さい常識人間であることがハッキリしたところで、もう二度と会うことは無いでしょう。
さようなら、親方様。