1/2の時間 : half time

「奈良」「京都」「東京」。時代を移し、栄えた日本の都の懐かしい表情を、個性豊かな三つのハーフサイズカメラで写し取ります。

二月堂の石畳

2010-06-06 22:21:10 | OLYMPUS PEN-FT

秋深まるある朝、ふと思い立って二月堂へと向かいました。

大仏殿の北側から向かう石畳の途中、古都の趣(おもむき)がいっぱいのこのアングルで、PEN-FTのレンズを二月堂に向けました。

何枚かシャッターを切っていると、土塀越しに紅く色付いた楓の下を、紫色の袈裟を纏ったお坊さまが二人、こちらの方に下りてきました。

PENを手に降ろし、お坊さまが通り過ぎるのを待っていると、「おはようございます。」と、にこやかに挨拶をしていただきました。

もちろん僕も挨拶を返し、また朝の静けさに戻りました。

なんでもない、朝のひとときですが、それだけで十分に気持ち良くなれる。

でも、そのあたりまえこそ大切なことなのだと思うのです。

いろはのれん Vol.3

2010-05-08 23:03:45 | AUTO HALF-東京

東京 門前仲町 深川不動堂(ふかがわふどうどう)。

参道の途中にあるとあるお店ののれんです。

“いろはに…”から数えて17文字目“…くやまけふこえてあ”までが、でか文字で書かれている藍染ののれん。

やっぱり気になるのが、主役のでか文字を支える周囲の小文字。

いろはかるたになっているようですが、その意味、正直よく分かりません。

「け」。

けせうけわいわついにせず…

化粧、仮粧は遂にせず…という読み方でしょうか?

でその意味とは?

神楽坂(かぐらざか) 兵庫横丁

2010-04-25 09:13:20 | DIAL 35-東京

東京の情緒と風情を今に伝える数少ないエリアのひとつ、神楽坂(かぐらざか)。

扇状に敷き詰められ石畳が目印の兵庫横丁を、キャノンダイヤル35を持って出かけました。

赤い番傘に腰かけと毛氈(もうせん)。

まるで、映画のセットのような演出にやられて、シャッターを切りました。

ダイヤル35独特の、巻き上げ兼用グリップで構えると、なぜか気が付かないうちに指がレンズにかかってしまうのです。

この写真も、よく見れば左下に人差し指の影がチラリ。

まあ、これもひとつの思い出です。

Canon DIAL 35、RICHO AUTO HALF SE、OLYMPUS PEN FT

2010-04-18 15:09:02 | OLYMPUS PEN-FT

上からCanon DIAL 35、RICHO AUTO HALF SE、OLYMPUS PEN FT。

現在愛用しているハーフカメラ3種、勢ぞろいです。

どれも、発売から40年以上も経つカメラですが、どれを見ても実に個性的。
デザインにオリジナリティがあるというだけでなく、それぞれ魅力的なオーラがあるのです。

だからこそ愛され、大切に使われてきた現役のカメラたち。

成長軌道を上に向けひたすら走り続けていた、とっても自由な時代の空気が、いっぱいに詰まっています。


本法寺 開運猪

2010-04-10 23:05:16 | PEN-FT-京都
京都 本法寺に行くと、狛犬ならぬ狛猪(こまいのしし)に出会えます。

この“開運猪”と書かれたのがそれ。

もう片方の猪はここには写っていませんが、もちろん阿吽の対をなしています。

七頭の猪に座す摩利支天(まりしてん)を祀っていることから、狛猪として守ってもらっているそうですが、なかなか他では見られない変わり種の神獣です。

この開運猪は、PEN-FTで撮りました。

東京タワー Vol.4

2010-04-03 22:08:41 | PEN-FT-東京
ついにその高さを、東京スカイツリーに譲った東京タワー。

あとは、その倍ほどにもなる新・東京タワーの行方を見続けるだけとなりました。

地デジ移行に伴い、東京スカイツリーに電波塔の役割は譲ったとしても、昭和の面影を強く残した東京タワーの存在は、これからも変わることはありません。

朱色の鉄骨で組まれた、ノスタルジックな雰囲気の電波塔というえば、後にも先にも東京タワーしかないのです。

          蔵

2010-03-28 15:01:12 | PEN-FT-奈良

PEN-FTで蔵を撮ってみました。

土蔵の壁は、土壁に漆喰。

真っ白で目地のないフラットな壁面は、見ているだけで気持ちがいいのです。

この蔵は、古い酒屋のものを移築して展示されているもので、写真の扉は、母屋に向かった大きな扉とは反対側の、北側に備え付けられた小扉。

いわば勝手口のような存在でしたが、それでもきちんと瓦屋根と石段を備えた、立派な佇まいをしていました。

浅草寺の仲見世通り

2010-03-20 15:47:19 | AUTO HALF-東京

リコー オートハーフをポケットに忍ばせ、浅草 浅草寺へと向かう仲見世通りをぶらぶら。

雷門からてくてく歩き、左手に五重塔が見え始めるころ、通りの掛け看板を見ると、見事な富士と朝日の御来光。

「こいつはまさに、ニッポンだなぁ…」と、顔がほころんで、思わずシャッターを切りました。

町中の銭湯にいくことも近頃稀(まれ)になりましたが、富士山の絵を目にすれば、日本人なら誰もがほっこりしてしまうものです。

法隆寺 宝珠院

2010-03-13 17:09:05 | PEN-FT-奈良

法隆寺の境内を西に向いて歩いていると、突き当りに長く続く大きな土塀が見えてきます。

法隆寺の子院、宝珠院。

その土塀越しに、本殿の入母屋の屋根が見えるのですが、この、土、瓦、桧皮という天然由来で造られた日本建築の絶妙な取り合わせが、目に焼きつきました。

入母屋の優美な曲線と、水平方向に均等に並ぶ軒丸瓦のリズムが響きあい、和の時間と空間で満たされていました。

PEN-FTは、そんな穏やかな空気を理解しているかのように、しっとりとフィルムに焼き撮ってくれました。

PRADA BOUTIQUE AOYAMA(プラダ ブティック青山) Vol.2

2010-03-06 10:49:35 | DIAL 35-東京

キャノン ダイヤル35で撮った、PRADA BOUTIQUE AOYAMA(プラダ ブティック青山)のアップ。

近くでよく見れば、菱形のフレームに嵌めこまれた三種類のガラス(平面・凸型・凹型)のランダムな組み合わせがよく分かります。

この不揃い感が、全体としてみると、有機的で不思議な親近感を醸し出しているので、従来のスチールとガラスによる建築には見られない、生命体のようなイメージを感じさせます。

そして、この薄いグリーンのかかったソーダガラスの色が、冷たい印象を感じさせない要因の一つかもしれません。

ダイヤル35は、その色を更にノスタルジックな色調に仕上げて見せてくれました。