返歌の部屋

2007-11-10 19:59:15 | Weblog

022:記号(西中眞二郎)  記号めく絵文字も混えしメール来て判らぬままに少し楽しき
返歌  絵文字には笑顔を誘うキャラがあり 参加うれしい新記号なり

022:記号(オガワ瑠璃)  皿の隅トマト三個をそっと乗せそれが貴方と私の記号
返歌    トマトにも暗号利用の使途もあり 赤のいろどりかわいいからか

022:記号(佐藤紀子) 無限大の記号を高き空に描(か)き白頭鷲が旋回をする
返歌  無限大を空に描きおく心地よさ 白頭鷲は知っているらし

022:記号(ハルジオン)  太陽に愛されて咲く立葵始まる夏の記号のように
返歌  立葵通りすがりの庭に咲き 梅雨明け近きを告げておるなり

023:誰 (一人暮らしの日記) 誰にでも優しい人が悪口を言う日もあって甘い珈琲
返歌  珈琲の甘さをふっと感じる日 その優しさや君の横顔

024:バランス(青野ことり)  来し方を、またあるときは行く末を 片足立ちの鷺のバランス
返歌  草原の鷺の姿を見ておれば 羨ましかりそのバランスが

024:バランス(みずき)  降りつもる記憶の丘のささめ雪バランス崩す心に風巻(しま)く
返歌  木枯よ崩し給うなバランスを 記憶の丘の真白き雪の

返歌の部屋

2007-11-07 03:27:24 | Weblog

021:競(此花壱悟)  競売にかけるモアイの心地せん今我何処に何で居るのか
返歌  モアイ像夕陽を背にして草原に 大地を踏んで君を待つらん

021:競(此夢彼方)  詠うのは優劣競うためじゃなく想いに色を重ねたいから
返歌  重ね来し色はそれぞれ違うけど 褪せぬその色なみだを隠し 

021:競(野良ゆうき) 満月と競って走る終電に明日を乗せる余裕もなくて
返歌  歌を詠む余裕があれば満月は きっと明日をかざってくれる

021:競(田丸まひる)  選ばれず競わず咲いた花なんかどうか毟ってもらえませんか
返歌  道の端にひとつ咲いてる花なれど 悲しい人の友にもならん

021:競 (夜間飛行) いぢめゆゑ自死せし少年最強とあがめし競争馬デイープインパクト
返歌  少年の心にありし競走馬 春の陽射しを走りおるかも

021:競(あみー)  人生はトラック競技 周回遅れでもあなたと一緒に走れる
返歌  きみとなら周回遅れ走りなん ゴールはきっとあるのだからと

021:競(みゆ) 風唄にリズム合わせる秋桜 仲良く競演秋の夕暮れ
返歌  それぞれのリズムでゆれる夕暮れの 雨のその道コスモス街道
 

返歌の部屋

2007-11-06 02:07:25 | Weblog

018:酸(船坂圭之介)  憂きことのこの上はなし仮眠すらならぬ夜明けの酸ゆきコーヒ-
返歌 憂きことは憂きこととして夜明け前 ひとり点ておるコーヒーの味

018:酸(+イチゴ+) 捨てられたまま酸化した鉄塊が寂しさ誘う路の途中で
返歌 錆びし鉄月日を重ね今ここに 野辺の緑が和しておるなり

018:酸(園美)  夕涼み 浴衣で歩く下駄の音 気持ち膨らむ酸漿の赤
返歌 下駄の音はずんでおりぬ石畳 打ち水の跡刻む二の文字

020:メトロ (ねこちぐら) 憧れのメトロの終点浅草のデンキブランの琥珀の揺らぎ
返歌 浅草のひとりの夜を楽しめり 琥珀色したその揺らめきを

020:メトロ(西中眞二郎)  更けし道を少し迷いて歩み来ればメトロマークの灯の温かし
返歌 冬の夜に見知らぬ町で見つけしは メトロマークのその温かさ

020:メトロ(本田鈴雨)  ぎんいろの車両のひかり並びいて東京メトロの車庫に春の日
返歌 春の陽に並んでおりぬぎんいろに 東京メトロ車庫の列かな  

返歌の部屋

2007-11-02 21:16:40 | Weblog
013:スポーツ(萱野芙蓉) きりん草こそ明るけれ風わたる市民スポーツセンター跡地
返歌 風わたる跡地なれどもきりん草 その明るさが昨日を語り

013:スポーツ(古川亜希) 少しだけ未来の話を僕たちは朝焼け前のスポーツバーで
返歌 朝焼けがいわせてくれた未来には 大きな夢が見えているなり

014:温(空色ぴりか)  温かい料理が冷めて冷めきってしんと静かにまた朝が来る
返歌 あの人が来ない昨夜はあけたれど きみの心と料理はチンして

016:吹(野良ゆうき)  吹きぬけた風にあなたが見たものはなんだったのか 空を鳥が飛ぶ
返歌 空の鳥問わば答えよ風の色 君の答えを何というべき

016:吹(香-キョウ-)  穏やかな 風と共に芽吹く春 気付いてますか、小さな音に
返歌 微かなるものなりければ春の音 心を澄まし陽だまりにてぞ

016:吹(蓮野 唯)  吹くのなら楽しいホラを吹きたいな笑顔引き出せ四月馬鹿の日
返歌 今日の日は何かありそで弾む声 みんな許せるエイプリルフール

16:吹(暮夜 宴)  悪夢など獏に喰わせて春風に吹かれていたい君のとなりで
返歌 悪い夢食べてくれたかあの獏が 春風うれし君と並んで 

016:吹(帯一鐘信)  風の吹く牢屋の壁に耳をあて脱出謀る 未来予想図
返歌 三人で牢屋の隅で楽しげに 脱出計画昨夜の夢で

017:玉ねぎ(原田 町)  飴色に玉ねぎ炒めぐつぐつと煮込みておりぬ桜待つ日は
返歌 友招き花の宴を明日にして 膳調えつ味見するなり 


017:玉ねぎ(ドール) 玉ねぎの芽ぐむ春にてもう一度読み返しおりツルゲーネフを
返歌 読み返すツルゲーネフに落ち葉あり 君と並んだあの公園の

017:玉ねぎ(愛観)  泣きたくて泣けない夜のおまじないシャクリシャクリと玉ねぎ刻もう
返歌 玉ねぎを刻む音にはやさしくて 強いこころの君がいるらし

017:玉ねぎ(スズキロク)  玉ねぎを脱がしても何も残らない 僕に秘密があってほしいの?
返歌 一つなら君に秘密があってもいいよ やさしい笑顔忘れないなら 

返歌の部屋

2007-11-01 09:01:55 | Weblog

008:種(智理北杜)  くさぐさの朝顔の種ばら撒けばよろずの色と容(かたち)となりぬ
返歌 朝顔の色と容はよろずなれど 蔓のゆくては陽の方なりき

008:種(素人屋)  確執ある隣家の庭へ春スミレ 種を運んで涼やかに咲く
返歌 穢れなきスミレの花に助けられ 少しの間なれど明るき春が

008:種(志井一)  この種がなんの種だか分からない 今できるのは水をやること
返歌 春になり与えし水は答うらん 緑の若芽のご挨拶を

009:週末(奥深陸)  失恋のさなかぼんやり眺めてる『―この後は週末のお天気―』
返歌 我が思い変われどもなお世の中は いつに変わらぬ天気予報を

009:週末(遠藤しなもん) 献血の車も来るし週末はせめて誰かにやさしくしよう
返歌 ストレスも溜まりし週末なれど我 ひと呼吸して献血せんか

009:週末 (如月綾)  本当はあなたと過ごすはずだった週末 誰も誘えずにいる
返歌 さみしくて会えぬ週末ただひとり コーヒーたてて雨といる午後

010:握(此花壱悟)  一握の砂さらさらと地に落ちて手についた分だけの満足
返歌 小さけれど我が手に残れる砂の数 両手に受けて夕陽の満足

010:握(萌香)  ただ強く握り締めてもすり抜けるさよならをするだけの手のひら
返歌 手のひらをすり抜けしものあるけれど 握手すること待っている手は

011:すきま(野良ゆうき) すきまから出てゆくときに風たちは少し長めの言葉を残す
返歌 すきま風もがり笛にて何語る いつか聞きたいきみからの愛 

011:すきま(育葉)  満開の桜のすきまから見える空はそこだけ誇らしげです
返歌  うすももの花のすきまにある空の 誇らしげなるその顔が好き