ハイクノミライ

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どっちの俳句ショー(4)小さい人

2007-04-25 04:56:27 | どっちの俳句ショー
怒涛の毎日更新(就活の予定がなくてあまりに暇な谷氏を憐れんでください)。


今日のテーマは「小さい人」。



  炎天や人がちいさくなつてゆく  飛鳥田孋無公『湖におどろく』

  逃水をちひさな人がとほりけり  鴇田智哉『こゑひとつ』



「炎天」の句の作者、「あすかたれいむこう」と読みます。・・・すごい名前。

まず、飛鳥田句。
「人がちいさくなつてゆく」というのは、作者の(あまり使いたくない言葉ですが)心象風景。作者は炎天下にいて、あまりの暑さで頭がボーっとしてきて、なんとなく人と関係するのがめんどうで、どんどん人が小さく見えてくるという感じなのかな。
表記正しくは「ちひさく」なんだろうけれど、まあそのへんは議論のあるところだと思うんで置いときます。


一方、鴇田句はメルヘンチック。
「逃水」という季語のみでさえメルヘンな匂いが漂うのに、小人が出てくることで、さらにそれに輪をかけてメルヘン。ここで言う「ちひさな人」というのはどんな人なんでしょう。一寸法師というよりはおやゆび姫に近い感じかしら・・・うっとり(僕までメルヘン)。



というわけで、結果発表。


今回は鴇田句に軍配!

メルヘン万歳。
飛鳥田句は、実感として分かりやすすぎる嫌いがありました。


他に「小さい人」関係の句では、「菫程な小さき人に生れたし」(漱石)があります。

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2 コメント

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Unknown (みお)
2007-04-26 23:57:04
飛鳥田句は普通に遠ざかっていく人を詠んだ写実句では?
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おお、 (ユースケ)
2007-04-27 02:15:48
なるほど。それもありですね。
あるいは、自分が遠ざかってるのかも。

ってか、みおさんのコメントについては、「小さい人」ってのに過敏に反応してもらって、「僕のは小さくないっ!」的な悪ノリを勝手に期待してたんですが(笑)。
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