B級会社員のOFF日記(現在無職です)

尻毛助左衛門と尻毛又丸の珍道中の日記を公開しています。

定年サラリーマンのOFF日記もあります。

旧東海道を歩く・・・安城

2017-03-18 21:49:12 | 旧東海道を歩く

 

弥次さん北さんの小休止

(茶店女) 「おやすみなさいまし おめしをあがりまし お酒もございます おはいりなさいまし」

(弥次)  「腹がすこしござったじゃないか」

(北八)  「ここで小休止とやらかそう」

(茶屋女)  「よう おいでになりました」

(弥次)   「ねえさん、お飯にしよう。なんぞうまいものはないか」

(茶屋女) 「よい鮎のさかながおます

(北八)  「ナニ鮎のなますだ」 

        註・・・「鮎の・・・おます」を洒落て言った。北八は茶屋女を茶化して言ったのである。

(茶屋女)  「ヲホホホ・・・・・」

        茶屋女は笑いながらやがて鮎の煮浸しをつけて膳ををもってくる。

(弥次)  「ドレドレ。こいつはうめへ。そして豪勢に白い飯だ。」

(北八) 「エエ外聞の悪いことをいう。アレ女が笑っている。あいつは顔中がえくぼだ。」

(弥次)  「えくぼならよいが・・・。ほうべたが、くぼんで、踏み返しの馬蹄石といふもんだ。」

        註・・・沓ぬぎ石のこと。表面に馬の蹄のごとき形がある石。

    北八は例の悪口をたらたら話している。

    すると、奥から大きな声がした。

    近在の客三人が居続け(遊離で数日に亘り滞在遊興すること。)の帰りがけとみえる。

 

平成の弥次さん北さんもお腹がすく頃であった。

(尻毛) 「旧街道は狭い道ゆえ、食事のお店はありませんね」

(みこもち) 「先の交差点で、お店を探しましょう」

(尻毛) 「この際、どんな店でも入りましょう」

    安城市今本町の交差点で、店を探す。直ぐ近くに鰻屋さんを発見する。

    外から香ばしい匂いと入口横で鰻を焼く姿を見ることができる「かねぶん 新安城店」である。

(みこもち) 「このお店でよいですか」

(尻毛)  「客引きはいませんね。客引きのある店に良い店なし。格言です。店の前に椅子が並んでいます。」

(みこもち) 「なるほど。繁盛している証拠です。入りましょう。」

店に入ると満員である。しかしすぐに卓を用意してもらう。

(女店員) 「何にしましょう。」

    尻毛は「何かうまいものはあるか」と話しかけようと思ったが、

(みこもち) 「うな丼の竹にしましょう」という。

(尻毛)  「そうですね。」

(みこもち) 「竹を2つ」

     女定員はすぐに戻ってしまった。

しばらくして女定員は「竹2つです」と言い注文のうな丼をもってくる。

(尻毛) 「お茶をお願いします。」

暫く振りのうな丼である。

(尻毛) 「美味いですね。牛丼チェーンのうな丼を食べたことがありますが、不味いですよ。牛丼屋さんは牛丼ですよ」

(みこもち) 「当たり前のことを言わないでください。不味くなりますよ」

(尻毛) 「これは失礼しました。」

尻毛はご飯が少なくなると、お茶を丼に入れて

    「お茶をお願いします」と女定員に話す。

店内のお客さんは品が良かった。

平成の尻毛助左衛門は北八のような会話はできなかった。

膝栗毛のような居続けの客は当然居なかった。

 

(次回へ続く)

 

 

 かねぶん 新安城店の うな丼 竹