ドゥオーモのファサード下の回廊を向かって左に進むと、美しい中庭のある回廊に出ます。
どことなくアラブ・ノルマン風の雰囲気がただようこの回廊は“天国の回廊”と呼ばれています。
中央には大きな椰子の木が植えられ、その周囲にも南国風の草木が配されて、
フィレンツェあたりの教会の回廊とは全く趣を異にしています。
また、このサイズの小ささも独特の雰囲気をかもし出しているのかもしれません。
開放感あふれる、というのではなく
回廊に必要な要素がぎゅっと濃縮されて空間が構成されているような印象を受けます。
柱の装飾や、アーチの形状はいかにもアラブ・ノルマン風です。
上を見上げると、ドゥオーモの鐘楼が目に飛び込んできます。
街の喧騒とは全く隔絶された別世界のこの回廊は、
アマルフィの裕福な人たちの墓所になっているそうです。
みな“天国”を夢見ながら、ここに眠っているのでしょうか。