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【読書】米・百姓・天皇 ──日本史の虚像のゆくえ

2016-12-18 14:21:06 | 読書記録
あとがきで網野氏が言っているように「いつも言っている」日本史の
捉え方における問題認識、を語り合う。
ただし解釈を述べる上で登場する様々な論拠の幅広さが凄い。
 
米というものの扱われ方。それと絡む身分制度。
公文書は為政者の意図を映す。
史実はその通りであったのかどうか?
倭人とは?
明治に入る時点での、産業のレベル。
 
なるほどそうかもしれない、と思わされること多数。
 
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米・百姓・天皇 ──日本史の虚像のゆくえ
網野 善彦 ・ 石井 進 著(対談形式)
ちくま学芸文庫
http://www.chikumashobo.co.jp/product/9784480093486/
 
全然ジャンルが違うけれど「地中生命の驚異」に書かれていた
 「橋が完成して必要がなくなってから、足場は取り除かれたのだ」
と同じことが、歴史の捉え方でも起こっているのかも知れない。
そもそも、人間はそのように物事を捉えがちなのか。
 
『「経営戦略」をいかに定義するか』http://www.dhbr.net/articles/-/4586
に記載されていた経営戦略に関する論説、
 「創発的戦略とは、事前には計画されておらず、ときに偶発的な要因で
  生じる「意図されなかった行動の集合体」によって構成される。」
 「事後的なパターンとして観測され、経営戦略として認知されるのである。」
 「よく見られるズレは、実現されたパターンとしての経営戦略のすべてが、
  意図されたプランとしての経営戦略であると誤って解釈される場合に生じる。」
結びつけるのは強引すぎだろうか。
 
(2016.12.17)

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