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ビジネス新書をこよなく愛する中間管理職ナースのブログ。

H.J.アイゼンク著:たばこ・ストレス・性格のどれが健康を害するか

2009-09-20 18:17:48 | お仕事新書
がんになりやすい性格はあるのか?-これは私の長年の問である.
この問に対して、ずいぶん説得力のある答えを主張する人がいた.

がんに罹りやすいパーソナリティは、温和で、自己主張が弱く、
過度に協調的で忍耐強く、調和を重んじ、葛藤を避け、従順で、
防衛的であるといわれてきた.
(Baltrusch, stangel & Waltz, 1988)

この人によく見られる特性の一つに、
抑圧されたものを知的に意識しているが、依然として抑圧しておくこと-がある.
(Baltrusch, stangel & Waltz, 1988;Eysenck, 1985)

このタイプは、冠動脈心疾患に罹りやすいタイプAや健康なタイプBと区別
するために、しばしば「タイプC」と呼ばれている.

またアイゼンク氏は、がんにかかりやすいこのタイプを「過小刺激型」と呼び、
以下のように述べている.

がんに罹りやすいこのタイプの人は、情緒的に高い価値のある対象(人、職業、他)
を、自分の安定と幸福にとって最も重要な条件であるとみなす傾向がある.
長い間このような対象を失ったり、あるいは対象と遠ざかっていたりすると、
ストレスが生じ、情緒的に外傷的なできごととして経験される.

つまり大切な対象から離れることができず、いつまでもその対象に依存し続ける
という自律性の欠如を示すことが多い.
このようにこのタイプの人は、高い価値のある、情緒的に重要な対象をうることができず、離れ続けていく.
そして高い価値のある対象と親しくなれないことや
仕事がうまくいかないことなどによって大きなストレスが生じる.

この本の著者アイゼンク氏は、心理療法の大家であるのだが、
心理療法によって、がん患者の予後を改善する、という偉業を成し遂げている.

がんになりやすい性格があるのか-
少なくとも、ストレスとの関係はあるようだ.
ストレスを生み出しやすい人は、生みだしにくくなるといいのだが、
果たして、持って生まれた性格を変えることはできるのか、という新たな問が・・・



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