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丸滝谷と岩質

2006-01-20 13:28:44 | 登山道
                          (ブログ目次へ)
丸滝谷について

丸滝谷は金剛山の中では滝も多く変化に富んでいます。
しかし不用意なチャレンジは危険もはらんでいるために、
過去、このコースの紹介は慎重になされています。
本稿は丸滝谷への勧めではなく、不用意に入らないための情報提供です。
行かれる場合は、自己責任原則を再確認下さい。

注意点を含めて簡潔に紹介します。
1.丸滝谷の岩石の特性
  ・地質は花崗岩だと思いますが、金剛山の他の谷に比べても
   もろくて崩壊しやすさが目立ちます。
  ・足元の崩れやすさは、最後の難関である「上の丸滝」が群を抜いています
  ・丸滝谷の最も下部にある滝ですら、上縁に体重をかけたら突然大きく崩壊し、
   滑り落ちて怪我をしたみっともない経験が有ります。

2.丸滝谷へのコース概要
  ・トイレ横の水分橋から石筆橋を渡り、楠公像の大堰堤東岸を過ぎるとすぐ鉄板の橋に。
   舗装路はここまで。
  ・鉄板橋から滝音を左に聞くまでの400m弱は沢の右手を行き、滝の上部で沢へ下ります
   (ここは市販地図のルート説明が左右正反対です)。
  ・ここからは沢を適宜渡り返し500m弱で石ブテ東谷本谷と丸滝谷を分ける二股の滝
   (中尾の背の北端)に至ります。下記の地形図を参照下さい
  ・丸滝谷へはこれを右手に取ります。山なれた人ならここから上の丸滝まで、
   道迷いの可能性は低いです。
   谷は左、右へと方向を変え、いくつもの滝を満喫できますが、足元には要注意です。
  ・「丸滝」は、「上の丸滝」に向かう南西向きの谷、この始まりの左奥にあるので気に
止めず通過してしまう可能性があります。
  ・沢の左手に位置する「上の丸滝」は、典型的な滝のイメージと異なるために
   これと気づかずに直進してしまわないよう滝の写真を記憶に残しましょう(写真参照)。
  ・「上の丸滝」の登りは第一部、第二部に分かれます。
   第一部の傾斜はきつく、更に足場として体重のかかる岩肌は最も崩壊しやすくなっています(写真参照)。
   第一部には古いロープと虎ロープが下げられています(写真撮影時 下記参照)。
   ここを自力だけで上るのは相当難儀するので、ロープを補助にすることになるでしょうが虎ロープは、
   本来標識用であって強度の必要な用途に使うことは仕様上禁じられていますので、
   自己責任原則を思い出す必要があります。
   第一部を登り切ると第二部、ここはロープに体重を預けると左手の滝面へ振られやすいので要注意です。
  ・以降中尾の背の稜線までは、足元の滑りやすいところが有りますが、道迷いの可能性は低いです。
  ・稜線部は、中尾の背、東谷本谷からの道が合流する四つ辻で、平坦部があるので休息にむいています。
  ・四つ辻からは南へ向かって急登し六道の辻にいたります。
   (四つ辻で休憩していると急登道より南南東への道が目に付くので初めての方は要注意です)

3.写真

3.1 丸滝谷を構成する主な滝の位置(進行方向に合わせ南を上にしました)

矢印は主な滝の位置です。
会報86号にはもう少し詳しい写真と、それぞれの滝の写真も掲載されています。

3.2 丸滝

せっかく丸滝谷へ来たのなら、丸滝を見逃さないようにしましょう。

3.3 上の丸滝

・最初の部分の傾斜を見てください。足元のもろさを考慮して上ります。
足元から落石しますので下の人は注意しましょう。
・クリックすると、壁状の滝面が確認できます。上に人が立っている辺りに
 以前あった立木も、斜面崩壊の影響でいまは下に転がっています。

第一部の壁とロープの現状

足元の壁は体重をかけることで少しずつ崩れていきます。

壁の岩肌(こんな亀裂に足をかけて登っているのです)

風化作用で細かな亀裂が見えます。チョイと引っ張るとボソッと外れます。





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1 コメント

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確かにもろいです ()
2006-01-20 22:59:54
この山々は土にしろ岩にしろ確かにもろいところが多いですね。私の登ったところはほとんど怖いところが

多かったです。初めは知らずに岩を掴んで上に行こうと思ったらぐらっと動いた。これにはまだ高いところでなかったもののビビッタ。

ここの山全体がこんな感じが多いのでは、砂っぽい土もそうだと思うし。



ここのルートの鉄の橋から右岸を進むことを当たり前に思っていましたが、今確かめに「地図」を改めて見ましたら・・・・・
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