シゲチャンの山と花の日記

中高年登山とガーデニングを始めました

グルリ360度の展望、高川山

2013-02-07 11:51:39 | Weblog

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高川山は、山梨県大月市と都留市の市境に位置する山で、1000mにも満たない低山(976m)ながら、山頂からは富士山を始めとしてグルリ360度の展望が得られる山。 また、中央本線、富士急の駅から直接歩いて登れる至便性からも人気の山である。

高川山は2004年に訪れて以来久しぶりの往訪で、今回は次のコースを歩いた。
JR中央本線・初狩駅―(0:35)―シイタケ栽培場(分岐)―(0:25)―男坂・女坂分岐―(0:45)―高川山―(シラノサワコース・2:00)―富士急・田野倉駅

未だ夜が明けきらぬ時刻(5:50)に春日部の家を出て、東武電車、JR武蔵野線、中央線、中央本線を乗り継ぎ、大月の初狩駅に着いたのが、8時54分。 天気は上々、西に向かう車窓から真っ白に雪化粧をした富士山が青空をバックにクッキリとした姿で出迎えてくれている。 1月14日に爆弾低気圧が齎した雪は、首都圏では概ね融けて消えたが、小仏トンネルを抜けた山梨側では、未だ大分残っており、車窓から見る山や街は灰色に染められている。

初狩駅の駅舎でスパッツを着け歩き出す。 駅北側の道を右に進み、線路をくぐって中央本線の南側に出て左折し自徳寺を右廻りに回り込み、凍てついた道を緩やかに上って行く。 高台にある墓地の脇で振り返ると、初狩の街の向こうに滝子山が大きい。 暫くで舗装道路は終わり、ヒノキ林の中の林道に入って行く。 日が射さないヒノキの下の道は、凍った雪が残り滑りやすく歩きにくい。 やがてシイタケ栽培場(原木が並んでおらず判りにくい)らしい場所を通過すると、左手に男坂、女坂への山道とそれを示す道標が現れる。 林道はそのまま沢沿いの道を通り高川山に続いているが、我々はここから男坂等へ向かう山道に入る。

 
山道は高川山北斜面に付けられた尾根道で雪がベッタリ残っており、この分岐でアイゼンを装着する。  ヒノキ林の尾根道を小さくジグザクを繰り返しながら急登してゆく。 雪は固くアイゼンが良く効く。 暫くで左・男坂、右・女坂の標識の立つ分岐に着く。 以前来たときは、急坂だが時間が短い男坂を進んだが、今回は山腹を巻きながら緩やかに登る女坂をとる。 女坂は南西面の山腹を斜めに登る道で、雪が融けて落ち葉が積る道を行く。 暫くで先程分かれた沢沿いの道と合し、今度は折り返し北に向かい大きく斜上してゆくと、左から急登してくる男坂と合流する。 左手木々の間から中央本線の北側に連なる滝子山からお坊山の山並みが望め、振り返ると真っ白な富士の姿が見える。山中に入って初めての富士との対面。 
男坂と合流し、再び雪が残る道を登って行くと、傾斜が緩やかな稜線に乗り、見上げる先に高川山山頂が望めるようになる。 雑木が立ち並ぶ稜線の道を、右の木の間越しに見える富士を見ながら緩やかに登って行くと、合流点から20分程で岩が重なる小さな広場の高川山山頂に辿り着く。時刻は11時03分。

   
山頂には”高川山”の山名を彫った石柱、周囲の山々の名を記した円形方位盤が設置されており、石柱の裏には”ビッキー”と書かれた木の箱が置かれている。 ビッキーは山頂付近に住みつき高川山に登ってくる登山者を迎えてくれた名物犬で、訪れる多くの登山者に可愛がられていたが、2年前(2010年10月)山頂付近で亡くなっているのが発見され、麓の自徳寺に葬られているそうな。、傍らの登山者が、亡くなったのを知らずビッキーにあげようとソーセージを持って登ってきたのにと嘆いていたが、前回訪れた(04年12月)時に、山頂付近でビッキー(その時は名前を知らなかったが)が人懐っこく出迎えてくれたのを思い出す。

    
    
高川山山頂からは、展望の山の名に恥じない360度パノラマが楽しめる。
山頂に辿り着き、まず目に飛び込んでくるのが南西に聳える富士山。 雲一つない快晴の空の下、右に三ツ峠山、左に杓子山(手前に倉見山)を従え、その山間(やまあい)に広がる都留や富士吉田の街並の先に、吉田大沢を正面にし裾野を大きく広げた秀麗な姿を見せる。 左裾には富士山最後の噴火でできた宝永山の白い突起も見える。 三ツ峠の右、鶴ヶ鳥屋山の更に右奥には、南アルプスの白銀の峰が顔を覗かせている。 北岳は手前の山に隠れているが、間ノ岳、鳳凰三山(地蔵岳のオベリスクの尖塔も見える)、甲斐駒ケ岳等の3000m級の山々が姿を見せている。 高川山は周囲の山々を眺めるには絶好の位置にあるが、低山のため手前の山が邪魔をして高山の展望が妨げられてしまっており、、もう少し背が高ければ南アの他の山や八ヶ岳も見えるのにと、残念に思う。 甲斐駒ケ岳の右手手前には笹子雁ヶ腹摺山が、それと並んで中央本線を挟んで北に高川山と対峙するお坊山、滝子山が見える。 笹子雁ヶ腹摺山は、その真下に昨年12月に天井板崩落事故を起こした中央高速道笹子トンネルが通っている。 滝子山の右には大菩薩峠から南に続く小金沢連嶺の山々の大谷ヶ丸、大蔵高丸、黒岳が見え、500円札の図柄となった富士山の撮影場所として有名な雁ヶ腹摺山がその右に聳えている。
更に北東方面には、中央本線の猿橋、鳥沢の北側に立つ扇山、百蔵山があり、その後ろには長い頂稜部を持つ権現山が見え、扇山の右奥遠くには山梨県と東京都の県境をなす生藤山、陣馬山、景信山、高尾山のなだらかな山並みが望める。 
東に目を向ければ、高川山の隣の山で共にリニアモーターカー実験線が山の真下を通る九鬼山が近く、眼下にはその実験線の線路が見下せる。

    

九鬼山の左奥には、高川山と同様、駅から歩いて登れ富士の好展望所として人気の高い倉岳山、高畑山が見え、右に秋山二十六夜山、赤鞍ヶ岳、菜畑山、今倉山、二十六夜山などの道志の山々が続き、その後ろに丹沢の最高峰・蛭ヶ岳や大室山が顔を覗かせている。 南方面には、道志山塊の主峰・御正体山が堂々と大きく、その右には富士を囲む山の一角、鹿留山・杓子山が続いている。 正にグルリ360度の大展望である。 見回す山々は、結構、登ったことのある山が多く、その時のことを思い出しながら眺める。

円形方位盤を参考に展望を楽しんだ後、山頂の南側の岩場で富士を見ながら昼食を摂る。

山頂で1時間ゆっくり寛いだ後、山頂南端に立つ小さな標識「シラノサワコース 禾生へ」に従い、富士急行・田野倉駅に向かい下山開始。 前回の時は、山頂北側から東に回り込み田野倉に向かったが、今回は南側の禾生(カセイ)への道を下ることとする。 
下山口は、頂上からいきなりの直立した岩壁下りで、ロープを使い後ろ向きに慎重に下る。 岩壁を降り切るとそこからは狭い尾根の下り道で、小刻みにジグザグを繰り返しながら東に向かい下る。 雪が消え落ち葉が積もり雑木の道を急降下してゆくと、アカマツが混じる緩やかな尾根道になり、40分ほど下り続けると道は尾根から左にハズれて北側の斜面を下るようになる。 

北斜面のヒノキの植林帯は雪が多く、アイゼンを再び着けて九十九折の雪道を下る。 やがて沢に下り立ち、更に沢に沿って付けられた道を行き現れた林道を10分程行くと、民家の建つ舗装道路に出る。 アイゼンをハズしてところどころに雪が残る道を下り古宿集落に入って行くと、暫くで「右・禾生へ30分、左・田野倉へ35分」の標識のあるT字路に突き当たる。 標識に従い左折し田野倉に向かう。 古宿集落の中の道を進み、リニアモーターカー実験線、中央高速道路河口湖線の架橋をくぐって行く。  田野倉に向かう道の左手には、雪の残る畑の先に高川山が望める。 やがて現れる桂川の支流・細野川の橋を渡る、と今回山行の終着点・田野倉駅はもう近い。


今回山行は、昨年11月以来2か月ぶりの山行となった。 高川山は、きれいな富士山を見ようと出かけた山行で、天気の良い日を選んで行きたいと、当初12月に予定してものの、山行予定日の天気が思わしくなく何度から順延して1月下旬にズレ込んだもので、結果として待った甲斐があり、文句なしの天気の中、存分に展望を楽しんだ山行となった。 

 


 


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