GOREとにゃんこの桃源郷

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Cannibal Corpse

2008-11-12 | CDレビュー

Eaten Back to Life
Chris Barnes (Vo)
Jack Owen (Gt)
Bob Rusay (Gt)
Alex Webster (Bs)
Paul Mazurkiewicz (Dr)
 デスメタルのカリスマCannibal Corpseの記念すべき1stフル。全11曲入りで、この頃はまだスラッシュメタルにディストーションボイスが唸るというスタイルだった。それでも、デビュー当時からキャッチーであることに変わりは無い。そして生え際こそ後退し始めているものの、Jackの髪にはまだ余裕があった。そしてボーカルのクリスは、当時からディストーションでは後任のジョージを凌ぐ声質を持っている。
 ドラムは重量感あるスネアでの速過ぎないスラッシュビートが主体。ボーカルスタイルは吐き出しデスヴォイス。ギターはスラッシーなリフが主体で、非常にキャッチー。ベースはこの頃のほうがよく聴こえる。たぶんとても運指が速いだろう。この作品はデスメタルファンのみならず、スラッシュメタル好きもイケるはずだ。



Tomb of the Mutilated
Chris Barnes (Vo)
Jack Owen (Gt)
Bob Rusay (Gt)
Alex Webster (Bs)
Paul Mazurkiewicz (Dr)
 売れに売れた待望の3rdアルバム。といっても日本国内では1stと同時期の発売だったと思う。人気の高いあの名曲「Hammer Smashed Face」が収録されているのもこのアルバムだ。そしてJackはバンダナをし長髪をなびかせているものの、何処までかオデコか判別し難い惨状を見せている。
 ドラム、ギター、ベース、ボーカル、ここまで来るともはや全てのパートがデスメタル然としている。正にCannibal Corpseとしか言い様のない構成である。オモテ打ちのドッシリしたスネアに、ディストーションの権化と形容できうるギターは目くるめくデミニッシュ・リフを奏で、落ち着きの無いベースラインを弾くアレックス自身はあまり動かず、ボーカルのクリスによるこれでもかと言わんばかりの低音咆哮が地を這い山羊シャウトが芽吹く。
 曲数は9曲+ボーナスのカヴァー曲が2曲。余談だが、「Hammer Smashed Face」はジム・キャリーの映画「Ace Ventura」の中でライブハウスのシーンで使用されている。もし観たければ、パート1のほうなので、間違ってパート2を買う(借りる)ことがないように気を付けよう。パート2の邦題は「エースにおまかせ」だとかそんな感じで、かなり見分けがつき難いので要注意。



The Bleeding
Chris Barnes (Vo)
Jack Owen (Gt)
Rob Barrett (Gt)
Alex Webster (Bs)
Paul Mazurkiewicz (Dr)
 驚くほど売れた4thアルバムで、このアルバムだけ録音のバランスが大きく違う。まずボーカルの録音レベルが弦楽器と同程度なので、若干埋もれ気味である。次にギターが丸みを帯びた音作りで、今までほどジャキジャキしていないが、これはリフの要因も大きい。そんなわけで、他が抑え気味のためドラムとベースのリズム隊はよく聴こえる。
 ギターのリフが妖しいトレモロピッキングメロディー中心になっている。ドラムのスタイルは特に変化は無い。全体的にまとまっていることは間違いない。そんなわけで、クリスの凄まじいボーカルは、もはや楽器の一部と化している。ジャケットのおとなしさも不思議なので、実験的なアルバムという見方で良いだろう。決して悪くはないので。
 そして、この4thアルバムが米国メタルチャートの1位を獲得したとかしないとか・・・。その影響でデスメタル界でのCD販売枚数がトップになったとかならないとか・・・。このアルバムを気に入った人が過去の作品、特に最も近い3rdを買ったことから、3rdの売り上げが伸びに伸びたとか伸びないとか・・・。全部で10曲入っているとかいないとか・・・。



Vile
George "Corpsegrinder" Fisher (Vo)
Jack Owen (Gt)
Rob Barrett (Gt)
Alex Webster (Bs)
Paul Mazurkiewicz (Dr)
 ずっとボーカルを担当してきたクリスが、Six Feet Underを結成して、そちらに入れ込んでいたことで解雇され、元々Cannibal Corpseの大ファンだったというジョージが新ボーカルとなった転換期の5thアルバム。インストゥルメンタルを入れてみたり、新生カンニバルを感じさせる1枚となっている。
 ドラムは現在のようにどっしりとしたスネアでスラッシュビート、ブラストビートとドンタンドンタン判り易いリズムに。ギターは不可思議なリフを奏でグニャグニャしたソロパートも顔を出すが、キャッチーであることに変わりはない。ベースは動くというより蠢きまくり。ボーカルスタイルはクリスと同じだが、こちらのほうがディストーションでは負ける。ただし、体がデカイので声量などの面では申し分ない。
 全11曲にボーナルトラック1曲、現在のカンニバル節そのままの名盤だ。日本盤の帯に、アイドルみたいな手書きメッセージ付きだとか色々書かれ過ぎていて、ジャケットの気色悪さが相殺されているところが凄い。



Gallery of Suicide
George "Corpsegrinder" Fisher (Vo)
Jack Owen (Gt)
Pat O'Brien (Gt)
Alex Webster (Bs)
Paul Mazurkiewicz (Dr)
 またもやギターが1人チェンジした6thアルバム。Jackはもうすっかりスキンヘッドが板についてきた様子。そしてジョージの首は太い。
 前作と比較しても録音・音楽的な違いはほとんど無い。やはりインストゥルメンタルが1曲収録されている他、楽曲のカンニバル節が健在。作曲に携わっているのがアレックスだけではないはずなのに、不思議なものだ。
 というわけで、さほど変化が無いので非常にコメントし辛いのだが、敢えてアルバム自体の個性を述べるとすれば、若干、坦々とした曲が多いことか。あと、最後にスレイヤーのカヴァーが入っている全15曲。



Bloodthirst
George "Corpsegrinder" Fisher (Vo)
Jack Owen (Gt)
Pat O'Brien (Gt)
Alex Webster (Bs)
Paul Mazurkiewicz (Dr)
 遂に7thまで達した。ここまでくれば、彼らのスタイルが崩れることはもう無いだろう。前作よりストレートに突進する、日本盤ボーナストラック1曲を含む全12曲。音作りが少しメタリックになっているくらいで、やはりキャッチーなリフと残虐な歌詞で、ひたすらブルータルで在り続けている。
 一体これ以上、何を書けば良いのか。彼らはアメリカのデスメタルバンドで、ベースのアレックス・ウェブスターが中心となるバンドだ。そしてジャックの毛根に未来は無い。
 1.Pounded Into Dust
 2.Dead Human Collection
 3.Unleashing the Bloodthirsty
 4.The Spine Splitter
 5.Ecstasy in Decay
 6.Raped by the Beast
 7.Coffinfeeder
 8.Hacksaw Decapitation
 9.Blowtorch Slaughter
 10.Sickening Metamorphosis
 11.Condemned to Agony



Gore Obsessed
George "Corpsegrinder" Fisher (Vo)
Jack Owen (Gt)
Pat O'Brien (Gt)
Alex Webster (Bs)
Paul Mazurkiewicz (Dr)
 記念すべき(?)8枚目のフルアルバムがこの「Gore Obsessed」だ。ひたすらキャッチーにブルータルに突き進む。さらに、複雑な構成を用いる彼らはテクニカルでもある。また、メンバーチェンジが少ないということは、それだけ良い人材に恵まれているのだろう。何にしても、音楽性、方向性などが徹底していることに感心してしまう。そのカリスマ性は多くのブルータル・バンドに受け継がれ、そして沢山のキッズを熱狂させ続けた。カンニバルよ永遠に...。
 とはいえ、別に解散などしていないし、この2年後に「The Wretched Spawn」、さらに2年後には「Kill」というフルアルバムをリリースしている。ということは、既に10枚のアルバムを世に出しているのだ。そして、通算11枚目ともなる新アルバムが、2009年に予定されているほど精力的である。ただし、9thリリース後にJackは抜けてしまう。いや、髪ではなく脱退という意味で。


Cannibal Corpse Official Homepage
Cannibal Corpse Official Myspace


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1 コメント

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神はサイコロ遊びをする (ああいえばこういう熱力学)
2024-03-20 16:48:04
最近はChatGPTや生成AI等で人工知能の普及がアルゴリズム革命の衝撃といってブームとなっていますよね。ニュートンやアインシュタインの理論駆動型を打ち壊して、データ駆動型の世界を切り開いているという。当然ながらこのアルゴリズムは人間の思考を模擬するのだがら、当然哲学にも影響を与えるし、中国の文化大革命のようなイデオロギーにも影響を及ぼす。さらにはこの人工知能にはブラックボックス問題という数学的に分解してもなぜそうなったのか分からないという問題が存在している。そんな中、単純な問題であれば分解できるとした「材料物理数学再武装」というものが以前より脚光を浴びてきた。これは非線形関数の造形方法とはどういうことかという問題を大局的にとらえ、たとえば経済学で主張されている国富論の神の見えざる手というものが2つの関数の結合を行う行為で、関数接合論と呼ばれ、それの高次的状態がニューラルネットワークをはじめとするAI研究の最前線につながっているとするものだ。この関数接合論は経営学ではKPI競合モデルとも呼ばれ、様々な分野へその思想が波及してきている。この新たな科学哲学の胎動は「哲学」だけあってあらゆるものの根本を揺さぶり始めている。このメガトレンドどこか多神教ななつかしさがある。
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