金字塔に到達したイチローが意外な言葉を口にした。
「僕の人生は笑われてきた」
異次元の記録に日本時間16日朝、NHKが速報テロップを流した。
敵地パドレス戦で5打数2安打。
日米通算4257安打(NPB1278、MLB2979)。
「ここにゴールを設定したことがないので、実はそんなに大きなことという感じはまったくしていないです」
「
ローズが喜んでくれていたら全然違うんですよ。でもそうじゃないというふうに聞いているので、だから僕も興味がないというか」
「記録の時はいつもそうですけど、チームメートだったり、ファンの方だったり、ああいう反応をしてくれるとすごくうれしかった」
「そこですね。それがなかったら、何にも大したことないですね」
「日米合わせた数字ということで、どうしたって
ケチがつくのは分かっていた」
「子どもの頃から人に笑われてきたことを常に達成している、という自負がある」
「小学生のころから野球に打ち込んできた。あいつ、プロ野球選手になるのか?と笑われた」
「大リーグで首位打者になってみたい、と言った時も笑われたけど、2回取った」
「常に
人に笑われてきた悔しい歴史が、僕の中にある。これからもそれをクリアしていきたい、という思いはもちろん、あります」
※イチロー会見全文は次回
ずっとメジャーにいたら、と思わせる立場
▼バリー・ボンズ「イチローはキャリアを通してメジャーでプレーしていたら、ローズ氏の記録を抜いていたかどうかを議論される興味深い立場にいる選手。自分は是非とも見てみたいね。2人が膝を突き合わせるところを。ローズ氏もそれを望んでいるのではないかな。やってみてはどうだろうか?球界にとってそれは素晴しいことだと思うよ」
自然と涙がこぼれた
▼父・鈴木宣之(73)「4257本目を打った瞬間には自然と涙がこぼれた。よくやった。もっと頑張れよと言いたい」
故障しないのは難しい
▼福本豊「イチローは凄いやつ。日米では野球環境も違う。すぐに順応、自分のリズムでトレーニング、手入れをやり続けている。積み重ねれば数字はついてくるけれど、故障せずに長くレギュラーを張るのは実は難しい」
本物のプロ 最高の見本になっている
▼マーリンズのデービッド・サムソン球団社長「イチローとそのキャリアを最も象徴した瞬間だった。彼は国境や人種などの壁を越えるんだ。もし25人イチローがいたら、25個チャンピオンリングを手にできるだろうね。彼は謙虚で、本物のプロ。5打数ノーヒットでも5打数5安打でも懸命に取り組む。これは教えても身につかないものだ。フィールドの内外で最高の見本になっている」
特別な選手
▼マーリンズのドン・マッティングリー監督「明らかにイチローはとても特別な選手。彼の今日の記録、進み続けて3000本へ向かっていることを見るのはとても素晴らしいこと。この場で、こういったことを見ることができたのは素晴らしいことだ」
相手に迎えるのを誇りに思う
▼パドレスのアンディ・グリーン監督「彼は特別な存在だ。試合で競い合ったり、監督としても相手に迎えるのを誇りに思うような選手だよ」
メジャーは唯一無二、最高のリーグだ
▼Aロドリゲス「メジャーリーグは最高のリーグ。唯一無二のリーグだ。02-03年にイチローの家で食事をした時、イチローは50歳までプレーしたいと言ったので、椅子から転げ落ちそうになった。とてつもない情熱と集中力を持っている。今までに見たことのないユニークな打者だ。ピートを怒らせたくはないが、イチローが最初からメジャーでずっとプレーしていたら可能性はある。レジェンドたちを疑うことはない。ピートもイチローも2人ともレジェンドだ」
最初からメジャーならローズを超えている
▼アルバート・プホルス「イチローが初めからメジャーにいたら、とっくにローズを抜いている」
安打数は米国で数えている
▼ケン・グリフィーJr.「イチローは天才的なアスリート。日本もプロだが、ここアメリカでの安打を数えているし…。マリナーズが“ワールドタイトル(世界王座)”と新たに命名したことは名案」
球界をリードしてほしい
▼長嶋茂雄「新たな偉業を達成したイチロー君に心よりお祝い申し上げます。これからも日本人野手メジャーリーガーの先駆者として、安打を重ね続け、球界をリードしていってほしい」
野球ファンを魅了する
▼王貞治「これまで数多くのヒットを積み重ね、42歳にして今なお、更なる高みを目指し突き進むイチロー君の姿は、私を含め世界の野球ファンを魅了するものであり、その闘志あふれるプレーは称賛に値します。これからもより一層の活躍を期待するとともに、一本でも多くヒットを増やして欲しいですね」
コメントすると軽くなる
▼黒田博樹「簡単にコメントするとイチローさんの記録が軽くなってしまう。コメントというよりも、素直におめでとうございますということですね。いろいろ賛否はあるかもしれないですが、ヒット数は世界一。それは本当にすごいこと。僕自身、勉強することがたくさんあった。食事にも何度か誘っていただきましたが、メジャーでもう一度自分自身を奮い立たせてくれた。そうい存在です」
小学校時代から凄いやつ
▼稲葉篤紀「小学生の時からバッティングセンターで120キロの球を木のバットで打ち返していた。凄いやつがいる、と驚いた。あの驚きが野球を頑張ろうと思うきっかけになった」
日本にいたら5000安打
▼張本勲「すごいの一言。どうこう言う人もいるが、日本だけだったら5000本を打ったかもしれない。大あっぱれ。868本塁打の王とイチロー。世界で2人しかいない記録が日本から出ている。
米国にどうだという気持ち。 打者として一番不利な体勢から打っている。打者はボールを後ろから見たい。王は一番後ろに立って足を上げて、一番遠くから投球を見ている。イチローは逆。体が前にいくから。反射神経、動体視力。これは天才という以外にない。誰でも落ちる時はあるが、また盛り返している。自己管理をしないと、あの年齢で成績は残せない。私は41歳で引退した。向こう
100年はこんな打者は出ないのでは。中距離打者では私が1番と思ったが、イチローにはかなわない。繊細で、神経質な人。WBCの時に打てなくて胃を痛めた。世界的な選手というのは、繊細でどちらかというと臆病な人が多い。メジャーで3000安打は打つでしょう。私の安打数(3085)も簡単に抜くと思う。どれだけやるか分からないが、その後は監督をやってほしい。日本でのプレーは見たくない」
凄いの一言に尽きる
▼上原浩治「自分が何かを言うのは逆に失礼に当たる。凄いの一言に尽きます」
これから先、見れない記録
▼田中将大「僕が何か言うと、いろいろ失礼にあたるんじゃないかというくらいのことだと思います。これから先、なかなか見られない記録じゃないかなと思う。プロ野球選手として見ると、さらにその凄さが選手たちには分かる。そういう数字だと思う。ァンの方々はなかなか見られないと思うが、毎日試合に臨むにあたっての準備、試合中に打席に入るための準備をあそこまで徹底してされているのは、イチローさんしか僕は見たことがない」
今後も現れない選手
▼前田健太「すごいとしかいいようがない。今後も現れないんじゃないか。打つだけでなく走ることも守ることも出来る。日本だけでなく、米国でも尊敬されている」
偉大であり、凄い人
▼和田毅「日本人にとって偉大であり、凄い方。レジェンド。色々な視野、角度で物事を見ている。昨年、メジャーのグラウンドで遭った時、マーリンズに入って4か月ぐらいで、チームの雰囲気、状態、選手の気質とかすべて把握されていた」
分刻みで準備するプロ
▼岩隈久志「分刻みで動いて準備するプロフェッショナル。現役で対戦できて、チームメイトだったことも嬉しい」
凄い数字
▼青木宣親「凄い数字。平然としながら結果を出す。自分を律することができる人」
世界記録として認知して
▼工藤公康「同じ愛工大名電の後輩が打ってくれてうれしい。野球にかける時間、ルーチンが数字を築き上げた。日本でやったことが通用したというのが、選手たちの夢や希望に繋がっている。世界記録として認知してほしい」
凄いとしか言えない
▼田口壮「凄いっていうしかない。その言葉で片付けちゃいけないという気持ちもある。集中力と練習量は明らかに違った。僕もやろうと一緒の時間に打ったこともある。誰よりも準備して来たからこそ、結果が出た」
42歳で動ける凄さ
▼井口資仁「日本人が世界のトップを取ることは凄い。数字で見たら名球会に2回入ってますから。僕(41歳)より年上で動けてるのが凄い」
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6月16日・報知号外≫
誰しもが凄いと言える
▼内川聖一「同じ立場で凄いと言っちゃいけないのかもしれないけど、凄いです。考え方、物の感じ方、をさせてもらった。誰しもが凄いと言える人です」
あと8年、50歳までやれるよ
▼ポール・モリター「彼が262安打を打った04年に(コーチ)一緒にいられたことは誇り高き1年だった。彼はこの記録を達成したのは、厳しい労働理念と真摯な取り組みによる報酬。50歳までやれるよ。わずか8年じゃないか」
初対面からプロフェッショナル
▼エドガー・マルティネス「マリナーズで初めて会った時からプロフェッショナルだった。あれだけ安打を打てるのは打席での我慢強さ、常に安定した調子を維持する力、故障しない耐久力を備えているからだ」
凄く特別なこと
▼CBSスポーツ「イチロー、インターナショナル・ヒットキング。ローズの記録は常にイチローの指標だった。これはすごく特別なこと」
ローズは殿堂入りできる選手?
▼マシソン(巨人)「彼は歴史上で最も優れたバッターだよ。メジャーの記録には残らないかもしれないけれど、オールタイムでベストプレーヤーだ。ピート・ローズもグレートプレーヤーだし、僕もリスペクトしている。でも今回の彼に関しては、ファンやメディアも含めて誰も支持していないんじゃない? 確かにメジャーとNPBは違うけれど、どちらも高いレベルのリーグであることは間違いないんだ。ひとつ言えるのは、イチローは世界中で愛されていて、アメリカでも日本でも100%、殿堂入りする選手だということ。じゃあ、ピート・ローズはどうなんだい?」
祝福が見当はずれといえない
▼ヤフースポーツ「懐疑的なローズが言っていることは間違えていない。だからといってイチローへの祝福が見当外れだとは言えない」
ローズは世界レベルの投手を打った
▼USAトゥデー「ローズが60年代初頭に対戦していた投手たちよりも、イチローが92年から00年にかけて向かい合った日本の投手たちの方が良い投手だったと議論するのは妥当だ。ローズよりも3歳若くキャリア通算4256安打を放った。ローズの安打は世界一の大リーグの投手から放った。日本プロ野球は(米国の)高校野球とほとんど変わらない」
3000安打達成者は23歳でメジャーデビュー
▼ニューヨーク・タイムズ電子版「今は世界の頂点にいる。両者とも野球人生が長いこと、30人目となるメジャー通算3000本安打に関して、他の達成者は全員が23歳までにメジャーデビューを果たしている」
イチローは世界の頂点
▼マイアミ・ヘラルド電子版「イチロー・スズキは今や世界の頂点にいる。まあ、ある意味。ピート・ローズの賛否に関わらず、イチローのキャリア安打の節目は祝福すべき。彼の記録ではなく、彼の合計を超えた。記録は依然としてローズの手にとどまるが、イチローが彼と同等か、それ以上のバット・マスターではないか、という全ての議論はそこに存在する」
イチローは4606安打だ
▼ニューヨークデイリーニュース紙「悪いな、ピート・ローズ。イチローがずっとメジャーリーグでプレーしていたら、4600安打していたという理由はこれだ。日本は130試合なので、イチローは、むしろ安打数を失っているのだ。イチローはメジャーでプレーしなかったことで350安打を失っていると考えられる。4256安打にこれを足すと、4606本となる」
▼地元TV局フォックス・フロリダ「偉大な記録を達成したイチローがスコアボード上に映しだされています。ローズの記録を塗り替えました」
▼敵地TV局フォックス・スポーツサンディエゴ「個人的に重要だと思うことは、メジャーで何をするのかということで、3000安打達成についてです」