プレッシャーどこ吹く風のイチロー。
ブルージェイズ戦の第一打席であっさり4000安打(メジャー2722安打、日本1278安打)達成した。
サイヤング投手のナックルボーラーディッキー投手から打ったのも価値がある。
「」と振り返った。
★イチロー「ボクよりも周りのテンションが高いのに驚いていた。4000というのは区切りのいい数字ですけど、特別な瞬間というのは自分の記録がつくるものではなく、自分以外の周りがつくってくれるもんなんだなと強く感じました。(試合を一時中断して選手が祝福)あんなふうにみんなが喜んでくれるということは想像していなかったので、半泣きになりました。1000回に1回しかこない区切りの数字を4回重ねられたことはうれしく思う」
日本で8年(7度の首位打者)、メジャー13年、39歳での大記録だ。
これは近代野球ではとてつもない記録。
4000打席立つだけでも、7年~8年かかる。
単純計算でも200安打平均で20年かかる。
確かに日本の通算安打を繰り入れるのは、メジャーサイドはもろ手上げて歓迎するわけではなかろう。
それではメキシカン、プエルトリカン、キューバリーグなどの安打も加えた通算安打記録の話題を見たことがない。
イチローの記録は、スポーツメディアの発達した国ならでは、のものなのだろう。
だから、といってイチローの4000安打に価値がない、とはさらさら思わない。
★スポーツ専門局ESPNのバスター・オルニー記者「同じランキングに入れるのは難しい。投球スタイルも球場も違うから、本塁打は比べるのが難しい。だがパワーヒッターでないイチローは、メジャーでスタートしても安打数に違いは出なかったはずだ」
★ニューズデーのデービッド・レノン記者「4000本は4000本。偉大な数字。(米国の)野球殿堂入りに値する選手だ」
★CBSスポーツのダニー・ノブラー記者「もし通算4257本を打っても、大リーグ記録に並べるべきではない」
★シカゴ・トリビューン「来年から2年間、常時プレーできる場所さえ確保すれば(Pローズの4256安打)できるだろう。イチローも(ローズのように)選手兼監督になれるか。12年のマリナーズ放出は正しい選択だった。しかし歴史的偉業を達成するのに、古巣が手助けするのはそう難しくはないだろう」
★ニューヨーク・タイムズ(電子版)「(日米通算の)記録に議論はあるが、この記念碑が野球史の偉人としての地位を不動のものにした」
★米国野球殿堂・アイドルソン館長「日本の打者として新たな道を切り開いたことも評価されるだろう。現時点で(日米合算が)どれほどの価値があるかは判断できない。だが、一連の記録として扱うことに意味はある。決して軽視してはいけない偉業だ」
★記録献上のブルージェイズ・ディッキー投手「信じられない記録だ。(祝福で試合が一時中断)ああいう瞬間は必要だった。それに値する選手だ。彼ほどプロ意識を持った選手はいない。ずっと力を維持している」
米国サイドの記録へのプライドがチラホラのぞくのも、面白い。
同じヤンキースのソリアーノが広島時代に2安打。メジャーで1998本で日米2000安打を達成した先日。
「名球会(通算2000安打で有資格)に入れてよ」とジョークを一発。
今季楽天入りしたジョーンズも、先日、日本で2000安打(メジャー1933安打、日本67安打)を達成して花束をもらった。
何とも言えない表情を浮かべたのが印象的だった。
日本でいえば、ファームで1500安打打って、一軍に昇格して1500安打でも3000安打達成なのか、ということだ。
日本の野球の「格」が3Aクラスだ、といわれて久しい。
★大リーグ公式サイト「日米合算はおもしろいポイントだ。マイナーリーグの安打をメジャー記録に足せば、アーロン、ミュージアル、スタッツの3人が4000安打に到達する」
もちろん、イチローや野茂ら、メジャーと何らそん色のないプレーヤーはいる。
だが、10年以上一線級で活躍してこその勲章ではある。
その意味で、イチローがあの華奢な体で故障もなく13年(日本8年)の間、記録を積み重ねたことこそ、賞賛に値する。
メジャーに文句を言わせない「ピート・ローズ超え」「3000安打達成」へ。
あと228安打で達成する3000安打を目指して頑張って欲しい。
ちなみに2722安打はヤンキースの伝説的強打者ルー・ゲーリッグを超えメジャー59位。
メジャー3000本安打打者は28人いる。
だが、21世紀になってからの達成者に絞れば、デレク・ジーター、カール・リプケンら5人しかいない。
素晴らしい勲章になるはずだ。
【NEWS速報抜粋】ヤンキースのイチローは21日(日本時間22日=ニューヨーク)、ブルージェイズ戦に「2番・右翼」で出場。第1打席で左前打を放ち日米通算4000安打を達成した。イチローは1ボール1ストライクからの3球目、昨シーズンのサイ・ヤング賞ナックルボーラー右腕ディッキーの外角寄りのナックルを叩き三遊間を破った。「9番・ニ塁」で出場していたブルージェイズの川崎も笑顔で拍手して“師匠”を祝福した。イチローはヘルメットを脱いでスタンドに向かって深々とおじぎし、大声援に感謝の気持ちを表現した。第2打席は一ゴロ、第3打席は遊ゴロだった。メジャーでは4256本のピート・ローズと4191本のタイ・カッブの2人。
★長嶋茂雄・巨人終身名誉監督「日米ともずばぬけた成績で、偉業というほかありません。自分自身の生涯安打(2471本)と比較しても、気が遠くなるような数字です。ケガが少なく、いつもゲームに出ているからこそ達成できた記録であり、コンディションに細心の注意を払っているイチロー選手の努力のたまものでしょう。常にグラウンドにいることは、最高のファンサービスであり、まさにプロ中のプロといえましょう」
★松井秀喜(元ヤンキース)「日本のプロ野球でもメジャーリーグでも圧倒的な速さでヒットを積み上げてきたイチローさんにしか到達できない数字だと思います」
★ケン・グリフィー(元マリナーズ)「イチローが技術を完成させるため、どれだけの時間と努力をかけたかを考えてほしい。4000安打とは、とても本当とは思えない数字だ」
★イワン・イバネス(マリナーズとヤンキース元同僚)「イチローほど技術を磨いている選手も、意志の強い選手もいない。素晴らしいチームメートだった。殿堂入りにふさわしい選手だ」
★ダルビッシュ有「すごいことだと思います。(僕などが)何も言うことはないです」
★黒田博樹(ヤンキース)「すごく感動したし、日本の野球をあらためてリスペクトしてもらえた瞬間だと思う。それを証明したのがイチローさん。同じユニホームを着てこの瞬間に同じグラウンドに立てたことは素晴らしいこと」
★マリアーノ・リベラ(ヤンキース)「日米にまたがっていても4000安打は多い。イチローはプレーするためでなく、成功するために米国に来た。常に最高であろうとするのがイチローだ」
★張本勲(日本プロ野球3000安打)「とてつもない記録。あれだけの技術を持っていたら認めざるを得ない。安打を打つことに関しては川上哲治さんが一番だと思っていた。それを上回るような打撃を(オリックス時代に)していた。バットの先が、どのコースでも最短距離にいく。こんな打者はいない。コンパクトにヒットだけという考え。邪念がない。「あれほどの選手はこの世紀は出てこない。(ローズの4256安打を超え)世界記録を達成してもらいたい」
★宮本慎也(ヤクルト)「これはもう言葉に表しようがない。次元が違う。おれらがコメントする記録ではない。4000本打ってって、彼しか分からない。誰も打ってないんだから」
★岩村明憲(ヤクルト)「オレが語ることじゃない。おめでとうって軽々しく言えない、そういう数字。2000本でも難しいし、倍をやってのけるんだから。誰もやったことがないことをするのがイチローさんの趣味だと思う。50歳までやっている姿を見てみたい。訳分からん数字を出し続けているんじゃないですか」