【NEWS速報!】マリナーズのイチロー外野手は29日(日本時間30日)、アーリントンで行われたレンジャーズ戦に「1番・右翼」で出場。初回の第1打席に左前打を放ち、日米通算3000安打を達成した。イチローはレンジャースの先発メンドーサの初球の直球をやや詰まりながらも左前に運んだ。
しかし、今シーズンのイチロー快挙の陰で不安材料がのしかかる。
3割が当たり前のイチローがその3割を行ったり、来たり。いまひとつ、エンジンがかかりきらない。
日米通算3000安打(日本で1278安打)達成は今シーズン130安打目。試合はすでに106試合を消化している。8年連続200安打まで、あと60試合ほどで70安打を放たねばならない。毎試合4の1とすれば60安打で190安打と届かない。1試合4打席計算として、四球がないと仮定しても、現在の2割9分を最低キープしなければならない。
つまり、今よりペースアップしないと連続シーズン200安打は途切れてしまう。
さて3000安打達成にちなんだ記録は、日本では張本勲(東映、日拓、日本ハム-巨人-ロッテ)の3085安打に次ぐ2人目。
メジャーのベスト3は①ピート・ローズ(レッズほか)4256②タイ・カップ(タイガースほか)4189③ハンク・アーロン(ブレーブスほか)3771本。“鉄人”カル・リプケン(オリオールズ)は3184本ら27人。Tカッブは34歳231日、イチローは34歳281日。34歳到達は日米でもこの2人だけだから、ペースは速い。ちなみに3085安打の張本は39歳322日。
★イチロー「1992年に初めて(プロで)ヒットを打ってからここまでを別に長いとは感じなかったが、この1週間はやけに長かった。(3000安打と聞いて)張本さんの顔が浮かぶ。95年の春に『次に3000を打つのはおまえ、首位打者7回も、最終的にヒットの記録もおまえに抜いてもらいたい』と言われた。今日到達して一番そのことを思い出す。日本で積み上げてきたヒットと凡打それぞれが僕の技術を磨いてくれた。僕は日本で養われた技術を使ってこちら(米国)でヒットを打っている」
★張本勲「おめでとう。ヒットを打つことに関しては川上哲治さんも、私もかなわない技術。あっぱれ! だ。彼にとって3000本は単なる通過点。あくまで参考記録だが、日米合算するならピート・ローズの4256安打、さらに大リーグ単独の通算3000本安打を目指してほしい」。
★長嶋茂雄「日米通算3000本安打達成おめでとうございます。イチロー君らしいアグレッシブなヒットでしたね。この記録はイチロー君が持つ天性のスピードと日々の技術の研さんによって生まれたものだと思います」
★ソフトバンク王貞治監督「我々にとっては大記録でも、彼にとってはゴールではなく、通過点にすぎないでしょう。彼がどこまで記録を伸ばせるか、楽しみですね。1日も早く4000本に到達できるよう頑張って下さい」
★中村豪さん(66)愛工大名電高校時代の恩師「鳥肌が立った。ここまで上り詰めるとは。(本人は)まだまだ今からだという感じに見えるし、次は(日本プロ野球記録)3085安打を目指してほしい」。
★久保田五十一さん(65)バット職人「1992年に出会ってから1300本ほどのバットを渡したが、試合で使ったのはおそらくその半分。少ないバット本数で、これだけ多くのヒットを打っていることに気付き、技術の高さ、バットを大切に扱っている姿勢などに感心した」
1993 オリックス 64- 12 ・188
1994 オリックス 546-210 ・385
1995 オリックス 524-179 ・342
1996 オリックス 542-193 ・356
1997 オリックス 536-185 ・345
1998 オリックス 506-181 ・358
1999 オリックス 411-141 ・343
2000 オリックス 395-153 ・387
2001 マリナーズ 692-242 ・350
2002 マリナーズ 647-208 ・321
2003 マリナーズ 679-212 ・312
2004 マリナーズ 704-262 ・372
2005 マリナーズ 679-206 ・303
2006 マリナーズ 695-224 ・322
2007 マリナーズ 678-238 ・351
2008 マリナーズ 439-131 ・298
◆イチロー(鈴木一朗) 1973年10月22日、愛知県生まれ。愛知・愛工大名電高ー92年ドラフト4位オリックスーマリナーズ。94年プロ野球初のシーズン200安打。00年まで7年連続首位打者。ポスティングシステム(入札制度)でメジャー入り、日本人野手第1号。1年目の01年に242安打を放って首位打者と盗塁王。MVPと新人王獲得。04年は262安打で大リーグシーズン最多安打記録を更新。今季は8年連続オールスター出場、日米通算3000安打に到達。右投げ左打ち、34歳。