鴨川の夕刻。
川沿いにはカップルの花盛り。
清流に野鳥が集まってくる。
観光客の行き交うのを気にもしない。
さあ、ディナータイム。
警戒心の強いシラサギ。
ゴイサギが水しぶきをじっとにらむ。
大きなアオサギが様子を、横から窺う。
カメラマンがにじり寄ってもかまわない。
流れ落ちる水を遡るアユ、ハヤ。
ねえ、ねえ、誰を撮ってるの?
私はここよ。
カメラマンの後ろから抜き足差し足。
時折、小魚がキラリ跳ねる。
逃さず長い口ばしを差し込む。
そうは問屋はおろさず。
簡単ではなさそう。
なかなか、捕らえられない。
一羽が捕らえると、仲間たちが飛んでくる。
「よう、捕まえたな。ちょっとくれ!」
サーっと近寄る。
慌てて、飲み込む。
それを何度も繰り返す。
見ていて、飽きない。
流れ落ちる清流の水音が心地いい。
ゴイサギは辛抱強い。
じっと待つ。
まるで燕尾服着た哲学者。
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