香料交易詳解 ～ ジャスミン 東アフリカ（前編）

最もポピュラーなジャスミンの東アフリカ売りについて解説します。この記事で、ジャスミン交易というと東アフリカ売りを指します。

ジャスミン交易は売り場駆動型の交易です。相場のいい売り場さえ見つかれば、買値は多少あるいは全く気にしないでいけます。ジャスミン交易で注意を払うべきは、購入相場の動向ではなく、売却相場の動向です。

経験的にジャスミン交易が割りに合うと、自分が考えるラインは利益単価で6,000Dです。6,000Dは、商用大型ガレオンで、利益５Ｍ/回 （カテ４：8枚/回 所要時間：30-45分/回）に相当します。これを下回るようだと、自分としては別の交易を検討することが多いです。

目標利益単価を6,000Dとして、売却相場毎に仕入価格の上限を計算します。次に上限価格が購入相場の何％相場に相当するかを求めます。

売却相場		仕入上限価格	購入相場
％	売却価格	売却価格×120%－6000	(A)	(B)	(C)
98%	6,150	1,380	53%	56%	67%
107%	6,690	2,028	78%	82%	99%
116%	7,230	2,676	103%	109%	131%
125%	7,780	3,336	129%	135%	163%
134%	8,320	3,984	154%	162%	195%
143%	8,860	4,632	179%	188%	226%
152%	9,500	5,400	208%	219%	264%

購入相場の説明
　(A)：仕入上限価格を基本購入価格（100%）で除したもの
　(B)：(A)にまとめ買いによる値引き（-5%）を考慮したもの
　(C)：(B)に会計による値引きを考慮したもの

ジャスミンの購入相場の変動範囲は通常87～195%（9%幅）です。このこと踏まえて表を見ると、売却相場125%で購入相場帯の７割方をカバーできて、134%を超えると購入相場はほぼ不問であることが判ります。逆に底値で購入したとしても、100%を超える売り場を探す必要があることが同時に判ります。

現在のところジャスミンの購入場所はゴア一箇所で、購入相場の変動範囲は先に述べたとおりです。この為、ジャスミンの買い頃といえる時間帯は日に１回、数時間です。しかし、この時間を逃したといって、今日はジャスミン交易ができないと考えるのは早計です。売り場がよければ、どうとでもなることは表のとおりです。売り場のターゲットをモガディシオ～モザンビーク、タマタブとまで考えれば、対象は７港、まだまだチャンスは十分というわけです。

さて、次なる問題は、「売却相場が125%まで上昇するのものかどうか？」ですが、答えは「割と頻繁に上昇する」です。次回はこの点について解説を加えたいと思います。

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