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ホウレンソウをしない部下に悩む上司

2010年05月05日 | 日記
 4月になり、新しい部署に配属されたり、新しい役職に就いたりして、気持ちも新たに仕事に取り組んでいた人も多いことだろう。今回は新年度に際して、多くのリーダーの方々に共通する悩みである「ホウレンソウをしない部下をどうしたらいいのか」についてお話ししたい。

<事例>
 D次長が率いるチームに、W君が配属されてきた。W君の前の上司から、「W君はとても優秀だ」と聞いていたD次長は、早速、W君に大型受注が見込める顧客とのパイプ役を依頼し、進捗状況を知らせてほしいと伝えた。しかし、1週間経っても何ひとつ報告が上がってこない。心配になったD次長はW君に「任せたあの案件だけど、どうなっているのかな?」と尋ねた。

 するとW君からは次のような返事が返ってきた。

「先方の担当者とは頻繁に連絡をとっていて、来週、直接会う予定になっています。しっかり契約を取って来ますから、任せてください」

 W君は優秀であるがゆえに、すべて自分で判断・対処しても良いと考え、こまめにホウレンソウをする必要はないと思っていた。ホウレンソウの重要性を認識していなかったのである。

 「何度言っても部下がホウレンソウをしてこない」

 このようにホウレンソウをしない部下に悩まされている上司の方によく遭遇する。新しいメンバーが入ってきたときなどは、お互いによくそれぞれのことをわかっていないという状況である。そのためにまずは相互理解を図っていくことがまずは大切で、相互理解のためにもホウレンソウを活用することはとても有効である。

 ホウレンソウの重要性を再認識させるいい時期なので、ホウレンソウについて改めて触れたい。

●部下がホウレンソウをしない理由

 部下はなぜ上司にホウレンソウをしないのだろうか。わたしは、次のような理由があると考えている。

1. 怒られたくないと思っている。
2. 責任を取らされるのが恐いと思っている
3. 自分の評価を下げたくないと思っている
4. ホウレンソウをするほどの問題ではないと考えている
5. 自分で問題を解決できると考えている

 1つ目は「怒られたくない」と思っているということである。部下にとって、上司は恐い存在である。新しい部署に配属されてきた部下の場合、そのような意識はより強くなる。そのため、失敗を報告したら怒られるのではないか、ホウレンソウの仕方が悪いと怒られるのではないかといった、ホウレンソウをすることによって起こり得る「負の状況」のイメージが、部下を萎縮させる。

 そして、できるだけ、怒られないようにするために、失敗は報告せず、最低限のホウレンソウだけする、という方法を選択させてしまうのである。もちろん、このような状況で、ホウレンソウをしない部下に対して、「なぜ報告しなかったのか」と怒ってしまうと、部下がますますホウレンソウをしなくなるという悪循環に陥ることになる。

 2つ目は「責任を取らされるのが恐い」と思っているということである。自分の行動に責任を持つのは当然かも知れない。しかし、部下の立場から考えると、悪い報告をして責任を追及されたり、報告や相談をして「君がやれば」と丸投げされ、責任を押し付けられるのが嫌なのでホウレンソウを避けてしまうというのも、分からなくはない。

 3つ目は「自分の評価を下げたくないと思っている」ということである。下手にホウレンソウをして、自分の評価を下げられては困ると考え、ホウレンソウをしないのだ。

 4つ目は、ホウレンソウをするほどの問題ではないと考えているということである。部下は「上司も忙しいだろうし、些細なことでとやかく言われたくない」と思っている。そして、これくらいのことはホウレンソウしないでいいだろうと勝手に判断して、ホウレンソウをしないのである。しかし、ある人にとって重要でない情報が、別の人にとっては重要な情報となることはよくあることだ。ホウレンソウをする基準が明確になっていないと、重要かどうか自分の価値で判断してしまうことになる。

 5つ目が自分で問題を解決できると考えているということである。本人が自分の能力に自信を持っており、上司へのホウレンソウは必要がないと考えるのだ。事例に挙げたW君はこれに該当すると言える。

 このような5つの理由で、部下はホウレンソウをしないのである。

●上司からのホウレンソウのススメ

 今はありとあらゆるものが、かなりのスピードで変化している時代である。そのため、部下からのホウレンソウを待っていた結果、機を逸し、大きなビジネスチャンスを失ってしまうというケースも珍しくない。部下からのホウレンソウを待っていても、自分自身がやきもきし、イライラすることになる。

 以前もお話したことがあるが、ここで私が改めて提案したいのが、「上司自らがホウレンソウを実践する」ことである。上司自らホウレンソウを行うことで、部下の手本となるのである。上司が行うことで、部下もそれを真似るようになる。「便り」を出す上司が「頼り」になり、部下がホウレンソウをしてくれるようになるのである。

 ホウレンソウの実践に役立つツールとして、以前も紹介した「4つの質問」を改めて紹介したい。

・うまくいったことは何か?
・うまくいかなかったことは何か?
・うまくいかなかった原因は何か?
・次の一手は何か?

 以上4つの質問について各自が毎週末に記入し、チーム内で共有し合うのである。最初のうちは、上司が率先して記入し、メンバーにメールなどで送る。その上で、メンバーにも同じことを実践してほしいと伝える。上司が先に書いて示してくれることで、部下はどのように書いたらいいのかがわかり、書きやすくなる。

 これを毎週繰り返すことで、チーム内のホウレンソウが活発になり、情報共有が格段に進むはずである。なお、この4つの質問についてもっと詳しく知りたい方は、手前味噌ではあるが、拙著『強いチームの報・連・相』(中経出版)をご覧いただければと思う。

●風土を変える

 少し話は変わるが、ホウレンソウがしっかりと行われない組織は、馴れ合いの組織である。けじめがなく、暗黙のうちに物事が決まる。このような組織は、一見、アットホームな、心地良い組織のように見えるかもしれないが、実際に働きやすいかというと決してそうではない。

 わたしは、新年度に入ったばかりの今の時期だからこそ、改めて組織やチームの風土を変えてみることをおすすめする。社風は、長い年月を経て培われてきたものである。それを変えるのは容易ではないが、新年度にチームみんなで集まり、組織として何を目指し、何をビジョンとするのかを話し合うことで、少しずつではあるが、変えていくことができる。

 組織やチームの目指すことを明確にし、そのために組織として今何が足りず、何をしていけばいいのかをみんなで考える。チームに属する全員がチームについて「4つの質問」を記入し、それを持ち寄り、話し合ってもよいかもしれない。

 その上で、チームとして1年後にどのようになっていたいのか、みんなで考え、共有し合う。1年後にどうなっていたいのかというビジョンがなければ、1年後は、現状維持か、もしくは今より悪くなっているだろう。

 これらの作業に全員が参加することで、組織への帰属意識も高まり、メンバーも頑張ろうという気になる。また、組織とともに個人の目標も明確にするとよい。リーダー、そしてメンバー1人1人が、改善したいことを自分自身で1つ選び、取り組むことを宣言する。

・朝出社したら必ず全員に大きな声であいさつをする
・カラーコピーではなく、白黒コピーを使う
・週に1回机周りを整理する

 ささいなことでも構わない。このように宣言し合うことで、1年後の姿がまったく変わってくるはずである。

 新年度を迎えて1カ月、上司からホウレンソウを実践することで組織のホウレンソウの活性化を図るとともに、組織として、そして個人として1年後に目指す姿を明確にして、その目標に向かって、全員で邁進してほしいと願っている。【細川馨(ビジネスコーチ)】

(ITmedia エグゼクティブ)

コミュニケーション能力というものですか。業界の話題、問題、掘り出し物、ちょっとしたニュース配信中。

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