マウスクローン、26世代成功=1匹から598匹に―理研
時事通信 3月8日(金)2時6分配信
1匹のマウスから遺伝子が同じクローンマウスを作り出し、さらにクローン作製を繰り返して25世代で計581匹のマウスを作ったと、理化学研究所再生・発生科学総合研究センター(神戸市)の研究チームが8日、米科学誌セル・ステムセル電子版に発表した。現在は26世代、598匹に達したという。将来は優良な家畜や絶滅危惧種のクローン作製に応用が期待できるとしている。
クローンを繰り返す「連続核移植」は、続けるうちに異常が蓄積するため、世代が進むごとに出産率が低下。マウスで6世代、ウシやネコは2世代が限界とされていた。
同センターの若山照彦チームリーダーらは2005年、トリコスタチンA(TSA)という薬剤を使うと異常の確率が低下し、マウスの出産率が上がることを発見。1匹の雌のマウスをもとに、約7年かけてクローンを繰り返した。
TSAを使わない場合1%程度だった出産率は、最高で約15%になった。世代を経てもクローンマウスの寿命や繁殖能力などは自然のマウスと同程度で、TSAの副作用もないという。
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