ビタミンジョージの死ぬための生き方

ふるさとを捨てて、もう戻らないと決めたあの日。男は全てを失い戻って来た。そして、また歩き出す。

アカに最後のサヨナラを

2024-02-29 20:09:00 | 日記


僕の動物の思い出シリーズ第3弾



星になったジュウシマツのピー助と共に飼ってた猫のシロがいたけど、実はシロのお母さん「アカ」という猫も飼ってた。


アカもほとんど野生化していて、僕にはまったく懐いてなかった。


その時の僕はまだ小学生でやんちゃ盛り。自分に懐かないアカを餌で呼び寄せて、そして、餌を食べて大人しくなったところを撫でようとして逃げられる日常を過ごしてた。


シロは毛が白いから、ばぁちゃんにシロと名付けられたけどアカの毛色は赤ではなくて茶色だ。それをばぁちゃんは赤色と思って、アカと名前を付けたのだ。


僕はいつもアカを撫でたくて、近くに行きたくて、餌で釣っては逃げられ、餌で釣ってはあしらわれてを繰り返す日々を送ってた。



アカはいつも餌を差し出すと寄っては来てくれる。



そして、頭を撫でた途端に、いつものようにスルスルと逃げて行くのだ。



今の大人になった僕の汚れた心で表現すると、夜の店でいつも指名してる女の子に、



「ジョージさんとの距離は大事にしたいの。だから、私の覚悟が決まるまで待ってて!」



そう言って、アフターだけは逃げるキャバ嬢みたいなアカの立ち振る舞いなのだ。俺は餌だけ貢いで肩透かしの貢ぐ君状態だった…



きっとアカは、


「坊や、そうやって餌で釣るばかりが駆け引きじゃないのよ。あなたの魅力で私を呼び寄せるの。今のあなたからは煮干しの匂いしかしない…」



そりゃそうだろ、煮干しと白米でいつもアカを呼んでるんだから。しかし、アカの指摘も納得だ。僕はいつも餌で釣るばかり。もっと華麗にもっと妖艶にアカの心を惹きつける努力をするべきだ。



でも、その時の僕は小さいながらに考えて行動していた。その時の僕はアカを撫でたいのはもちろんだけど、それを超える思いを持ってた。



その思いを叶えるためには、頭を撫でるのはアカが餌を食べ終わる直前だった。



僕はちゃんとアカが餌を食べ終わるタイミングを見計らって、そして、アカの頭を撫でようとしていた。



僕の思いの第1目標はアカにお腹いっぱいの餌を与えるのが目的だったからだ。



でも、そんな僕の健気な思いなどアカは知るはずもなし。アカはいつも僕の心などお構い無しに撫でようとしたら逃げる。当たり前だ、野生化してるアカに僕の気持ちなんて伝わってるわけはない。アカは僕から餌をむしり取れるだけむしり取るつもりだ。


僕がいくら優しい思いでアカに接しても、やはり撫でようとすると、アカは華麗なステップで逃げる。もう逃げるルートがアカの頭の中に入ってて、どこに追い込んでも無駄なくスルスルと僕の手から逃げていく。



アカは何のお礼も無しに、僕の気持ちをいつも持ち逃げだ。



もしかしたら、アカは、この時から恋に翻弄される僕の将来のために、好きな人の心を射止める方法を教えてくれてたのかも知れない。



「餌、いや、お金で人の心は繋ぎ止めれないよ。もっと自分を磨いて、もっと自分に自信を持って。お金で好きな人と対等になろうなんて切ないよ、悲しいよ。自分の位置を自分で下に下げないで!素直な心で私を見て!ほら、私はずっとあなたの側にいるよ」



アカがそんな事を教えてくれてる気がした…




んなわけねー!



逃げるな!待て待てぇーー!!




僕は無邪気に毎日のようにアカを追いかけてた。




でも、ある時からアカを簡単に捕まえることが出来るようになった。



いつもは抜け道を迷うことなく逃げて行ったのに、アカは壁にぶつかるようになった。そして、僕が撫でると震えてる。



違う。



僕はこんな撫で方を目指してアカを追いかけてたわけじゃないんだ。アカをちゃんと捕まえて、そして、もっと仲良くなりたかった。僕に懐いてほしかっただけだ。



でも、アカは柱や壁にぶつかるんだ。僕は可哀想になって追いかけることをしなくなった。



でも、餌はちゃんと食べに来る。



ばぁちゃんが言うには「もう歳で目が見えてないんよ…」



そう言ってた。



僕はアカに近づきたかったし、そして僕に懐いてくれて、アカから僕に寄って来てほしかった。



柱にぶつかり、壁にぶつかり、簡単に撫でることが出来るようになったアカの姿は見たくなかった。



ばぁちゃんの家は電気こたつではなく、囲炉裏で暖を取ってた。



雪のチラつく寒い夜だった。



野生化してるアカはいつも納屋のどこかで寝てるはずが、その日は珍しく、囲炉裏の横にやって来た。



僕がいるのに、僕の横に来たのだ。



初めて、アカから僕の近くに寄って来た。



アカの目が見える時は、僕はいつもアカに逃げられてた。アカが目が見えなくなってからは、追いかけると壁や柱にぶつかって簡単に僕に捕まり、震えながら僕に頭を撫でられてたアカ。



そのアカが初めて僕の横に来て、目を瞑ってる。



僕は、



「僕に寄って来てくれて、ありがとう」



そんな気持ちでアカの頭を撫でた。



これから、ちゃんとアカの頭を撫でたいな。そんな日が来るのを夢見てたけど、




次の日、アカの体は外の雪より冷たくなっていた。




ズルい。昨日が初めて僕に近寄って来てくれた日だったのに、なんでそれが最後の日になるんだ。



ありがとうしか言えてない。



サヨナラを言えずにアカがいなくなった。



僕がアカを撫でたい気持ちより、アカをお腹いっぱいにさせたい気持ちが伝わってたのかな。




アカ、最後の最後に僕に懐いてくれて撫でさせてくれて、ありがとう、そして、サヨナラ…またね!



ここで生まれて、ここで終わる

2024-02-28 20:04:00 | 日記

改めて、ふるさとを書き記す。



僕のふるさと、生まれた場所は山奥だ。


簡単に山奥と書いてるが、本当は簡単に書けないほどの山奥なのだ。


今も携帯の電波が届かない場所だ。父親と母親は今の時代にネットを使った事がない。母親は緊急時のためにと、docomoの携帯電話を契約してるが、今だにガラケーだ。


しかし、電波が届いてないから、住んでる場所では使えない。母親は持ってても使えないから、ガラケーを大事そうに壁に吊るしてる。


携帯電話なのに強制的に固定電話となってる。


そして、家の周りには人がまったくいない。近所には10人も人がいないはずだ。


町の組合の旅行で、最近、母親が旅行に行ったみたいだ。母親曰く、


「綺麗な景色やったよ、山の景色は綺麗だし、本当に楽しかった!」


母親は山奥から出発して、別の山の観光地に行ったのだ。


「山の景色なんて散々見慣れてるたろうし、行く意味あったのか?」


そんな言葉が出かかったが、僕は言葉を飲み込んだ。母親にしたら、皆でバスに乗って旅行に行くことが良いのだ、山の景色なんて見慣れてるはずだが、母親には知らない山の景色が良いのだ。


実家の庭には家を2つ建ててるが、僕の住んでる方の家の横には川が流れてる。小さな川だが、かなり冷たい。山からの湧き水で、100年以上前から湧き出てる水だ。


僕が子供の時に、水源近くでアマゴの稚魚を放流してたのを思い出す。その稚魚が流れ流れて、いろいろな場所で成長して、それを釣りに行ってた記憶がある。


小さい時はどこを見ても遊び場ばかりだった。


父親は庭の中に車庫とコイの池と、みんなでワイワイ楽しむ為のバーベキュー場を母親と2人で作ってる。それを手作りしたと聞いた時に、


「すげー!北の国からの五郎さんみたいや!」


僕は素直に感動した。


そんな、たくましかった父親も、僕が実家に戻った時には、頚椎損傷で右半身が麻痺をして、まともに歩くことも出来なくなってた。


麻痺の原因は、最初の右手の軽い痺れを、ただの肩コリだと勘違いしてしまい、うつ伏せに寝た状態の肩の上に母親を乗せて、そこを連日足で踏ませてたのが原因だった。


手術の時に分かったのだが、母親を肩の上に乗せて足で踏ませたせいで首の後ろの骨が粉々となり、それが重い麻痺に繋がったのだ。


両親がネットを使えて、ちょっとでもGoogleか何かで、最初の痺れの病状を検索でもしてたなら、こんな結果になってなかった可能性が高い。父親の体の麻痺は本当に悔やむばかりの結果となってしまった。


何も知らないとは、時に残酷だ。


僕は父親に詳しく説明して悔やんでいると、


「まぁしょうがない」


そう言って笑うのだ。


まだ、父親は人生を諦めてない、そして、人生とはそんなものだと笑い飛ばすのだ。


僕のふるさとの標高は高く、街で見上げる空より、空は近くに見え、どこまでも空は青い。道路も僕が小学校低学年までは舗装もしてなかった。


砂利道がアスファルトに衣替えするのを、なぜか自分の事のように誇らしく、はしゃぎながら学校から家に帰ってた記憶を思いだす。


ある夏の日に、家から下に1キロほど離れた場所に、初めて自動販売機が設置された時があった。僕は嬉しくて、夏の暑い中、その自動販売機でジュースを買うために、わざわざ歩いて買いに行ってた時があった。


家の冷蔵庫には、ちゃんと別のジュースがあるのにだ。


しかし、その自動販売機で飲み物を買う人が少ないから、いつしか自動販売機は無くなってしまってた。


僕も段々と大人となり、あんなに遊び場ばかりだと思ってた、ふるさとが、なんと不便で恥ずかしい場所だと思うようになってしまった。


携帯の電波が当然のように届く場所、夜はいつでも遊ぶ場所があり、人で溢れて寂しくない街に憧れて、そこにこそ輝く未来があると思うようになった。


そして、思春期の僕は父親と不仲となり、高校を卒業したと同時に、ふるさとを捨てた。



ふるさとを捨て、音信不通となり、もう戻れないと覚悟はしたが、僕はある人の借金を背負ってしまい、ボロボロの状態となってしまった。


もう自分では立ち上がることさえ出来ずに、死ぬことばかりを考えてた時に、父親と母親に助け出された。


その時には、もう父親の体は麻痺していたが、父親は借金だらけとなってた僕を、一切、何も責めもせず子供の時と同じように、ふるさとに迎え入れてくれた。


僕は全財産を失い、そして心の支えも失ったまま、もう二度戻らないと切り捨てた、ふるさとに戻って来た。


父親と母親は僕の戻る場所を守ってくれてた。


父親は本当は僕のように外に出たかったみたいだ。しかし、祖父が障害者で足が悪かった為に、祖母から家を継いでくれと頼まれた。それを言われた父親は激しく反抗して、その日家を飛び出した。しかし、夕方になって戻って来た父親は、


「家を継ぐ」


そう一言言ったそうだ。


この日、父親は自分の夢を捨てた。


その父親が、僕の帰る場所を作ってくれてた。僕は今だに全ての面で父親に負けている。



そんな父親が作ってくれた家に僕はまた戻った。


全てを無くして、心も空っぽになって実家に戻って来たが、今は少しづつ、心は前向きに動いている。


全て無くしたと思ってたけど、僕にはこのふるさとがあった。


父親と母親が守ってくれてた、戻る場所があったのだ。



「ここで生まれて、ここで終る」



僕の人生を簡単な言葉で表すと、こうなりそうだ。



尽くして泣いてる女性の気もちに寄り添う

2024-02-27 20:09:00 | 日記

俺は男だが、好きな人に貢いで尽くして泣いてる女性の気持ちは少しぐらいは理解出来ると思う。


なぜなら、俺も1人の女性に尽くして尽くして燃え尽きた経験があるからだ。


相手に貸したり生活を助ける為に渡したお金や、他のいろいろなお金も含めると一千万を超えるお金を相手の為に費やした。


それで相手から大事にされたならば、何も問題はないが、その人の借金を全て背負った上に10年以上毎日のように激しいモラハラみたいな言葉を受けた。人前での土下座強要もされたが、これはれっきとした強要罪という犯罪だ。


殴られるような事は無かったが、腕を爪で引っかかれて血だらけになったことはあるし、太ももに車のキーを突き刺された事もある。


さらに、列車に飛び込めだのビルの屋上から飛び降りろだの自殺を強要された事もある。これは自殺教唆罪、刑法202条にあたり、刑事罰は6か月以上7年以下の懲役または禁錮刑だ。これまた立派な犯罪だ。


だから、男性に尽くしてDVを受けてた、あるいは現在も受けてる女性の気持ちは少しは分かるつもりだ。


付き合ってる男性に暴力を振るわれても離れずに側にいる女性の心理は、もちろん恐怖心もあるだろうが、相手を愛して尽くすことで、相手が改心してくれるのを信じてる待ってる場合もあると思う。


他には「わたしがこの人を見捨てたら、この人はどうなるんだろう?」そんな捨て犬をほっておけないような母性のような心もあるのかも知れない。


これは男の俺の経験に基づく考えだから、女性の心理とは違うかも知れない。


なので、女性に生まれ変わったつもりで考えてみる。本気で女性になったらと考えるので、クドい文章となったらごめんなさい。




見える見える、女性となってDV男に尽くしまくる、ジョイ子となったジョージの姿が…


多分、俺が山奥暮らしの女の子として生まれたならば、両親はひと気のない山奥の通学路を心配して、大事に大事に送り迎えなどをして箱入り娘として育てられたと思う。田舎の男子は奥手が多いから、ジョイ子はきっと本当の恋を知らずに関西の小さな街に就職したと思う。


俺が女性となっても本当の都会には行かないはず。小心者の田舎者なのは変わらないはずだから、あまり人の多くない小さなパン屋にでも就職するかも。


ある日、そのパン屋で運命の出会いが…


その人の名はオサム、歳は30歳前後で、ジョイ子の田舎では出会ったことのないワイルドな人。


その人がジョイ子の店にパンを買いに来た。会社の上司へのお土産と言ってたけど、上司の事を「オジキ」と言ってて変な感じ。


ジョイ子は「親戚のオジサンが会社の上司をしてるのかな?」その時はそう思ってた。


田舎者のジョイ子は、今はまだ気付いてない。この男の素性と、この後、このオサムと稲妻のような恋に落ちる事を…


ジョイ子は初めて燃えるような恋をする。オサムの背中一面には立派なサーベルタイガーの模様が入ってても気にしない。何しろ初めての恋だ。ジョイ子にとっては一生の恋なのだ。


付き合った当初から他の女性の影はチラチラしてたけど、オサムの「妹だよ」の言葉をそのまま信じてた。「なぜ、こんなに妹が多いの?」その疑問をオサムに聞いてみたら「実は父親はビッグダディなんだ」と大真面目に答えた。


ジョイ子はその言葉も信じ込もうとした。


しかし、ジョイ子、さすがに分かってた。オサムの父親はビッグダディではない事を…


ジョイ子はついにキレた。「バカバカ!お父さんはビッグダディじゃないでしょ?」オサムをそう問い詰めた。


その時初めてオサムから暴力を受けた。ジョイ子の右からのバカバカビンタをかわしながら、オサムの左からのカウンターフックがジョイ子の顎を捉えた。


ジョイ子、この時初めてオサムとの別れを考える。


しかし、この時すでにジョイ子のお腹の中にはオサムとの新しい命が…


そして無事に男の子が生まれる。


名前は「雷音」


恐ろしい事にライオンと読む。見事なキラキラネームだ。オサムは自分の名前が平凡だったのがコンプレックスだったらしく、ジョイ子の反対を押し切って「雷音」と名付けた。


SMAPの名曲「ライオンハート」からだとか。名前の意味は「ライオンのような強いハートを持って欲しいからだ」と、取ってつけたような理由をオサムが言っていて、この時、ジョイ子は39回目のオサムとの別れを考えた。


この頃にはオサムの女遊びはさらに激しさを増した。


今日のオサムは後藤親分の誕生日を祝いに行くと言って家を出たけど、麻雀仲間の後藤さんは親分でもないのを知ってる。後藤さんは今日も近所をママシャリで呑気にチラシ配りをしてたから、オサムはきっと他の女のところに行ってるはすだ。


もう嘘もかなり適当になってる。でも、まだ、嘘を付いてバレないようにしてるだけでも許せてしまう。ジョイ子だけが気付かない振りをしてればいいだけだ。


私には雷音がいる。この子だけが無事に育ってくれたらいい。


そんな思いは、しばらくして打ち砕かれる。ジョイ子が大好きなアンミカさんの講演会から家に戻ると部屋の中が何か変だ。オサムと留守番してた雷音に「何かあった?」と聞くと「知らないお姉ちゃんが家に来てた」と答えた。


さらにジョイ子が愛用してる紗栄子プロデュース「ボナボチェ」のマスカラが使われてる!!!


さすがに許せない!!!


バレないようにする浮気になら我慢はしてきたけど、浮気相手を家に入れるなんて、雷音に会わせるなんて。オサムを激しく問い詰めるも、もう言い訳もしない。ジョイ子は本気のバカバカパンチを繰り出すとオサムはジョイ子のパンチをスウェーしながらのハンマーフックをジョイ子の顎に叩き込んだ。


それを見た雷音がジョイ子を守ろうとジョイ子にお覆いかぶさる。オサムがジョイ子への追撃の途中で思わず雷音を跳ね飛ばしてしまう。


壁にぶつかり泣き出してしまう雷音を抱きしめるジョイ子。


この時、別れを考えて209回目にして初めてオサムと別れることを本気で決意したのだった。


急いで、ボストンバッグに荷物を詰め込んだ。アンミカの著者「アンミカ流・ポジティブ脳の作り方」と松居一代プロデュースの水ファンデーション、後は雷音の好きなアンパンマンの絵本。とにかく、生きる為だけの必要最低限な物だけ詰め込んだ。


しかし、オサムは一切慌てることなく平然とした顔でスマホを見てる。きっとYouTubeで「ロシアンマフィアの喧嘩術」とか「職務質問を無視してみた」とかの動画を見てるのだと思う。


ジョイ子は雷音を連れてビジネスホテルに避難した。でも、考えるのはオサムのことだった。「夕飯用にカレーの準備してたのに、きっと作れないだろうな…」とか「あの人のことだから、明日履く蝶野正洋プロデュースのボクサーパンツの場所も分からないんだろうな…」とか、あんなに裏切られて暴力を振るわれたのに、離れてみるとオサムの心配ばかりが頭に浮かぶ。


次の朝、ホテルのバイキングで朝食を取ってる最中にもう早くも家に帰ろうと決意するジョイ子だった。雷音は良い子に育って、ちゃんとホテルのスタッフに「ごちそうさま!」が言える。ジョイ子は今だに奈良のシカのような、ぎこちない会釈をするのみだ。


さすがに次の日には帰りにくかったが、とにかくオサムの生活が心配だった。玄関を開けると、そこには歌手のJUJUも愛用してるルブタンのピンヒールがあった。もう女性を連れ込んでる…



そっとドアを閉めるジョイ子。


もう帰る場所はない。雷音と生きていく。雷音を絶対に守る!


それからのジョイ子は雷音を育てるためになんでもした。ネットでもお金を稼ごうとブログも開設した。ブログの名前は、


「あなたの背中のサーベルタイガー」


もう誰にも騙されない。逆に騙してやるんだ。そんな決意から、あえて一番愛して一番苦しめられた人を忘れないようにブログでもオサムの記憶を刻んだのだ。でも、雷音が小さいうちは昼の仕事しか出来なかった。その結果、消費者金融から少しづつ借りてた借金がついに大台に乗ってしまった。


そして、雷音が大きくなった時に、ついに夜の世界にデビューしたのだ。


その夜のデビューの日に現れた人の名は、


「ジョージ」



これから、残酷なお金を貢ぐ食物連羅の世界がまた始まる。



貢いで尽くして殴られて、そんな女性の心に少しでも寄り添えればと思って書いてたら、なんと、世の中の残酷なお金を貢ぐ食物連鎖の根源に辿りついてしまった。


こうやって都合のよい男が生み出されるのね…



でも、好きな人に貢いだり、DV受けても離れずに耐えてる女性は、決して自分を恥じたり、自己嫌悪になる必要はないと思う。


傷付いて泣いた数だけ、人の痛みも分かると思うので、絶対にその優しさは誰かに伝わるはずだ。



お金を貢ぐ食物連鎖はどこかで終わればいいけど、人に優しくする優しさの食物連鎖はずっと続けばいいな。







揺るぎないアンパンマンの正義

2024-02-26 20:29:22 | 日記

Amazonプライムで映画を見た。


「ザ·スーパーマリオブラザーズ·ムービー」


これを見た。


見て思ったのは、とにかくCGの出来の凄まじさ。もちろんマリオの姿はゲームの中のマリオのままなんだけど、眉毛がアップになると一本一本が精密に描かれてあったり、口の動き、顔の表情が、まるで生きてる人間かのようにリアル。



ゲスな俺は、どれほどの手間と予算をかけたのかと考えると、この予算のかけ方は、日本はまだまだハリウッドには敵わないなと思った


マリオ映画の制作費は130億円で、日本の興行収入が140億円みたいだから、日本だけで制作費は回収され、さらに全世界では2039億円の興行収入だったようだ。


この世界でのマーケットがあるから、ハリウッドは予算を膨大にかけれる。この予算の部分がハリウッドに追いついたら、日本映画が世界のトップに立ってもおかしくないとは思う。


日本のキャラクター作りは本当に素晴らしいから。


金の亡者の俺はここにすごく興味がわく。一発でも当たるキャラクターを作れたならば、一生安泰だ。


そう考えて、浮かんだのが、アンパンマン。


日本の誇るキャラクター、アンパンマンが登場したのが、もう50年以上も前だ。それなのに、今でもアニメが放映され、キャラクター商品も好評販売中だ。


もちろん、昔のファンだった子供たちは大人となり、親となり、孫を持つようになってる。そして、何かを子供に見せる時に、安心してアンパンマンを見せるのだ。ヒーロー、アンパンマンの正義を。


作者の、やなせたかしさんは第二次世界大戦中に従軍経験があり、プロパガンダ制作に関わってた事もあった。そして正義というモノが、善と悪、どちらにも反転する、いかに危ういモノかという事を痛感したようだ。


今の世界でも、空爆する側、テロ行為をする側、どちらにも自分たちの正義があるわけだ。だから、戦いは終わらない。


アンパンマンの作者のやなせたかしさんは、それまでのヒーローの姿に疑問を持ってた。強い力と強い武器、そして最後の強い必殺技。これを用いて、悪と言われる悪党をコテンパンにやっつける正義に。


やなせたかしさんは60代後半までヒットに恵まれず、貧困を経験したから、


「困ってる人に食べ物を届ける。立場や国が変わっても決して逆転しない正義のヒーロー」


という発想に繋がり、アンパンマンを登場させた。


そして、やなせたかしさんにとっての正義とは、



「正義の味方とは、まず、飢えを助ける。食べさせること」


だから、アンパンマンは自分の顔を飢えた人に与える。


これこそが、国や宗教を超える究極の正義だと考えたからだ。


アンパンマンは顔を与える事で自分の力が弱る。顔が雨に濡れても弱くなる。人に顔を与えることで、自分が弱くなると分かってても、それでも飢えた人には顔を与える。自己犠牲の精神だ。そして、自分では顔を修復も出来ずに、ジャムおじさんに助けを求める。


「自分が傷付くことなしに、正義を行うことは出来ない」


これは、やなせたかしさんが、戦争で学んだ持論らしい。


「ヒーローは強いから闘うのではなく、弱くても、闘うのだ!」


しかも、敵の、ばいきんまんと出会っても、いきなり攻撃することはなくて、まずは説得する。そして、アンパンチで追い払ったら、もう追撃はしない。出会った時に悪さをしてなかったら、敵視もしない。さらに、ばいきんまんが困ってたら、手助けすることすら厭わない。


「なぜ、ばいきんまんを捕まえないのですか?」


「ばいきんまんの悪事を止めるのが目的で、やっつけるのが目的ではないからです」


やなせさんは、読者からの質問で、そう答える。


そして、あのワンピースの作者の尾田栄一郎さんはアンパンマンの大ファンだと公言してる。


主人公のルフィはワノ国編でのクライマックスで、

敵のカイドウからこう聞かれる。


「お前が一体どんな世界を作れる?」


と。


そこでルフィは、


「ダチが腹いっぱい飯を食える世界」


こう答えるのだ。ルフィは序盤に出会った少女、おたまに、こう約束をしていた。


「俺たちがこの国出る頃には、お前が毎日腹いっぱいメシを食える国にしてやる!!」


ルフィの中にもアンパンマンのように、飢えた人を助けるという正義が受け継がれてる。


やなせたかしさんは戦争に送り出される時は「正義の戦い」の英雄として送り出されたが、負けたら悪者扱いされ、勝った者が正義となる危うい正義に疑問を持った。


そこで揺るぎない正義とはなんだろうと考え、それは、


「飢えた人を助ける」


この正義は、どんな時でも揺るぎない正義で、どんな時でも逆転しない正義と考えてアンパンマンを作ったのだ。



スーパーマリオを見た後に、俺は興行収入に興味が移り、これはキャラクタービジネスが大事だなとアンパンマンを思い浮かべ、そして最後は得意のGoogle先生で調べて、こんな考察に行きついた。


アンパンマンは本当に深い。まさにこんなキャラクターだからこそ、親から子供に、そして孫へと安心して見せれる作品となってるんだな。


俺は作品は作れないけど、こうやって文章にすることは出来る。せめて、自分の出来ることで、人の為になりたいと願う。


俺はアンパンマンのような、みんなを笑顔にするヒーローにはなれないが、今、困ってる全ての人が幸せになれるように願う事は出来る。



だから、この思いが本当になればいいと、心を込めて書いてみる。


嘘なのは分かってる

2024-02-25 20:03:00 | 日記


どんな綺麗な言葉で着飾ろうとも、その裏の隠された心は分かる人には見透かされてる。


男ならば、大体の目的がお金か女性だ。


それが見透かされてるのかは知らないが、この前、使ってないSNSのアカウントが突然フォローされた。


名前はXとだけ書いてあって、投稿は何もしてないし性別も何も書いてないアカウントだった。


しかし、俺のモットーとしては、フォローされたら絶対にフォロー返しはするようにしてるから、当然のごとく俺も相手のアカウントをフォローした。


そしたら、昨日突然「私は21才の大学生です。良かったらLINEしませんか?」


そう言って、可愛い女性の写真とLINEIDが書いてあるメッセージが届いた。



いくらなんでも、いきなりLINEIDを送る前に会話のラリーを2回ぐらいはしようよ?さすがに、これは詐欺だと思ってすぐにブロックして運営に通報した。


俺の人生初めてのブロックだ。俺なんて2ラリーぐらいの会話をしたら簡単にLINEぐらいには誘導出来るのに、いきなりなんの会話も無しにLINEに誘導しようなんて雑過ぎる!



例えば最初にこんなメッセージが来たなら…


ステラ 「こんにちは!ジョージさんの投稿を見て興味が湧きました♡どんな方なんですか?」


ジョージ 「俺なんてただの旅人ですよ。人生迷って迷って今は臆病になり恋の空を見上げるばかりです。でも、今でも恋に破れて傷付いた人はほっておけないかな、まぁ恋の保安官ではあるかも?」



相手は2行の文なのに、俺は余計な事をペラペラと説明してからの、



ステラ「すごい!ジョージさんて頼りになりそう!ちょっと相談あるんです…良かったらLINEIDを教えてくれませんか?」


ジョージ 「オケ!久しぶりにLINEの空にテイクオフします!でも、久しぶりだから心のスピードを上手くて制御出来ないかも?恋の乱気流を乗りこなせないかも?それでも良かったら、LINEに移動しましょう!ステラさん、悩みがあるなら気にせずに言って下さい。恋のクッキーが上手くて焼けてないのかな?」



相手は恋の相談とも言ってもないのに、勝手に恋の相談と妄想しての、この長文…



しかし、たった2回の会話のラリーだ。


たった2回の会話のラリーを書くだけで、俺なんかは簡単にLINEに誘導出来るのに詐欺しようとする人間がそれが出来んかなぁ。もちろん、こんなにキモい返事はしないから脚色して書いてはいるが、それでも普通の会話なら、2ラリーぐらいで俺をLINEの方に誘導するぐらいは簡単である。


でも、例えLINEに移動しても騙されてるだろうなとは最初から分かってるよ。


それでも俺みたいな人間に時間使って相手してくれたら、それでもいいかなと思ってしまうのだ。


ニュースでも、風俗やパパ活して男に貢いでる女の子のニュースとか見るけど、


「馬鹿だなぁ、騙されてるのが分からんのかな?」


と、思ってはしまうけど、彼女たちだってとっくに分かってる。自分が金づるにしか思われてない事を…


俺だって、全財産を無くしてまで女性を助けようとしたけど早い段階で分かってたよ。俺がお金を出さないと維持出来ない関係だということを。


だって、俺が逆の立場だったら好きな人に余計なお金を使わそうとは絶対に思わないからだ。本当にお金に困ってても、俺はそんな状況を大事な人に知られないようにする。


なぜなら、相手を心配させたくないし心にも負担をかけたくないから。それが相手を大事に思うという事だと思う。


男に貢いでる女の子も絶対に分かってるけど、相手にも依存してるし、どうしようもないんだろうな。


お金でしか繋がる事が出来ない関係は切ない。お金でしか自分の価値を測れないなんて悲しいね…


夜の世界の女性の言葉に騙されて、夢中になってる男性をたくさん見るけど、やはり本当に好きな男には店には来させないと思う。


騙されてる男も薄々分かってるだろうけど、現実を見たくないのかもな。


女性を金づるとしか思ってない男に、風俗やパパ活してまで貢ぐ女の子がいて、その女の子に貢ぐモテない男がいて、ものの見事な食物連鎖の世界だ。


好きになった人の行動や言葉をちゃんと見れば、その人の本当の心は分かるのに傷付くのが怖くて見ないフリをする。


嘘がバレてないと調子に乗ってたら、絶対に痛い目を見る。自分を好きでいてくれる人は、あなたの噓を見ないフリをしてくれてる可能性が非常に高い。


優しくしてほしいからお金を稼ぎ、一緒にいてほしいからお金を貢ぐ。



お金で愛を確認する人生は悲しいな…