GOODLUCK'S WORLD

<共感>を大切に、一人の男のスタンスをニュース・映画・本・音楽を通して綴っていきたい

「メンターを探せ!」(5)「ゴルフ」編

2012年05月12日 | Weblog
 今日はとても良いことがあった。
 頸椎のリハビリに行った後、打ちっ放しの練習に行った。明日、中学以来の親友とその奥さんと、堺CCに行くからだ。良いことは練習場での出来事だった。いつものように脇目も触らず、黙々とスイング完成を目指し練習していた。すると、目の前の打席にいる70歳位の男性の打球音が耳から入ってきて、どうしても聞き逃せなかった。「キシッ!」とボールの芯を打つ音が途切れない。今まで何百回も練習に来ているが、こんないい音を続ける人と出会ったのは初めてだ。私の直感が騒ぎだした。(この名人に、ワンポントレッスンを頼んでみろ!)と直感が叫びだしたのだ。生まれて初めて、練習場で赤の他人に声をかけた。

               

「練習中なのに、突然で申しわけありませんが、今スイングで悩んでいます。ワンポイントレッスンしていただけませんか?」
「ああ、いいですよ」と、即座ににこやかな笑顔が返ってきた。(紳士だ、この方は!)
「私は今、頸椎を痛め、リハビリ中で左手の握力が右手の半分しかありません。だから飛ばなくなってもしかたがないのですが、あなたの打球音に魅了されました。もう少し距離が欲しい。でもそれを臨めば安定しない。これが私の悩みです。宜しくお願いします!」と帽子を取って最敬礼した。
「じゃー、何球か打ってみて下さい!」彼の言葉はとても温かく聞こえた。
 緊張せずに、体重を左足からあまり移動させないスイングでボールを振り抜いた。真っ直ぐ飛んだが、200ヤードのネットまで、ワンバウンドを要した。つまりキャリーで200ヤード以下ということだ。
 彼の打球は、ゆうに200ヤードネットにキャリーで当たっていた。ランが良ければ250ヤードまで転がるに違いない。
 私のスイングを数回見て、そのゴルフ紳士がゆっくりとしゃべり出した。

「重心が左足過ぎる。(私の1年半かかって作り上げてきたスイングを見事に看破した!)もっと飛ばしたいなら、基本通りスイングのスタートから右足重心でトップまで上げること。そして今のあなたのスイングは左肩の回しが不十分です!」明快だった。

 すべて理解できた。以前はそのように練習していたからだ。しかし、青木やタイガーから「左足はベタ足にし、膝やカカトを上げずに打った方が、ボールを捉えやすい」という言葉を何度も耳にしていた。つまり体重移動が必要以上になると、ボールを取らえ難くなる、不必要な頭の上下動も生じる、というのがベタ足打法を勧める根拠だ。
 そこで私は現在タイガー・ウッズが身につけようとしているスイング(私の方が少し早くスタートしたが)を目指して1年半、ようやく身についてきていたところだった。筋力低下が最大の原因だろうが、距離よりも安定打法に変更したのは事実だった。(挑戦を辞めて、逃げたことを指摘されたのだ)

                    

 ゴルフでの靄がスーっと消滅していくのを実感した。ゴルフ紳士の前で何球も打った。ミスもしたが、今までにない打球もあった。しかもゴルフ紳士と同じ所まで飛び、ネットを揺らしたのだ。(これは、いける! 私の<直感>叫んでいた)
 怪我していても、あそこまで飛んだのだ。ゴルフ紳士には、私の喜びようが初めて自転車に乗れるようになって大はしゃぎする子供のように見えたに違いない。頭を下げお礼を言った。そして、ボールを1カゴ出して彼の打席に持って行き、再度感謝の気持ちを伝えた。
 その後も時々、私のスイングを見に来て下さり、自分で上手く打てたと感じたとき、すかさず「ナイスショット!」と声をかけてくれた。(この方は真のゴルフメンターだ!)

「親や上司、先生の最大の役目は自信をつけさすこと」(●メンター)

 私は自分の作ったあの名刺を手渡し、お名前を尋ねた。メンターは言った。
「ホリです!」そのにこやかな表情と言葉は、まさしくゴルフ紳士だった。その後メンターの周りに練習に行くと何度も目にするゴルフ好きの人たちが集まってきた。ホリ氏は、ここでは有名人のようだった。今まで来られていたのかもしれないが、騒がしい人ではなく、だから見覚えはなかった。彼のボールが無くなってきたので、私は自分のボール差し出しだした。「これを使ってください」この一言で私は彼等の仲間入りを果たすこともできたのだ。

 良いこととはゴルフメンター(ホリ氏)との出会い、ゴルフ好きの仲間ができたこと、そして、練習の目標が明確になったことだ。彼等には名刺は渡さなかったが、名前だけは告げた。そして「これからも皆さん、宜しくお願いします!」と挨拶して練習場を後にした。<直感>が正しかったことを実感しながら。


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