ゾンビが学校に突然現れた！「学園黙示録 ハイスクール・オブ・ザ・デッド」

And I heard a voice in the midst of the four beasts
And I looked and behold, a pale horse
And his name that sat on him was Death
And Hell followed with him
（ヨハネの黙示録第六章より）


諸君、ゾンビ映画は好きか？私は大好きだ。


ゾンビ映画の大御所、ジョージ・Ａ・ロメロが好きだ。
彼の名作「ゾンビ」をリメイクした「ドーン・オブ・ザ・デッド」が好きだ。映画館にも見に行った。
ソンビ映画への愛がいっぱいのコメディ映画「ショーン・オブ・ザ・デッド」も好きだ。香港に行った際、ＶＣＤも買ってしまった。
ジョニー・キャッシュの"The Man Comes Around"を聴くと心躍る。世界が滅亡する時聴きたい曲ナンバーワン。


思えば「ゾンビ＝動きがのろい」というイメージが長い間支配していて、「あんな奴らなら生き延びられるぜ」なんて世をなめた考えだったけど、ドーン～に代表されるように、最近のゾンビは動きが速い。正に全力疾走ゾンビ。運動神経がない小生は死亡フラグ確定。しかもゲーセンのハウス・オブ・ザ・デッドですら、「トリガー引きすぎで指が痛い」なんてヘタレた事ぬかしているんだから何をかいわんや（日本ではそもそも銃火器手に入らないだろ、というツッコミ厳禁）。


それはそれとして、もしもゾンビが日常生活に突然出現したら？そんなことをゾンビ映画を見たら一度はみんな考えるはず。そんな想いを日本の高校生を主人公に漫画化したもの、それが本日紹介する「学園黙示録　ハイスクール・オブ・ザ・デッド」。


つまりは突然ゾンビが校門前にやって来て、噛まれた先生からゾンビ化広まり阿鼻叫喚の地獄絵図。ゾンビの脅威は四民平等、相手が美人眼鏡教師だろうと、ブルマ娘だろうとメイウェンティー（北京語で「問題ない」の意）。むしろ性的な意味で喰うだけがいいネ！（最低だ）


ところでゾンビ映画の要となるのはつかみの導入部。どれだけ高いテンションで本題に入れるかがその作品の質を大きく左右するというのが小生の持論だけど、この漫画もいきなり高テンションで本題に入ってくれるから実に素晴らしい。


原作者の佐藤大輔という人の他の作品は見た事がないけど、この作品を書くにあたって多くのゾンビ映画を参考・消化したようで、作中ゾンビをあえて「奴ら」と言ったり（※映画ショーン・オブ～では“Ｚ”が付く言葉は縁起が悪いから口に出すなとネタにもしたりも）、愛すべき友人のゾンビ化、リーダーシップをとりたがる奴と言ったゾンビ映画の定番的エッセンスも忘れていないのが嬉しいところ。ちなみにのんびり保健医にはゾンビ映画ファンがニヤりとするような、こんなセリフもはかせている

まるでロメロの映画みたい・・・



ところで漫画としても楽しい点として挙げられるのが個性的な脇役の数々
・突然活き活きとする銃火器ヲタ



・そのヲタにやたら命令ばかりする天才ツインテール（ぜってーツンデレだよ）もピンチにはこのとおり

くそぉっ　死ね死ね　死ね死ね死ねぇぇぇ！！！


・前述の保健医をかばいゾンビにかまれた男子生徒を介錯（！）する剣道部主将

いや～ん、介錯して～


第一巻では学校から脱出するところまで描かれているけれど、それでたった三話しか収録されていないという点に逆に驚かされる（内容の濃さといった良い意味で）。しかも公式ＨＰによると、第二巻は四月一日に発売されるとのこと（早ッ！）。第二巻の発売が待ち遠しい！


ところで思わずふきだしてしまったのがコンビニの店員、才門さん

元ネタはこちら。クリケットのラケットが非常に芸が細かいデス


おまけ
「ハイスクール・オブ・ザ・デッド」を百倍楽しむ資料集
・ゾンビ映画の原点「ナイト・オブ・ザ・リビング・デッド」。廉価盤もあるので未見の方は是非この機会に。
・ロケンローな高テンションゾンビ映画「ドーン・オブ・ザ・デッド」。冒頭からＯＰは正に神展開。
・ドーン～のＯＰに流れる"The Man Comes Around"が収録されたジョニー・キャッシュの遺作"American IV: The Man Comes Around "。The Man～以外も名演揃い